表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
もふもふの王国  作者: 佐乃 透子
172/184

こどものクルクル 4

「そう!こどものクルクル!皆も忙しいのに、邪魔してごめんなさい」

 忘れてたわけじゃないぞ?大人だけでなく、だれかに物を頼むときは「お願いします」って言って、忙しそうだったら、「邪魔してごめんなさい」を言わなきゃなんだよな。「俺たちのワガママで、ごめんなさい」って。自分がされて嫌なことはやらない。やらなきゃいけないときは「ごめんなさい」だったよな。

 ママの教えだ。

「ごめんなさい」

 マルケスもママの教えを思い出したみたいで、皆に頭を下げた。そしたら、にーちゃんとカッコいいおっちゃんがポカンって俺たちを見てた。

 あ。にーちゃん達だけでなく、部屋に居る皆だな。

「……アルゴス様、マルケス様……」

 なんか、おっちゃんがクシャッて顔になったと思ったら、震えてる声で俺たちの名前を呼んだ。

 ぷるぷると揺れてるおっちゃんに、「どうしたんだ?大丈夫か?」って聞こうとしたら、バーン!ってスッゲー音がして、マルケスがビクンッてして俺に引っ付いてきた。

 なんだ!?ビクンッてなっただろ!?……マルケスが。俺もビクンチョしたのはナイショだ!!

「よ〜う。チビが邪魔してんだろ?」

「「じーじ!?」」

「始祖様!?」

 じーじか!!俺たちをビクンチョさせたのは!!ダメだろ!?じーじ!

 部屋の皆も真ん丸な目でデッカイ声だしてじーじを見てた。

「おう。転送してもらったか?」

 じーじが俺たちの頭をくしゃくしゃしながら言ってきたから、「まだだよ」って言おうとしたら、手紙がなくなってた。

「「無い!!」」

「あれ!?どうしてだ!?」

「ど、ど、……し、て」

 ビックリしすぎたマルケスは、ガタガタ震えてる。ダメだ!!俺がしっかりしなきゃ!

「大丈夫!ここまではあったんだ。ここにあるはずだ!!な?」

「あるごしゅぅ〜」

 涙目で引っ付いてきたマルケスが「うん」って頷くけど、俺も分かんなくてホントは「なんでだあ!」って叫びたい。でも、そんなんしたらマルケスがもっとビクンチョしちゃうはずだ。

「アルゴス様?マルケス様?」

 どうしようって思ってたら、多分、初めに会ったにーちゃんの、ノンキな声がした。

「どうされたんですか?」

「ぼ、ぼくだぢの、おでがび〜」

 泣いちゃいながらも言うマルケスににーちゃんが笑顔で頷いた。

 なんだよ!笑い事じゃないだろ!?蹴っ飛ばしてやる!!

「はい。無事に出しましたよ?」

「「は!?」」

 なんだって!?

 にーちゃんを蹴ろうとした足が止まった。

先程(さきほど)、始祖様がいらした時にお二人がお手紙を落とされたでしょう?早く出したいようでしたから、差し出がましいと思いましたが、オーシャンへ転送しましたが、何か?」

 にーちゃん。「落とされたでしょう?」じゃないだろ〜。もう!

 なんか、怒って良いのか笑って良いのかよくわかんなくなって、「イーッ」て言いたくなった。でも、マルケスは違った。

「ありがどぉ〜!」

 涙とかで、ぐっちゃぐちゃになった顔も拭かないでにーちゃんに走ってって、ヒシッてした。

「いえ」

 なんで照れてんだ。にーちゃん。でも、マルケスが泣くの止めたから良いか。

「にーちゃん。ありがとうございます」

 お手紙出してくれたことはお礼しなきゃなと俺も言ったら、にーちゃんがなんか不思議な顔をして、じーじが爆笑(ばくしょう)してた。

 なんでだ?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=418023835&size=135
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ