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落人の主張

遅くなって申し訳ありません!

流血シーンはありませんが、ナルシストすぎてイラっとするかもしれません……

今日は生徒会長とご飯、とスケジュールを確認してそれまでに書記くんと勉強できるかなと計画を立てる。


私、天野優香はこの学園でいわゆる逆ハーを育成中。生徒会執行部を中心にクラスの男子とか後輩とかまるでゲームのような生活。

正直、女子からは妬まれてるし親しい同性の友達もいないけど男の子が守ってくれるから別にいらない。むしろいたら、彼らと会う時間が少なくなっちゃう。


放課後、生徒会執行部書記のハル君を図書室で待ってたんだけど正直勉強なんてしたくない。わからないしつまんないし、でも勉強中はスキンシップがとれるからまぁいいかな。ハル君が来るまで、て思って小説をパラパラめくってたら突然図書室の電気が消えて真っ暗になってしまった。


「えー……なぁに」


何も見えない中、一歩踏み出したら視界が反転した。息もできない位の突風が吹いて髪がっ!なんて思う暇もないほど吹き荒れて私を襲う。


__なんで、なんで、誰か、守ってよ……!


声にならない声で助けてと叫ぶ。その瞬間突風がやんでゆっくりと目を開けると、自分がいた学園の図書室とは比べ物にならないほど綺麗なものがたくさん置いてある部屋に色んな髪色の人がいて、ちゃんと見えないけど結構なイケメンっ!


「__そなたは、誰だ?」


なんてじっくりと周りを見ていたので気付かなかったけど1段高いところにある椅子に座っている人が話しかけてきたの。いかにも外人ですって顔なのに日本語話してるなんてどーゆーこと?でも、それにしても、ものすごく美形。見惚れてると何を勘違いをしたのだろうものすごく焦ったように周りが動き出す。


「え……?」

「__女神シェリリアールの子、シェリアの名で貴方を黒の落人いせかいじんとし、この王城に保護します。」


見惚れていた彼の横に立つ、この世の人とは思えないほど綺麗な女が私をみて微笑んでいた。私より美人なんているはずない、って思っていたのが一瞬で崩れ去った。私が知っている色と異なる色を身に持つその人は同じひと、とは思えなかった。


「では、お名前を教えていただけますか?」


__私よりも美しいひとに優しく手を差し伸べられたのを見て無性に腹が立った。けれどそれを隠して、いつものように加護欲をそそるように。


「……優香、です」

「そう、ユウカ様。貴方を元の世界に戻す方法が見つかるまで、ここで生きることを決めるまで貴方にはここで暮らしてもらいます。」



その人は私を保護すると周りに言い、私は侍女によって私の部屋になる客室へ連れて行かれた。その時にじっと少し熱の篭った視線が追ってくるのがわかって、多少異なったけれどこの国でも私の容姿は武器になると確認できたからいいや。

それから、何日かは部屋で過ごした。なんてゆうか、時間の感覚がイマイチつかめなくてダウンしてたっていうのもあるんだけど、何回か王様が様子を見に来てくれてこれは脈ありっぽいと思える態度だったので少し誘ってみると案外簡単に乗ってきた。こんなにチョロいなんてと拍子抜けしたけど顔も身体もイイから多めに見てあげる。


一瞬だけ、ここの宰相が言ってた戻れなくなるっていうことを思い出すけど正直、こっちだったら何もしなくてもいいしイケメン多いから帰らなくてもいいやっ!


ゆっくりと触れようとする彼に抱きついて身体を密着させる。ごくりと喉が上下する音が聞こえて、そのまま足を絡めた。

それから、あの愛されてなさそうななんでも自分でできます的な王妃さまが出て行ってこれで王様は私だけのもの、と今まで以上に愛されてお姫様気分てゆうかお姫様だったのに翌日から勉強やら礼儀作法やら詰め込まれて、なんでこっちに来てまで勉強しなきゃいけないのよ!

不機嫌を露わにすると宰相は呆れた目線を投げかけて来る。

食事一つにしたって細かいことから指示されてやんなっちゃう。

見栄え?そんなもの私が食べてたら美しいに決まってるでしょ。もう、やになる


ある日、王様が晩餐を共にしようとと言伝を持たせてきたので私は張り切って準備した。侍女は私が着たいと言うドレスにいい顔をせず此方は、と違うものを召されてしまう。なんでよ、こんな古臭いの。しかも出てるのは手首だけだなんて、この私のプロポーションを見せないだなんてどうかしてるわよっ!少しふて腐れた顔をすればあまりいい気のしない視線を感じて侍女がいつもよりかは落ち着いた、私が許せる最低ラインギリギリのドレスを持ってきた。

まぁ、これならと着替え始める。

化粧もして、王様がエスコートしてくれるまで少しだけ待つ。その間年寄りの侍女がマナーについて何か言ってるけど興味もないし。それよりも夜のことを、考えたらあまり食べないほうがいいかしらと王様の顔を思い出した。

しばらくして、王様が来たので彼のエスコートで歩く。彼は少しだけ顔を曇らせて私の隣で話に相槌を打つだけ。どうしたの、と彼の顔を覗くと彼は少し頭を振ってにっこりと笑った。その時、目線が胸のところに行っていたから多分魅入っていたんだろう。ふふ、今日の夜も楽しみだわ。


晩餐が終って、体を磨いて彼が来るのを待っていたけれど一向に来ない。どうしたのだろうか、と思っているといつも前触れをしてくれる侍女が今日はお越しになられません、と頭を下げる。

__何よ、何よ。こんなに時間費やしたのに。せっかく香油だって塗ったのに。

やさぐれてしまった気分を察してか侍女はお茶をお持ちしましょうと部屋から出て行った。暫くしてティーポットとカップを二つ運んできた侍女の後ろから私の専属騎士の人が入ってきた。


「ユウカ様、私共はもう下がらねばなりませんのであとはこのディグルに任せております故」


ソファに座っている私の前に音を立てずに紅茶を置き、騎士に二言三言言い、部屋に控えていた侍女諸共出て行った。

残ったのは堅物そうな騎士1人。


「えと、ディグル様もお飲みになりますか?そういえば、年もお近いですよね?」

「えぇ、まぁ」


カップに注ぎながらチラリと彼を見る。王様ほとではないけれど整った顔立ちに細く見えるけれどがっしりした筋肉。まぁ、いいかな。


「ここではあまり、年の近しい方がいなくて…、こうしてお話してくださるのが嬉しいです」


はにかむように笑ってやると彼の頬に赤みがさす。これはいける。

緩む口ものを隠すように紅茶を口に含む。他愛ない話をしながらお茶を一杯飲み干すと体の中が熱くなる。チラリと彼を見ると彼も同じようで首元のスカーフを少し緩くしている。段々と身体が火照ってきて上着を脱ぐ。


「__ユウカ様っ」


彼が慌てて私に上着を着せようとして肌に触れた時私の口から漏れる声にぴくりと動きを止める。

ふわふわとして落ち着かない熱をどうにかしたい__

動かない彼の前でするりとネグリジェの紐を解き、手を伸ばした。



あれから、王様は全くと言っていいほど来なくなって代わりに侍女が連れてくる騎士や庭師などと戯れた。

なんで、あの侍女は。と思うけれど何も言ってこないし誰にも言ってなさそうだから放っておくことにした。


ある夜、いつものように騎士と戯れようとしたら王様が入ってきた。ギョッとした顔で此方を見て、衛兵が彼を連れて行ってしまったから慌てた。これはヤバイ。

あの、嫌いな宰相が私を見て蔑んだ目を向けた。何あいつ!私の裸を見てあの目は!

宰相にイラっとしてたら王様と2人っきりになってて慌てて彼の元へ駆け寄った。ギュッと抱きついて誘って許してもらおうとしたけれど彼は私を冷たく突き放した__


後日、私の専属騎士と一緒に王様の前で罪を暴かれて王都から遠く離れた寒さが厳しいらしい地に1年間は監視付きの労働を課された。最後に王様に視線を送ったけれど無視された__。


専属騎士だったディグルは騎士だった頃の堅物が嘘みたいに変態になっちゃったし、1年は離婚もできないし最悪っ!

__私なら異世界で逆ハー築けたのに!なんで、私がこんな目に合わないといけないのよっ!

思った以上に悪女になってしまったユウカさん。悪気はなかったんです…!

自分大好き、陶酔タイプな彼女は異世界に来てしまったためにリミッターが外れました。


拙い文章ですが、お読みくださりありがとうございます!

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