こどものクルクル 6
プンスカしながらも黒いやつが緑のやつを気合い入れるみたいにパシンッて叩いた。
「もう!お前がやるったんだろ?
行け!!ち〇ち○ついてんだろ?気合い入れろ!!な?」
「うんっ!ぼくがんばるよ!!」
キリッてしたミドリが黒いやつにコクンってしてから、キリッてしたまま鏡の俺たちに向かった。
「こんにちは!カブトムシとクワガタムシ、ありがとう!」
「よし!!よくやった!リーン!!」
うん。やっぱり俺たちみたいなんだ。多分。意地悪なパシンッじゃなかったし、緑の奴もあれで燃えてたしな。
鏡の向こうで、黒いやつと緑のやつが「やった〜!!」って楽しそうにしてる。
あ!そんなんより、先にあいさつだよな?
「「こんにちはー!」」
「「こんにちはー!ありがとう!」」
あっちとこっちで、ニッコリ元気にごあいさつだ。気持ち〜な。
「俺はアルゴス」
鏡を持ってない方の手をビッて上に挙げる。
「僕はマルケスです」
マルケスも鏡を持ってない方の手をビッて上に挙げた。
「「二人あわせてちびもふブラザースです」」
キマッタ!!やっぱ、これだよ!!この自己紹介はカックイ〜!
「「わぁ〜」」
黒いやつと緑の奴も、目をキランキランさせて楽しそうにしてる。
「俺はラン」
「僕はリーンだよ」
「「よろしく〜」」 俺たちがランとリーンの名前を聞いてたら、ヒョイって感じでリオ兄が鏡を覗いた。
「鏡、持ってきた、だれ?」
「「「「え!?」」」」
あっちでリオ兄をみたランとリーンがビクンチョして固まってた。
つか、なにやってんだよ!?ラン!!リーン!!
ランとリーンとこどものクルクルしてたって分かったのは嬉しいけどさ?リオ兄は、「誰の部屋に入って鏡を持ってきたんだ?」って聞いてんだろ?前は俺たちもランとリーンとおんなじことやってたけど、今はやってない。
ママが「他人の部屋に勝手に入っては行けません。入って良いですよって言われてから、ごあいさつして入ること」って教えてもらったからだ。
それと一緒に、「誰か居ても居なくても誰かのものをなんにも言わずに持ってきては行けません。それは泥棒です」ってた。ドロボウは悪いことだから、反省が認められるまで牢屋に入れられて、ママにずっと会えなくなるって聞いて、「ドロボウはダメだ」ってマルケスと決めたんだ。
聞いても「ダメだ」って言われたのに持ってきちゃうともっとヤバイ事になって、「強盗」って呼ばれて、牢屋に入れられる前に、「痛い!!やめて!」と言っても聞いてもらえなくてビシバシ叩かれるか、手を切り落とされるかしてから、牢屋に入れられてしまうって、じーじが言ってた。
それを……。
マルケスもそれを思い出したのか涙目でぷるぷるしてる。
なにやってんだよ!?ラン!!リーン!!
「ラン、リーン、待ってる。切る、ダメ。アルゴス、マルケス、鏡、ミーナ、届ける」
「「「「……はい」」」」
おっかね〜。オーシャンのみんなにビッてやったみたいにおっかね〜。チビりそう。
なんも言えない代わりにじーじを見たら、「しかたねーな」って言いながら俺たちの頭をくしゃくしゃした。
「ランとリーンもごめんなさいすれば、大丈夫だ。な?オーシャンの」
じーじ!!
「……じーじ。……うん。ラン、リーン、みんな、出来る?」
リオ兄!!
じーじとリオ兄のそれに、ランとリーンもブンブンって頷いた。そんなんしたら、言うことは一つだよな!
「俺たちもやる!」
「うん!ラン、リーン、やろ?」
「「ありがとう!」」
ランとリーンが泣きながら笑って、俺が「せーの!」ってした。
「「「「ごめんなさい!」」」」
謝ってから、ちょびっと落ち着いたランとリーンが「なんで鏡を送ったか 」を話してくれて、真ん丸お目めになった俺たちは、ワクワクしながら足が壊れるくらいに速く走って、ママに会いに行った!
ママも絶対ビックリするぞ〜!