こどものクルクル 3
頭って、頭だよな?頭にのってどうすんだ?
俺の頭がポンってなりそうで、「わかんね〜」ってマルケスを見たら、おんなじ顔してた。でも、「自分たちで考えないとお勉強にならない」って今、お勉強したばっかりだしな〜。「どうすっかなぁ?」ってマルケスを見たら、「う〜ん」って首をひねってる。
「グルァルァ、グルルァルー」
「俺たち、頭、出す、窓、着く、言った」
「「え?」」
ルー兄の言葉に二人揃って真ん丸お目めだ。
ん?イールとイースの頭にのって、二人がピコって頭を出して?窓に着く、って、あれれ??
「もしかして?」ってな考えに、マルケスを見ると、真面目な顔でうんうんって頷いてくれた。
「「イール、イース、ちょっと良い?」」
「「ルー」」
「良い、言った」
「「ありがとう!」」
ちゃんと断ってから、良いよって返事をもらった俺たちはイールとイースの足に手を置いて顔が見えないように隠れた。
「「こういう事?」」
顔をピョコって出して、窓までこうやって運んでくれるのか?って聞いた。
「「ルル〜」」
「正解、言った」
イールとイースとリオ兄の言葉に俺たちは達成感ってやつだ。
「「やった〜!!」」
「スゲーな。よく考えたな」
じーじの本当に「スゲーな」のそれには「ふっふ〜ん♪」だ。気持ちいいな〜。わかるのって。
「じゃあ、今から乗っけてくれるか?」
「お願いします」
俺に続けてきちんとお願いしたマルケスに、慌てて俺も「お願いします」って言ったら、イールとイースが「任せとけ」って感じに鳴いてから伏せてくれた。
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「「こんにちはー。お手紙、出してちょうだい」」
ヒョイって感じでイールの頭に乗った俺と、イースの頭に乗ったマルケスは、簡単に到着してたから、部屋の中に居た文官のにーちゃんにニコニコで手を振った。
おろ?
「あ、アルゴス様!?マルケス様!?」
「はい!そうだよ〜」
マルケスが嬉しそうに返事したのに、なんかにーちゃんがビックリして固まってた。
「なんだろ?」
「ね〜?わかんないね〜?開〜け〜て〜」
「開〜け〜て〜」
なんかみんながワーッてなってたけど、カッコいいおっちゃんが窓を開けて、俺たちを順番に抱っこして部屋に入れてくれた。
「はい。アルゴス様、マルケス様、次からはキチンとドアからいらしていただけますか?」
「「?はぁい」」
なんかよくわかんないけど、「嫌だ」って言えない感じだったから、大人しく御返事しといた。こういうの処世術ってんだろ?じーじに教えてもらったからバッチリだ。
あ。今回もじーじは走って部屋に来るんだって。イールとイースに「男だな〜」ってじーじが言って、「まあな」って返されてた。イールとイースが男なのは当然なのに、なにが「まあな」なんだろ。じーじには女に見えてんのかな?わっかんね〜。
「これ、オーシャンのみんなにお願いします。こどものクルクルなんだ〜」
あ!マルケス!そうだった。