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もふもふの王国  作者: 佐乃 透子
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ちびもふブラザーズ!! 2

「アルゴス様、マルケス様、これをどうぞ」

 なんか書いてるな〜と思ってたマンティスが差し出してきたのはちっちゃい紙だった。

「「お勉強?」」

 リオ兄とイールとイースとじーじの皆でこれから遊ぶのに、ちょっぴりやだな〜と思ってたら、アルゴスは僕よりもっともっと嫌だったみたいで「ぶへぇ〜っ」って舌を出してる。

「カブトムシをたくさんとるためのお勉強です」

「「え!?」」

 ちょっぴり照れてるみたいな笑顔で言ったマンティスに、僕たちはびっくりした。

 カブトムシをたくさんとるためのお勉強って言ったよね!?

「そんなのがあるのか!?」

「いっぱい!?」

 僕の気持ちを代わりに言ってくれたアルゴスはマンティスの方に体を乗り出していて、今にも落っこちそうだ。気付いたママが僕たちを抱っこしたまま、マンティスのすぐ側に寄ってくれた。

「はい。それをやるとやらない時よりは採れます」

 マンティスの隣に居たランティスが、ニッと笑って僕たちの頭をワシャワシャしながら言ってくれる。

「俺たち、やる!!」

「はい!!頑張ります!!」

 気合いもワクワクも十分なのはアルゴスだけじゃない。僕もおっきく頷いた。フンフンしている僕たちを皆が優しく見つめてくれている。

「ふふ。明日は早く起きないとカブトムシは飛んでいってしまいますよ?」

 マンティスがふわって笑いながら、早起きを奨めてきた。

 飛んでっちゃうの!?そうだよね。カブトムシは羽あるもんね。

「「はい!!」」

 ちびもふブラザーズは頑張ります!!って意味を込めてお返事した。カブトムシの為なら早起き出来る気がする。僕は早起きはちょっぴり苦手で、いっつもアルゴスに起こしてもらってるけども、アルゴスより先に起きるのは無理でも、頑張って同じくらいに起きたいな〜。

「ほれ。そろそろ戻ってこい。オーシャンの奴等がくるぞ」

「「はぁい」」

 手を僕たちの方へ開いてじーじが言ったから、ピョンって飛ぼうとしたけど、ママに「ケガしちゃったら、カブトムシが捕れなくなっちゃうかもよ?」って言われて止めた。

 「大丈夫だよ」って言う事も出来たけど、僕たちがケガしちゃったら、僕たちよりママが泣いちゃう気がしたんだ。ママが何か言う時は、大好きな僕たちが変な大人になっちゃう事や、危ない事しようとしたから心配して言ってくれてるって、ちゃぁんと知ってるんだよ。

「ルッツォ様にはお話ししていますので、秘密兵器を作りに行って下さい」

「「厨房?」」

 じーじの腕の中に戻った僕たちにランティスが言ったんだけど、カブトムシに厨房って関係無いよね?あるの?でも、無きゃ言わないよね?むにゃむにゃ考えているとアルゴスがフンフンしながら笑った。

「秘密兵器ってカッコいいな」

「うん!!秘密兵器ってなんだろね〜」 興奮して目をキラキラさせたまま、秘密兵器の正体をニヤニヤして考えているアルゴスに、僕もニヤニヤが止まらない。

「おい。秘密兵器を手に入れる前に言うことあんだろ?」

 苦笑いっていうのをして言うじーじの言葉に、アルゴスと「なんだっけ?」って顔を見合わせていて気付いた。忘れてないよ?本当だよ?

 そうだっ!!

「「カブトムシ捕りに行くの、楽しみにしています。皆さん、お仕事、頑張ってください」」

 これだよね。

 僕たちがペコリってしたら、皆が優しく笑って手を振ってくれた。僕たちも振り返したかったけど、出来ないから尻尾をいっぱい振っておいた。

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