ちびもふブラザーズ!! 4
じーじに「ここで悩んでても仕方ないだろ?」って言われて、ズリズリと引きずられるみたいにして、俺たちはリオ兄たちが待っててくれた広場に連れて来られた。
リオ兄たちに「嫌だ」って言われたら泣いちゃうぞ!!……マルケスが。
ニヤニヤしてるじーじになんかムカついた。後でガブッてしてやる!!
「「グル〜、グルァ?」」
「おかえり、ちびもふ、どうした?言った」
じーじの後ろに張り付いてる俺たちにイールとイースが優しく声をかけてくれた。ちょっぴり元気が出たけど、マルケスはギュッてじーじの服を掴んで目もつぶってる。
マルケスが怖がってるなら、俺が「怖くないよ」って教えてやんなきゃ男が廃るよな!!
俺の足りない所はマルケスが、マルケスが足りない所は俺が助ける事でうまくいってるし、当然なんだ。今は俺が頑張る番!!
「リオ兄、イール、イース、ちびもふブラザーズじゃないけど俺たちだから」
言って、じーじの後ろからバッて飛び出た。
「ちびもふから戻って、人の姿だから、お前らに嫌われたらどうしようって騒いでたんだ」
不思議そうなリオ兄たちに、じーじが言う。
「「グルルー、グルルァ」」
「姿、変わる、俺たち、嫌わない、顔、見せろ、言った」
「ほ、本当〜?」
ちょぴっと泣きそうな声なマルケスが恐る恐るじーじの後ろから目だけ出した。
「「グルァ〜」」
「当然、大丈夫、言った」
イールとイースの優しい目に勇気をもらったみたいで、マルケスもリオ兄たちの前にゆっくりとだけど出てきた。
「ちびもふにもなれるよ?だから、仲良くしてくる?」
俺の腕をギュッて握るマルケスは、ちょぴっと怖いみたいだ。
「「グルァールル」」
「当然、ちびもふ、中身、そのまま、安心、言った」
イールとイースの言葉に、マルケスは嬉しそうに笑ってるけど、俺はちょぴっと違う。嬉しいけど違う。
「え〜!?ちょぴっと大人になってない〜?」
「「グルァ?」」
俺たちが嫌になる事を言ったのか、リオ兄は教えてくれなかったけど、俺には分かる。イールとイースは「どこが?」って言ったんだ!!多分。
「大人になる為にちびもふブラザーズだったんだよ?」
プリプリしてる俺より先にちょっぴり不満そうにマルケスが言った。
そうだよな!!俺もそう思う!!ちょぴっとは大人になってないとおかしいだろ!!
「「グルァ?グル」」
「ちょぴっと変わってるだろ!!わからん事ないだろ!!」
真面目な顔で「どこがだ?わからん」って言われた気がして、俺は爆発した。
「「グルァ」」
「わからんってなんだ〜!!」
「やっぱりわからん」って言われて、地団駄踏んでプリプリしてしまう。ニヤニヤして言われるより真面目な顔で言われる方がキェーッてなってなんかムカつくって、俺は知ってしまった。嬉しくない。
「スゲーな、アルゴス。飛竜がなに言ってるかわかんのか?」
「凄いすご〜い!!僕、わかんなかった〜」
じーじもマルケスも誉めてくれて、リオ兄もコクンって頷いてくれてるけど、あんまり嬉しくない。
「分かる!!けど、こんなんわかっても悔しいだけだ!!」
叫んだら、イールとイースが静かに鳴いた。