死ぬのに必要な時間
『久しぶり
そんな言葉を言ってくれる人も言える人もいない
日々磨耗する機械のよう
変化のない活動を
永遠とも思える時を
知るのを拒否していた
気が付いた時には修理ができなくなっていた
それが理解でもあった
おはようかおやすみか
いってきますかただいまか
自分の時間がわからなくなった
僕は待っていた
何かが何かを変えてくれることを
そんなことは起きないとわかっていた
でも待っていた
考えていない訳ではなかった
頭の片隅に置いていたつもりだった
が
それは常に頭の中心にあったことに
やっと
気付いた
思い知らされた
躊躇いはない
心残りもない
ただ
誰かに知って欲しかった
自分が存在していたという事実を
この思いを
そして
次に繋げてくれたら
僕にとって死ぬまでに必要だったのは
209,165時間だった
これを見てくれた人が
この時間より長くなることを
心からは願わないが
そうなったら良いとは思う
では』
僕は