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もふもふの王国  作者: 佐乃 透子
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新たな官僚 5

 いやいやいや!!違うでしょ!!つか

「嘘でしょ!?私、そういう意味でも狙われちゃうの!?」

 心の中で叫んだはずの言葉は口からぽろりと落ちていた。おかげで敬語だなんだは無しの友達言葉だ。

「お前は!!鏡を見た事が無いのか!?お前は美女だ!!」

 バンッとテーブルを叩いて叫んだエリゴスさんは、私の視線に気付いたとたんに真っ赤になってそっぽを向いた。ソルゴスさんもディーバさんも頷いているし、王様はエリゴスさんにつられたのか顔を赤くしている。かくいう私も、「お前は美女だ!!」と叫ばれ、いろんな意味で臨界点突破だ。

「良いっ!!天然無自覚美女っ!!サイコー!!ミーナ様!!私をお姉ちゃまって呼……ぅふぅ!?」

 叫んで身もだえたシュリさんはまたもや見えない手で口を塞がれてジタバタしている。ランティスさん、マンティスさん、ラムセスさんは恥ずかしそうにモジモジと身体を動かし、アレスさんは何かを堪えるかのようにじっとティーカップを見つめていた。

「申し訳ありません。自覚します」

 一気に場を混乱させた私はそれ以上の事は言えなかった。

「そうしろ!!」

 怒ったように言うエリゴスさんに頭を下げる。

 いや、しかし、美貌という特典が付くのならば、誘拐された後に、女性だからこその、特別で最大級の危険もはらむ。それは、囚われた後、逃げ出さないように、人質を私自身が赤子を産み出す事で獲て、楯にする。

 嫌過ぎる想像に身震いしてしまう。

「そういう事ですのでミーナ、貴女には護衛を選んで頂きます。陛下以外であれば、我々から選んでいただいてかまいません」

 いや!!構うでしょう!?貴方たちは国のブレーンですよ!?

 ディーバさんの言葉にソルゴスさんとエリゴスさんが頷いているが、「そんな暇無いでしょ!?」と言いたい。確かに今まではディーバさん、ソルゴスさん、エリゴスさんの内、誰か一人がついていてくれたが、水無月 楓という存在を把握、監視するためだったと認識していた。決して護衛などではない。そんな中、すっとアレスさんが右手をあげた。

「護衛として私は立候補します」

「そうだな。我等兄弟も立候補する」

「兄に異存ありません」

 アレスさんの言葉に頷いて、ランティスさんとマンティスさんも続いた。

「今までソルゴス様の部下としてやってきた矜持があります。僭越(せんえつ)ながら、私も護衛役に立候補します」

「ずるいです!!私は女ですが、だからこそ四六時中一緒に居られます!!」

 ついには、全員が私の護衛として名乗り出てしまった。アレスさん、ランティスさん、マンティスさん、ラムセスさん、シュリさんは怖いくらいに真剣に「いかにミーナを守れるか」を論じている。「あんた達、さっき、フォレストに尽くすと宣言したばかりでしょう!?私を優先するな」と言ってやりたいが、ややこしくなりそうな気がして口をつぐむ。

「シフト制にしろ。それで不公平感はぬぐえるな?」

「はい」

 立候補した皆は王様の言葉に頭を深々と下げる。

「まとまりましたし、時間も良いようです。移動しましょう」

 ディーバさんに促され、皆で会場へと足を向けた。

 次回、ちびもふ達の話を挟んで良いですか?

 番外編に置くか迷ってます。

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