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もふもふの王国  作者: 佐乃 透子
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魔術勉強のお時間 4

 ゲームの世界のようだと思った私は解りやすいように脳内変換してしまう。器はマジックポイントのゲージ。魔力と生命力はまんまマジックポイントとヒットポイント。ただし、ゲームと違って魔法を使うとヒットポイントも減ってしまう。マジックポーションやポーションのような瞬時に回復するアイテムの存在は無く、安静にするしかないが、実行する事によりマジックポイントとヒットポイントを同時に回復出来ると。

 そこまでは良いが、先にディーバさんは「生命力と精神力をものすごく使う」と言っていた。ならば、魔法を乱発すればするだけ生命力を削り、死へのリスクは上がるはずだ。それは肉体に限った事では無く、精神力を削ると言う事は、精神崩壊をも促すのではないか。そこまで考えた途端、すぅっと体温が下がった気がした。魔力を使いすぎれば、生命力の枯渇は肉体的に、精神力の枯渇は精神的に、どちらに転んでも死しかない。

 当たって欲しくない予想に背筋を凍らせながら、「精神力を使いすぎると廃人ですか?」と口パクで問うとディーバさんが重々しく頷いた。

 ちょ!?否定して!!否定してよっ!!アルゴス君とマルケス君は本当に大丈夫なのっ!?

 反射的にアルゴス君とマルケス君を抱きしめると、きょとんとした後、嬉しそうに笑ってくれる。

 可愛いけど違う!!和んでちゃダメだ。

 「アルゴス様とマルケス様は違う」との言葉に望みを託し、子供達を抱きしめたままに次の言葉を待った。ディーバさんは小さく頷いた後に口を開いた。

「マルケス様の魔力は、ミーナ様もお入りになられた風呂のように後から後から湧いて出るのです」

 魔力が湧き出る!?でも、それって・・・・

 疑問はすぐに私の口から零れた。

「常に魔力が湧いているとは器に入りきらなかった魔力を垂れ流していると言う事ですか?危険は無いのですか?」

「アルゴス様がいらっしゃるので大丈夫です」

 ディーバさんがにこりと微笑んで断言すると、アルゴス君が誇らしげに胸を張った。

 ぅわ〜。可愛い〜。って和んでる場合じゃないんだって!!

「アルゴス様の器は魔力を際限無く貯める事が出来るのです。無尽蔵のマルケス様の魔力をアルゴス様はご自分の器に貯める事でお互いに魔力の過不足をカバー出来るのです」

「あれ?そうだったっけ?」

 アルゴス君は聞いてる者の気の抜けるような声を上げ、ポリポリと頬を掻いている。マルケス君はそれを見てニコニコと笑っている。緩みそうになる気持ちを引き締め、ディーバさんに問う。

「それは何か制約とかは無いのですか?」

「ありません。お二人の場合は、森より来た時には既に補い合っていましたし、始祖様より、元は一つの魂で、アルゴス様とマルケス様は魂の双子だと思えと伺っております。恥ずかしながら、この国の魔術師が全員試しましたが、マルケス様の魔力を受け止める事が出来ませんでした」

 元は一つの魂の双子。問われれば答え、真実しか口に出来ない始祖様の言葉なら疑う余地は無いのだろうが、それでも不安の種は尽きない。

「本当に、アルゴス君とマルケス君は大丈夫なんですね?」

「はい。問題はありません」

 微笑みながら断言してくれたディーバさんに、ほっとため息をつきつつ肩の荷を降ろした。

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