二国会議 二日目 2
大変長らくお待たせ致しましたm(_ _)m。
短いですがm(_ _)m。
「ほれ!!自分たちのしたことを自分たちの言葉で言わんか!!」
フリストさんの一喝に、シーズンオフのヒマワリのように頭を下げたままでおずおずと立ち上がる男性四人。彼等に向けられる視線はオーシャン、フォレスト問わず、大変厳しい。その中でもフォレスト組のディーバさん、シュリさん、アレスさん、オーシャン組のフリストさんの物は凄まじく、視線で射殺せそうな上に鬼気迫る表情のオマケ付きだ。あまりの迫力に、もしも子供たちが見たら、ジルさんへ「良い子にするからゴン要らないです」と言った事のある彼等は「良い子にするから睨まないで」と自分たちの過失ではないのに泣きながら謝ってしまいそうだ。表情には出さないが、なんだかんだ言っても私も内心ではガクブルだ。
意を決したのか、中年の男性が土気色に顔を染めながら口を開く。
「憧れの始祖様と懇意にされている上に、あのアルゴス様とマルケス様の教育を成し遂げたミーナ様がオーシャンにいらっしゃれば安泰だと……」
「思いました」と続けたかったのだろうが、フリストさんの隣に居たせいで、勢い良く叩かれてかなわない。
あ〜。子供たちを評するのに、悪い意味で「あの」がついちゃった。
心の中で苦笑いすると同時に、使者団が見ているからこそ情報が流れるとは言え、他国にも認識されているとは本当にどれだけアルゴス君とマルケス君は凄かったのだろうかとも考える。やはり、いつかディーバさんにこっそりと聞いてみよう。
つらつら思っていると、いつにない険しい表情で王様が口をはさんだ。
「襲ったわけは?」
「あんなにもなついているアルゴス様とマルケス様の様子から、要請してもすぐに蹴られるだろうと……」
王様に視線を向けられないのかうつむいたままにおずおずと白状すれば、聞いていた皆さんの眉間の皺が深くなる。
「だから、拉致しようとしたと?」
「はい」
「ばっかもーん!!」
フリストさんは特大の雷を落とすと同時に、四人の頭をゴンガンと実に痛そうな音を発てながら打楽器のように素早く殴り始めた。
「いっ!!フ……!」
「だまらっしゃい!!お前たちは何を仕出かしたのか本当にわかっているのか!!」
フリストさんの一喝と凄まじい怒気に反射的に身をすくませたのは私だけではないはずだ。
「仮に拉致が成功したとして、子供たちの教育をミーナ様が快くすると本気で考える馬鹿者なのか!?それとも傀儡にすれば良いとでも!?どちらにせよ、アルゴス様やマルケス様のような双方良好な関係が築けるわけがなかろう!!」
はい。私はアルゴス君とマルケス君だからこそ、この世界に骨を埋める覚悟をしたのだ。使者が暴走しただけで、オーシャンの子供には罪がないのは分かっているが、拐われて「同じくらいの子供だから良いだろう」と言われても彼等に愛情を惜しみ無く与えられるかとは思えない。それに、今も必死で我慢して待っていてくれているだろうアルゴス君とマルケス君を悲しませる事はしたくないし出来ない。
万が一にでも彼等に拐われていたら、自国の事ならなんでも判るだろうリオさんと、飛竜であるイールとイースにお願いしてフォレストにすぐに帰る。例え、脱出や拉致の際に傷付けられていても私なら、そうする。