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もふもふの王国  作者: 佐乃 透子
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二国会議 初日 3

 フリストさんの爆弾発言に「まったくどうしてこうなった」と頭を抱えたくなっているのは私だけでは無いようで、フォレスト組もオーシャン組も皆一様に、差はあれども渋い表情になっていた。

「そのお方はどのような?」

 ホスト国として把握しておかなければないという気概のような物を笑顔で隠したディーバさんが「どのように尊い方か教えてほしいな〜」とぼかせば、フリストさんも小さく頷いて口を開いた。

「リオ様と申しまして、我が国の始祖様で御座います。普段から一所に居て下さらず、政治などには興味を示されない方なのですが、今回はぜひにフォレストに行くとおっしゃいました」

 フリストさんの言葉に私は一気に固まった。誰かにつっこまれないように小さく深呼吸をして、身を解すとともに思考を整える。

 リオ!?まさか、飛竜3兄弟のリオ兄さんですか!?

 確かに彼は「自由」という言葉がしっくりくる人だった。それにしても、始祖様と呼ばれる存在が竜使いとして他国に現れるだろうか?又、尊い方と崇める始祖様の操る飛竜に乗って来ることを、王族の皆さんは恐縮せずに良しとするだろうか?フォレストの始祖様も「自由」、「型にはまらない」と言う意味では、わたしの知るリオさんと同じだが、「奔放」という意味ではまったく違うように感じる。

 リオさんは飛竜使いであって、始祖様とかじゃないよね!?て言うか、始祖様にあやかってつけられた同名さんだよね!?

 考えれば考えるほど、思考が絡まる。まさか、そんなという否定と人違いであってくれという思いがせめぎあい、私に口を開かせた。

「失礼を承知でお伺い致します。フリスト様、リオ様とはもしや、飛竜と兄弟と公言なされる方の事でしょうか?」

「はい。御存じでしたか」

 ひぇ〜!?本当に!?つかマジですか!?どうしよう!?

 さらりと、だが、不思議そうに問い返してくるフリストさんに応えることなく固まる私を、隣のアレスさんが軽く揺すってくれる。

「失礼しました」

 硬直がとけるとすぐに頭を下げて、そのまま上げたくなくなってしまうが、そんな子供染みた真似は出来ない。出来るだけ自然に見えるように笑顔を作る。

「ミーナ、何故、リオ様を御存じなのですか?」

「はい。リオ様は現在、飛竜のイールとイースと共に、我が国のアルゴス様とマルケス様といらっしゃるはずです。リオ様を通して飛竜とは会話しました」

 もっともなディーバさんの問いに、自分でもわかるほどに動揺し、言葉も支離滅裂で説明になっていない言葉を紡ぐが、オーシャン組には笑顔でカバーだ。幸い、ディーバさんは私たちが「飛竜に挨拶したい」と言った事を思い出してくれたようで、ハッと目を見開いてから小さく頷いた。

「まさか、あの飛竜3兄弟か!?ミーナが背中に乗ることを許可された飛竜と飛竜使いの!?」

 よほど驚いたのか、声を上げたエリゴスさんに、フリストさんよりかなり若い男性の声が反応した。

「ミーナ殿はリオ様だけでなく飛竜とも会話されたと!?」


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