優しい時間 6
昨日は更新できなくてすみませんでしたm(_ _)m。
お待ちくださった皆様、ありがとうございますm(__)m。
鏡のあちらとこちらの子供たちがなんとか落ち着いたのをみて、ラン君とリーン君に、問いかける。リオさんも、始祖様も、私の言動を遮ることなく、又、子供たちの様子も優しく見守ってくれている。それは、彼等が「甘やかし」と「優しさ」の違いを知っているからに他ならない。ただただ擁護して、相手を長い目で見てダメにするのが甘やかし、で、時には苦言を呈し、誤った方向に進もうとしていたら自分が嫌われても正すのが優しさだと、私は思っている。
「ラン君とリーン君は、なんでアルゴス君とマルケス君にお話ししたいな〜って思ったのかな?私に教えてくれる?」
「大人なのに?」
「僕らから聞きたいの?命令じゃなく?」
ちょ!?命令!?オーシャンの人間は、子供に命令すんの!?
「うん」
オーシャンの大人にはキッチリと話を着けるにしても、今じゃない。今はラン君とリーン君が優先だ。
「「ぅわ〜」」
即答した私にオーシャンの子供たちは、目を真ん丸にした後、にやけそうになる表情を必死に隠そうとしながら、「喜んでないぞ」とラン君がちょっぴり上を向いて答えてくれる。
「し、仕方ないな!大人に頼まれちゃな!」
「ぅふふ。あのね?カブトムシとクワガタムシ、とっても嬉しかったの」
私への警戒心はどこかに飛んで行ったように、先を競ってラン君とリーン君が言うと、アルゴス君とマルケス君も、ワクワクと嬉しそうに頬を赤く染めていた。
アルゴス君とマルケス君が「ビッグニュース」ってくらいには嬉しい理由ってなんだろう?
「リーンの言う通りなんだ。フォレストって海無いだろ?」
「「「「だから、海においでって!」」」」
「「言ったんだ」」
「「言ってくれた〜!」」
ふぁ!?
思ってもみなかった、正に「ビッグニュース」な理由に、私はもちろん、この部屋に居る大人はもれなく驚いていた。
いや!?あの。え!?
続く言葉が出ない私のスカートを引っ張り、アルゴス君とマルケス君がしゃがむようにお願いされて素直に従うと、二人はピトリとくっついて、首に腕をまわしてぶら下がった。
「「ね〜。ママ、良いでしょ〜?」」
おねだりキマシタ〜!!って、デレデレしてる場合じゃない!
気を引き締めて、先にやらなければいけない、ラン君とリーン君へのしつけとお勉強を実行することにした。
「先に、ラン君とリーン君が素敵な大人になるためのお勉強したいんだけどな〜」
「俺たち!大人チくしてる!!」
「うん!」
お互いの口を自分の手で塞いで、「黙っています」アピールをする子供たちの頭を撫でれば、ふにゃりと微笑んだ。二人に微笑み返すと、ラン君とリーン君に向かいあう。叱るだけじゃダメだ。萎縮させてしまえば自信を失い、何か新しい事に挑戦する意欲をも消してしまいかねない。だからと言って、誉めるだけもダメだ。善悪を知らずにおだてられる事に慣れた人間に、真の意味での幸せはあるのだろうか?
子供たちが自分で考え、選択し、行動できるように導くのが大人の仕事だ。ならば、するべきことは見えた。