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もふもふの王国  作者: 佐乃 透子
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ちびもふブラザーズ!! 1

 カブトムシはアレスとランティスが明日の朝に一緒に採ってくれるって約束してくれた。ママも一緒だって。シュリは「女はそうなの!!虫は嫌〜」って言ってたけど、ママは平気なんだって。それを聞いたシュリが面白い顔をしてた。

 皆でカブトムシ捕りに行けるのはすごく嬉しいんだけど、ね?

「じゃあ、晩餐までまたね」

「「はい……」」

 じーじの腕の中の僕たちと目を合わせて優しくママは言ってくれるけれど、僕はちょっぴりモヤモヤする。ご飯が終わったから、ママはお仕事に行かなきゃいけないんだってわかってる。お別れしなきゃいけないのも、夜には帰ってきてくれるのもわかってるけどなんかやだな〜って思っちゃう僕は悪い子なのかな。本当は「行かないで。僕たちも一緒にいたいよ」って言いたいのを我慢してるんだもん。

 使者団の皆は、「会議の前のトイレ休憩」とかで居ない。僕たちも皆が帰ってくる前に、バイバイしなきゃいけないんだよね。

「お昼寝もちゃんとしてね」

「「はい」」

 アルゴスもちょっぴりしょんぼりしてる。リオ兄とイールとイースが待っててくれてるのに、しょんぼりしてたら嫌な感じだよね。

「おやつはこれ食べてね」

「「は……うわぁ〜」」

 ママが頭を撫でてくれて、お返事しようとした僕たちは出来なかった。だって、とっても素敵な物をママは見せてくれたんだもん。嫌な気分もモヤモヤもどこかに飛んでいっちゃった!!

「これ!!俺たち!?」

「可愛い〜っ!!」

 可愛い!!とっても可愛い!!食べちゃうのがもったいない!!

 ママが僕たちに見せてくれたのは、箱に入った狼の顔のパンだった。あんまりにも可愛くて(うれ)しくて食べないでとっておきたいくらい。ディーバはこれをとっておける魔法を知ってるかな?聞いてみなきゃ!!アルゴスにもこの考えを言ってみなくちゃ!!

「さっき、持ってきて貰ったの。中にジャムが入ってるんだよ。つぶれちゃうといけないから侍女さんに渡して置くからね?」

「「はい!! じーじ!!ママの所に行く!!」」

「仕方ねぇな。ほれ」

 この嬉しさはママにぐりぐりして伝えたい。アルゴスももちろん、そう思ってる。ついでに「僕たちのママなんだからね!!」って皆が分かると思うし。じーじに「早く早く」と急かしているとママの腕に僕たちを渡してくれた。

「「ママ〜」」

 アルゴスと一緒に僕たちの匂いをいっぱいいっぱい付けてるとママが優しくお話ししてくれている。

「頑張って待っててくれるアルゴス君とマルケス君のために今日、焼いてくれるように昨日、頑張ってみました」

「「ママ、ありがとう〜っ!!」」

 もう!!ママは僕たちを嬉しくさせる天才だね!!こんな素敵なプレゼントを貰ったら、「お仕事、頑張ってね」と気持ち良く言えるもん。

 僕たちの為にって、とっても特別な感じで嬉しい。

「みんなの分はルッツォさんが頑張ってくれるから、これは二人だけで食べても独り占めにならないからね」

「「ママ、大好き〜っ!!」」

 ちびもふブラザーズな僕たちはママが大好きだよ〜っ!!


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