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もふもふの王国  作者: 佐乃 透子
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使者団到着 3

「カッコイイ?俺、たち?」

 表情は変わらないが少し照れ臭そうなリオさんに、キラキラお目々なちびもふブラザーズが勢いよく首を縦に振った。

「「はい!!イールもイースもリオ兄もカッコイイ!!」」

「「グルル〜、グルァ、ル」」

 子供達の断言に呼応するように、飛竜達が「ブフ〜」と鼻を鳴らしてから声を上げるとリオさんが二頭を見つめて小さく頷いた。鼻息をもろに浴びた子供達はおでこ全開になって嬉しそうに「きゃ〜」と声を上げた。今回は人には被害が無かったが、植えられている樹木達が大きくぶわんとたわんだ。

「イール、イース、そうか、ちびもふ、ブラザーズ、良い奴、気に入った、言った」

「「リオ兄、イールとイースとお話し出来るの!?」」

 イールとイースの言葉をさらりと告げるリオさんに、子供達は素っ頓狂な声を上げた。私も声こそ上げないものの、驚きに目を丸くした。

「出来る」

 断言に、ちびもふブラザーズは尻尾を千切れんばかりに振り続けている。お尻を支点に尻尾をプロペラ代わりにして飛んでいってしまいそうな勢いだ。

「「うわ〜。ますますカッコイイ〜。リオ兄、イール、イース、ちびもふブラザーズとママをよろしく〜」」

「「グルァル」」

「もちろんだ、言った」

 はしゃぐちびもふブラザーズに満足げに飛竜達は目を細めて鳴くと、またリオさんが訳してくれた。

「「ありがとう〜」」

「私からもよろしくお願いします。リオさん、イールさん、イースさん、ミーナです」

 子供達はきちんとご挨拶していたが、まだな私は興奮そのままに頭を下げた。

「「グル、グル〜ン」」

「さん要らない、美人、大歓迎、言った」

 美人?私が美人?まぁ、種族も違うから、美的基準が違うか。でも、面と向かって言われると照れる〜。

「「ママは自分達のママだからとっちゃダメ!!」」

「「グ〜ルル」」

 飛竜達の言葉に反応してちびもふブラザーズが威嚇すると、彼等もまた不服そうに鳴いた。

「美人、独り占め、ダメ、言った」

「「独り占めじゃないもん!!今日だって、これからママをお仕事に貸してあげるんだもん!!」」

「「グ〜ル!!グルァ?」」

 キャンキャンと鳴きながら抗議すれば、飛竜達は伏し目がちにして子供達に問い掛ける。

 いや〜、竜がこんなに感情豊かだとは思わなかった〜。全力ではしゃぎまくったら更地がいくつも出来そうだよね。

 わりとどうでもよい事を考えていると、リオさんが訳する為に口を開いた。

「偉い、寂しくない?言った」

「「大丈夫!!皆居るし、リオ兄もイールもイースも居るでしょ?飛竜兄弟はちびもふブラザーズよりお兄ちゃんでしょ?寂しくないよ〜」」

 ちょっぴり強がるちびもふブラザーズに、飛竜が目を細める。

「「グルル〜グル、グルァ」」

「ちびもふ、ブラザーズ、美人、三人だけ、乗せる、飛ぶ、良い、言った」

「「「本当!?」」」

 飛竜兄弟の言葉に、ちびもふブラザーズの気分も声も大きく上がった。

「「グルル〜?」」

「嬉しいか?言った」

「「「はい!!リオ兄、イール、イース、ありがとうございます」」」

 嬉しくなった私と子供たちの言葉が期せずして重なる。

「「グル、グルル、グルァ」」

「俺達、ちびもふ、兄さん、ちびもふ、美人、乗せる、当然、言った」

 リオさんの言葉は接続詞が無い為に、こちらで補足判断するしかないが、「俺達はちびもふブラザーズよりお兄さんだから、載せて飛ぶのは当然だ」との事だろう。

「「「ありがとうございます」」」

 子供達と頭を下げると、飛竜兄弟が咆哮を上げる。

「「グルォン」」

「まかせとけ、言った」

「「まかせるぅっ!!」」

 嬉しそうに叫んだちびもふブラザーズの笑顔はきらきらと輝いていた。

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