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2 これが僕のステータス

読んでいただきありがとうございます!

今回は説明回です。

(はぁ、もうちょっと身長伸びないかなー…。あと3cmで160なのに…)


「聞いていないのならばもう説明はやめますが?」


「き、聞いてますとも!是非是非お続けください!」


  使いのメイドに(物理的に)見下ろされながら教えられた情報は次のようだった。


 ・人間

 ヒト、獣人、エルフ、ドワーフなどを人間と呼び、神によって創造された。種族仲は悪くないが、生活様式が種族によって大きく異なるので、それぞれ別の国を作り暮らしている。

 ヒトは魔法が使えて身体能力もまあまあ。魔道具を作ることに長けている。

 獣人は身体能力において他の種族を凌駕し、接近戦では非常に頼もしい相棒となる。

 エルフは比類なき魔法能力の高さを持ち、後衛として活躍する。

 ドワーフは力が強く、器用なので最高峰の武器を鍛え上げる。


 種族間での差別がないとはすごいと思って聞いてみるとやはり一部では存在しているらしいが、少数派とのこと。


 ・魔族

 人間が神から作られたのとは対極に、魔族は邪神に作られたとされ、個体数は少ないものの、獣人並みの身体能力にエルフを遥かに上回る魔法能力を持ち合わせており、非常に強力である。また、本能レベルで人間に対する激しい嫌悪感を植え付けられているので、共存は不可能とされる。魔王を名乗る個体は特に強力で、勇者にしか倒せないことが多い。最近魔王が現れ、魔物も増えだしたので、勇者なしには数年と持たないとみられている。


 ・モンスター=魔物

 動植物に魔力が不自然なほど溜まることによって自然発生的に生まれたものだと考えられている。

 体内に魔物の強さの核に合わせた魔石があり、人間は魔道具の動力源として利用しているので、ある程度の値がつく。

 大抵は本能的に行動するが、人間に懐いたりするものもいるし、ドラゴンのように人の言語を理解する非常に賢いものもいる。


 ・通貨

 驚くことなかれ、紙幣が流通していた。まあ過去に11回も日本人がきているのであるから、考えてみると妙に納得だが、ファンタジー世界のイメージをぶっ潰された風乃は金貨が見たかっただのうんうん唸っていた。

 単位はゴンで、聞いた感じだと、一般家庭の食費で考えた結果約1ゴン1円だなと風乃は予想した。わかりやすくてなによりだ。


 ・冒険者

 まあ、ファンタジーによく出てくる、武力を持った何でも屋さんのようなものだ。これまたよくあるように、冒険者は国に縛られることはなく、自由に国家間を移動したり、徴兵されなかったりするらしい。これだけでは国に大損の内容であったが、冒険者をまとめるギルドはかなりの税を自主的に払うし、冒険者の勢力はかなり強力で手出しがしにくいこと、冒険者が国にいるのには高い経済効果があることから、今では多くの国家に設置されている。冒険者はギルドの掲示板を見てクエストを選び達成して報酬をもらう。

ちなみにお馴染みの冒険者ランクというものがある。ランクは上からS、A〜Eまである。Eランクはただの雑用係で、Dから魔物を倒すクエストがあり、Cランクは中堅である程度信用があり、Bランクは腕利き、Aランクは二つ名がつくことが多く国内外に名を知られ、Sランクは化け物で、現在帝国には2人しかいない。ちなみに勇者はそれ以上になるのですよと聞いて風乃は微妙な顔をした。騎士団長はAランクとSランクの間くらいらしい。


「そして、この世界にはステータスと呼ばれるものが存在します。頭の中だけで結構ですので、ステータス、と念じてみてください。」


(ステータス)


 葵風乃 17歳

 属性 波

 称号 巻き込まれし異界人|(成長速度10倍 人間語)


「うわぁ…!!」


 脳裏に浮かんだこの文字に、風乃は興奮が隠しきれない様子で、非常に嬉しそーな顔だった。それはそれは大層かわいらしく庇護欲をかきたてるもので、今まで冷たい態度を取ってきたメイドをも陥落させるところだったのは言うまでもない。


「…こほん。そこには名前、年齢、属性、称号が載っているはずです。先の謁見の時にもありましたが、改めて称号と属性について説明いたします。」


「称号というのは、その人の立場、役職、二つ名など特徴的なことについて与えられるもので、特殊な効果を持つこともあります。例えば、異世界から召喚された方は”異界”がつく称号を持ち、”人間語”の効果があるので、私たちは今言葉をかわすことができるのです。」


 ずっと疑問に思っていたことが解消されて、しかし、風乃には驚くことがあった。それは、ずっと日本語で話していたと思っていた言葉が異世界語だったということだ。日本語が勝手に翻訳されているならいざ知らず、いつの間にか長年使っていた日本語では無く、異世界語の方が自然に出てきたということが彼を驚愕させたのである。そしてそれは、風乃に称号の効果の高さを思い知らせるには充分だった。よって…


「葵殿の称号は”巻き込まれし異界人”ですね。これは”人間語”の効果しかないことで知られています。」


(え…。成長速度10倍は知られてないみたい。これは隠しといたほうが有利かもしれないなぁ。)

  この判断は風乃の将来を大きく変えるものであったが、今の風乃が知るよしもなかった。


「ってなんで称号知ってんの?」


 誰にでも知られてしまうのはプライバシー的にまずいのではないか。っていうか波属性は隠す必要性かなり高くね?ちょっとやばいかもと風乃は思ったのだったが、


「帝国には鑑定の魔道具があり、属性と称号の名称を表示することが可能です。」


「うわぁなにそれ怖い。そんなもんが出回ってるのか。」


「いえ、この魔道具は王や大貴族、冒険者ギルド本部くらいしか持っていません。非常に高価で貴重ですので。」


 この言葉を聞いてこれで普通に外出もできんじゃね?と一安心した風乃だったが、まだ疑問があった。


「その魔道具の発動条件はなんなの?まさか見ただけでわかるとか。」


「そんなものがあれば苦労はありません。こんなこともわからないのですか、全く。」


(んなもん知らねーよ!そういうの教えてくれるのが仕事じゃなかったんかい!!)

「い、いやぁ、こっちの常識はまだ全然わかんないんだから勘弁してよ。」


「はぁ…。説明を続けますよ。この調子ではいつ終わるかわかったものではありません。」


 それは確かに事実であるので風乃はおとなしく話を聞く体制に入った。


「次は属性についてです。属性というのは体内に流れる魔力の種類だと考えられていて、使える魔法の種類に直結します。全部で12属性あり、基本的には1人1属性持ちます。2属性持ちは20人に1人くらいです。基本属性が7割、上位属性が2割、特殊属性1割で、それぞれ4種あります。詳しいことは魔法使いにでも教わってください。勇者様方は皆様上位属性と特殊属性の2属性持ちです。かっこいいですよねー。葵殿とは違って。」


「はいはいそりゃあ悪かったなぁ。って波属性は?ステータスにはあったけど。」


「あまりにも使えないので今はなき大帝国が特殊属性から外したとされています。」


「ぐぬぬ」


 ひどい言われようである。とはいえ風乃は、前魔導士が話した内容を聞いてなお納得できないとはいえなかったようだ。使えないし呪われるし謎が多いしときたら不気味がるのは当然である。


「最後に話すのは身体能力や魔法能力を鍛える方法についてです。」


「やっぱモンスター倒すとレベル上がっちゃったり?ってちょぉっとストップ!え、なに?説明はもう終わりなの?情報量すっごい少なくないですか?」


「私は最低限の情報を与えるようにと承りましたので。あとは図書館でも使ってください。それともなんですか、ここで中断しても私には問題ありませんが。」


 図書館が使えるのであれば1週間でもある程度情報が得られると判断した風乃だったが、独り立ちする以上は強くならなければ生きていけないだろうと、やはり続きを尋ねた。


「強くなる方法については2つあります。

 1つ目は訓練をすることです。走り込みや素振りなどで持久力や筋力を身につけることができます。魔法の場合も、練習を重ねるごとに魔力や制御力を上げることができます。上がり辛くおろそかにされやすい方法ですが、技術面はこのように鍛えるほかありません。


 2つ目は魔物を倒すことです。モンスターを倒すと自分の存在の力などと呼ばれるものが上昇し、それに伴い能力が向上すると言われています。詳しい仕組みは何もわかってませんが、効果が高い方法です。強いモンスターほど高い効果が得られます。ただし、この方法で強くなれば強くなるほど力は上がりにくくなっていきますので弱いモンスターばかり倒していても早々に限界がくることでしょう。」


「レベルとか能力値とかは出ないけど同じようなもんなんだなぁ。あ、そういえば仲間と一緒にいるときはどうなるの?」


「パーティー契約の魔法と一般に呼ばれているものを結ぶとパーティー全体に配分されます。騎士団では専用の魔法使いがいます。冒険者ギルドではギルドメンバーには無料で、そうでない人には有料で魔法をかける職員がいます。」


 はぁー、便利な魔法があるもんだなーと思った風乃であるが、これはそうでなければ回復職は不遇極まるからと昔の賢者が考案した方法だった。


「これで説明は終わります。これは城内で1週間有効な身分証で、これを示すことで食堂、図書館などが利用できます。机にあるのが簡単な城内図です。それでは失礼します。」


 バタン


 最後にものすごい勢いで有無を言わせず去って行ったメイドに、風乃はしばらくぼーっとしていた。我に返ってこれから先どうするか悩み、明日からは騎士団の人に鍛え方を教えてもらい、図書館で情報収集しようと決めた。きゅるると鳴ったお腹の音に、とりあえずは食堂に向かうことにした風乃であった。






タイピングーもっと速くなれ〜

ハァー!!

はぁ…。


誤字矛盾などありましたらぜひお知らせください!

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