表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
もふもふの王国  作者: 佐乃 透子
129/184

ちびもふブラザーズ!! 5

「「グルルァ、グル、グルルァ?」」

「わかった、アルゴス、変わった、教える、言った」

「お?」

 わかれば良いんだ。わかれば。俺たちの変わったとこをイールとイースに教えれば良いんだよな?

 イールとイースに言われて、考えたけど……

「イール、イース、怒ってごめん。俺もわかんなかった」

 あんなに怒ってて、俺たちの事なのにわかんないなんて、恥ずかしくなって下を向いた。

「「グルルァルァ、グル、グルルァ」」

「俺たち、わかった、アルゴス、認める、謝る、出来る、大人、言った」

 前にママが言ってた「出来ない事がわかるのもお勉強」ってのをイールとイースはわかってくれて、「謝る事が出来るから大人になってる」って言われたら、嬉しくて嬉しくて、イールに抱き付いていっぱい気持ちをこめてスリスリした。

 ちょっぴり涙が出たのはナイショだ!!

 涙が完全に引っ込んでから、イールに「ありがとう」して、離れた。

「リオ兄も一緒に秘密兵器作ろ!!」

「カブトムシを採る為のなんだよ〜」

 俺の提案にマルケスも嬉しそうに笑ってリオ兄に言うと、コクンって頷いてくれた。

「これを全部混ぜて、昼間の内に樹に塗るんだと」

「「お〜」」

 じーじが持ってた袋の中から瓶を何個か取り出して、お姉ちゃんが持ってきてくれたテーブルに並べて行く。ワクワクしながら見ている俺たちの前で、じーじが瓶を開けてくれたとたん、ワクワクはぶっ飛んでった。

「クサッ!!なんじゃこりゃ!?」

「臭いよ〜。本当にカブトムシ、こんなに臭いのに来るの〜!?逃げちゃうよ〜」

 強烈な臭いに、俺は秘密兵器の材料をぶん投げたくなるし、マルケスは鼻を必死に押さえて半泣きだ。ランティスもマンティスも意地悪してないと思うけど、これはあんまり過ぎる!!

「来る」

「「え!?」」

 リオ兄の静かな声に俺たちはバッて見た。

「本当か!?」

「リオ兄、これ臭いよ?」

「本当、匂い、カブトムシ、好き、ヒト、違う」

 俺とマルケスでも好きな食べ物が違うように、カブトムシと俺たちとじゃ、好きどころか食べるものも違うってことか。

 リオ兄の力強い言葉に勇気をもらった俺たちは顔を見合わせて、「うん!!」って頷くと、秘密兵器を作りにかかった。

 臭いけど!!カブトムシの為だ!!頑張るぞ〜!!

「アルゴス、マルケス、使う、動くな」

 リオ兄に言われて動かないでいると、俺たちの鼻と口をハンカチで隠すように後ろで結んでくれた。

「「リオ兄、ありがとうございます!!」」

「がんばれ」

「「はい!!」」

 うん。リオ兄が隠してくれたせいで、物凄く臭い。から、臭いけど我慢出来る。に変わった。

「頑張ろうな!!マルケス」

「うん!!頑張ろうね!!アルゴス」

 二人で「くふふ」って笑ってると、じーじに頭をくしゃってされた。

「あ、ちびたちは嘗めんなよ?それ、酒もあるし」

「「要らない!!」」

 じーじめ!!俺たちはそんなに食いしん坊じゃないぞ!?多分。ハチミツは嘗めたいけど、酒は要らんっ!!カブトムシはお酒が飲めるなら、俺たちよりオトナなのか!?わかんね〜!!



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=418023835&size=135
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ