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侍女の語噺 【後】

姫様がお城を出られて、ユウカ様が王妃として扱われるようになり本格的に王妃教育が始まったのですが……。


「ユウカ様、それではありませんっ!」

「あぁっ!もう!!いいじゃないのよ!別に!!」


__状況は実に、最悪でした。


家庭教師、として当てがわれた先生方から御指導が入ると癇癪を起こしてしまわれます。そして、全てを放り出すかのように見向きもしなくなるのです。何度か諌めましたが侍女、ということで見下されていて聞く耳を持ってくださいません。


__そして今も。


「アルノ!!王様を呼んできてちょうだいっ!」

「陛下は今執務中です。」

「使えないわねっ!……もう、散歩に行くわ!」


先生方に侍女長と共に何度も頭を下げ渋々了承を頂いているのですが、これはもう無理かもしれませんね……。と帰っていかれる先生方とまだ十分の一も終わっていない課題の数々に頭を抱えます。


ユウカ様ははっきり申し上げますが我儘な似非姫とでも形容したくなるほどです。見目は麗しいですし口を開かなければ何処ぞの深窓のご令嬢なのですが性格も能力も失礼ですがよろしくありません。しかし、それを上手く隠しておられていて、こんなに性格が過激でいらっしゃるのにユウカ様のことを妖精のようだと形容する人が殆どです。

宰相様や侍女一同はユウカ様にひどく憤慨してもはおりますが臣下の方々や騎士様など殆どの男性にはバレていないようです。そもそも男性が馬鹿なのかもしれませんが……と、失礼しました。


そして、陛下は遂にユウカ様とはっきりと距離を置いたのです。


「……っ!なによ!」


ボスン、と悔しげに枕を殴るユウカ様を見て同情したのは否定しませんが自業自得だと心の中で罵ります。最近、表情を表に出さなくなったせいかなかで罵詈雑言を並べ立てるようになってしまいました。

お茶を入れて参ります、とユウカ様に申し上げ専属騎士である彼に調理場に行く旨を伝え、律儀に頷く彼。正義感溢れる所が良かったけれどユウカ様を時折目で追っているので一目は彼にしよう、と決めました。


私が、姫様の元へかえるためにユウカ様をここから追い出すのです。でもただ追い出すだけてはなく陛下からの信頼を失った上で出て行って欲しいのです、私の姫様を侮辱したユウカ様には。


調理場からお茶を貰い、その途中でポットに媚薬を盛る。小さな瓶一杯分をとろりと流します。そうして、部屋の前に着くと姫様の専属騎士である彼が扉を開けてくれようとしてくださるのでその前に。


「騎士様、私はこの後仕事があり他の子共どもここを離れなければなりません。なので少しだけユウカ様のお側に居てあげてくれませんか?お茶をお飲みになられるだけでいいので……お願いします……」


頭を下げれば、困惑しながらも頷く彼に内心笑って。部屋の中に入った。


***


翌朝、ユウカ様の元へ行けばぐちゃぐちゃに乱れたシーツとユウカ様が居て、騎士様が扉の所で私を見て青くなりました。

そんな騎士様に私はにっこりと笑って。


「大丈夫です。誰にも申しません。なので普通通りにして下さい。あと、ユウカ様を湯に入れてくださいませんか?私は皆が来る前にシーツを片付けますので。」


彼は無言で頷くとユウカ様を湯殿へ運んで行きました。その間に私はシーツを片付けるのですが時折漏れ聞こえるお声に溜息を吐いて音漏れ防止の魔を施してある札を湯殿の扉に貼りました。

あれは彼女と陛下の為に使うものなのですがまぁ、根本的な使い方は間違ってはいないのでいいでしょう。

タオルと簡素な着替えをカゴに入れ湯殿の扉の所に置いて部屋を出ます。そして他の子達に部屋に入るなと申しつけて私はシーツを洗濯しに行きました。それから、何人かを姫様と二人っきりにすると面白いくらいに思惑通り戯れてくれるのでバレるのも時間の問題です。


国内外の貴族を集めて晩餐会を行った夜、私は他の仕事のをしていましたので陛下がユウカ様のもとへ渡られる、と聞いたとき彼女の用意を他の子に任せたのですが、陛下は自らユウカ様の部屋に向かわれたらしい、と言伝を貰い彼女の支度をするために急いで部屋へ向かったのですが……、そこには思いがけず修羅場が繰り広げられておりました。


「ユウカっ!何があった!?」

「キャッ!!」

「っ!!へ、へいか……、こ、これには」

「……これは、どうゆうことだ」

「これはっ!そのっ!」

「陛下っ!」


一歩間に合わず、陛下が扉を開けて呆然としているところを廊下から見てしまい、ヒルルク様が騎士を連れて行くところやユウカ様が陛下に侮蔑の視線を向けられて連れられて行くところまでバッチリ目撃してしまいました。立てていた計画とは大分異なるものでしたがまぁ結果オーライというものです。

……ユウカ様には自業自得だと言葉をお送りいたしましょう。


そして、処罰が下され彼女が去っていった次の日。仕える人がいないので、と私も暇を貰い聖堂へ行き、困惑しながらも受け入れてくださった姫様と食えない笑顔を浮かべて私を神子姫付きの見習い神官としてくださった神官様に事の顛末を話せば笑われてしまいましたが姫様のお側に行く為なら手段は選びませんわ!と熱弁すれば


「もうっ……!アルノったらっ」

「いいですね、貴方私の仕事の手伝いでもしませんか?」


呆れながらも笑ってくださった姫様とお仕事のお話を持ちかけてくださる神官様がいらっしゃいました。


「姫様!大丈夫です!陛下がきても私が追い返しますからね!!」


ギュッと姫様の手を握ると、姫様はもう、といいながらもあの私が好きだったなんの憂いもない優しい笑顔で応えてくれたのです__。



遅くなり申し訳ありませんっ!

その上、駄文過ぎてお見苦しいものですが読んでくださりありがとうございました!


前回に引き続き、修正が入るかもしれません。

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