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もふもふの王国  作者: 佐乃 透子
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優しい時間8

そうだね。ランくんとリーンくんはなにが悪いか判ってる。

子供は良いことも悪いことも覚え、吸収する力は早い。

私は〖子は親の鏡〗とは〖子供は見た物を善悪無く学び、覚える。だからこそ、善悪を教え、導く。ただし、子供自身で答えを導かせなければダメだ。親はいずれ先に死ぬのだから、都合の良いように操縦していては子供の未来が無い〗という先人からの教えだと解釈している。

自分でも乱暴な考えだと思うが、〖操縦者の消えた人工知能の付いたラジコン型ロボット〗に第三者がいきなり「あなたは自由だから、思うままに生きなさい」と言った時、そのロボットに浮かぶ表情は歓喜だろうか?

私は違うと思う。

声をかけた第三者も又、自分の言動が素晴らしいものだと信じているだろうが、〖操縦者の意志が絶対〗と思って生きてきたロボットに浮かぶのは〖困惑〗しかないと思う。

そう。操縦者のいない事からの不安と「自由とはなんだ?」という混乱である。

何故なら、ロボットにとって今までが常識であり、第三者のそれは非常識でしかない。そんな状態で「自由と言われても困る」というのが当たり前だろう。

だからこそ、子供達が要らない混乱を胸に抱くことがないように、自分の頭で考えることが出来るように教育するのだ。

あ"~。

距離がもどかしい!!

本当はこういう不安な状態の時だからこそ抱き締めて、「あなたを見ています」と伝えたい。

でも、無理だからこそ!!

営業モードではなく、本心から出る表情を浮かべれば、何故か大人達から溜め息に似た「ほぅ」という音が漏れた。

「「わわわ~」」

「そうだね。でも、怒られると思ってもそれをしたのは、優しくて素敵な考えからだよね。その、人を思いやる心は良いことだよ。これからもその気持ちを大切に育てようね」

「「うん」」

私が言うと、ランくんとリーンくんは、不安に揺れていた瞳から一転、揃って力強く頷いてくれたことに力を得た私は続ける。

「でも、やっちゃいけないことをしたのはダメ。大人がダメっていう理由があるの。それも一緒に聞いて、覚えよう」

「「うん」」

「どうすれば良かったかわかるかな?」

「待ってる、か?」

「うん。そうかも」

 どこか自信がないようでランくんとリーンくんは不安に言葉と視線を揺らしてアルゴスくんとマルケスくんに助けを求め、「アルゴス、マルケスはわかる?」と聞かれた二人は「う〜ん」と唸りながら、頭を働かせているようだ。

「ん〜。聞くのはどうだ?」

「そうだね〜。こんなのしたいけど、ど〜う?って、大人に聞くのは良いかも〜」

「「お〜」」

「スゴいな〜。アルゴスもマルケスも」

「うん!スゴイね!」

「ママ!ママがスゴいの!俺たちは違うぞ」

 私はアルゴス君とマルケス君に鏡を託すと、オーシャンの大人たちへキツい視線を飛ばした。

「後でお時間頂きますね」

大人達は両国共に、私の視線に震え上がっていたと後からシュリさんにこそっと耳打ちを受けることになるとは、思ってもみなかった。







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