表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
もふもふの王国  作者: 佐乃 透子
173/184

こどものクルクル 5

 なんだかモヤモヤした俺に、マルケスがにーちゃんから離れて俺に抱きついてきた。

「ね〜?よかったね〜?アルゴス」

 すっごい嬉しそうなマルケスに文句はなんも言えない。

「だな」

「ホントにな」

 俺たちに混ざって、じーじが笑ってるけど、やっぱり俺はモヤモヤした。

 あ。分かった。俺がマルケスに一番にじゃなくてにーちゃんが最初にありがとうだったからモヤモヤなのか。俺はマルケスに一番人気だと思ってたからな〜。スッキリしたけど……

「俺ってちっちぇ〜!」

「当然だろ」

 ニヤニヤしながら言ったじーじの足にキックしてやったら、笑いながら「いて〜(いて)〜」ってた。

 む!本気で蹴っ飛ばしてやったのに効いてないのか。じーじが痛いキックのお勉強もしないとな!




         □■□■□■□■□■□




「アルゴス様、マルケス様、オーシャンからお返事が来ましたよ」

「「ありがとうございます」」

 あの、お手紙なくなってなかった事件のすぐ後にヴォルケーノからお返事が来たから、それにお手紙書いて出してもらった俺たちは、転送の魔方陣がある部屋で、じーじとリオ兄とでまったりしてた。イールとイースとも一緒に居たかったんだけど、部屋の皆がビクンチョして仕事にならないからって、最初に居た外で待っててもらってる。

 「みんな、ヘタレだな〜」って言おうとしたらマルケスが、「お仕事の邪魔してごめんなさい」って俺に聞かせるように言ったから止めた。

 そうだった。俺たちがお邪魔ムシなのにそんなん言ったら、サイアクだよな。って思ったからな。それよりも今はこどものクルクルだ!

「「ありがとうございます」」

「それが……」

 ちゃんとごあいさつしたのに、にーちゃんが、俺たちにお手紙をくれない。「なんでだ?」と思ってたら、じーじが口に指を一本あてて、「シー」ってやってる。隣ではリオ兄が耳に手のひらをあてて、よく聞こえるようにやってる。

 まさか!!

「鏡が入ってるのか!?」

「え!?本当に!?」

 叫んだら、にーちゃんが頷いた!

「はい。おそらく、鏡が入っているかと……。声らしきものが聞こえます」

 じーじが面白そうにしてる隣で、リオ兄の感じがちょびっとおっかなくなった気がする。でも、それよりも鏡があるかもってのにビックリして、ワクワクして、にーちゃんが持つ、ちょっと(ふく)らんでる封筒に耳をあてた。

「……?…、……」

「「聞こえた〜っ!!」」

「鏡はあっちとこっちの2個なきゃダメだろ?」

「話すために貸してくれたのかな?ぼくたちは大人しかダメなのにオーシャンはスゴいね〜」

 ビックリしながらも、お手紙を開けたら、やっぱり鏡だった!

「「お〜」」

「「聞こえた!」」

 思わず声が出たら、あっちの誰かのビックリした声がした!

 急いでひっくり返したら、あっちも二人で、真っ黒な髪の奴と、黒と緑を混ぜた髪の奴で、両方、髪がビロンって長い。

「こ、こ、こん……」

「コラ!!ちゃんと(しゃべ)れ!」

「そ、そんなニョ……」

 あ。噛んだ。キツネのマネしてた緑のヤツはマルケスみたいなんかな?んでもってもう一人の真っ黒が俺か?



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=418023835&size=135
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ