じゃあね
俺とアイツは、幼馴染で親友。
気付いたら隣に居た、そんなカンジ。
幼稚園、小学校、中学校…毎日毎日いつも遊んでた。
しかも、毎度毎度同じクラス。
遊び終わった後、アイツはいつも笑顔で手を振って
「またね」
と、言って自分の家に帰っていった。
でも、高校生になった途端 「またね」 から 「じゃあね」 に変わった。
俺は、その言葉を普通に受け止めていた。
で、いつも通り遊びまくってた。
アイツの気持ちなんて知らずに―――
高校2度目の夏、アイツはこの世から居なくなった。
アイツの母さんが電話で知らせてくれた。
そして、アイツの事を全て話してくれた。
高校に入学した矢先、重い心臓病にかかった事。
いつ死んでもおかしくなかった事。
それを押してでも俺との高校生活を楽しんだ事。
次から次へと語られる事実に泣きそうになった。
――俺は、バカだ!!!アイツの気持ちを考えてやれなかった!!!
そんな事を考えていると、不意にケータイからメロディが流れた。
このメロディはアイツで登録してある。
すぐにケータイを手にとって、画面を開いた。
要件:無題
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やっほー!!このメールを見てる頃には、もう俺はこの世に居ないかもね…。母さんから電話あった?後で、こう伝えといて「いままでありがとう。感謝してる。大好きだよ」って。どうしよう…。涙が溢れてくる…。もっと、お前や母さん達と一緒に居たかったよ…。ありがとう、俺の隣に居てくれて。ありがとう、一緒に遊んでくれて。ありがとう、親友になってくれて。ありがとう、生まれてきてくれて。…あとさ、気付いてたよね?俺が「またね」から「じゃあね」に変えた事。それはね、俺が何時死ぬか分かんなかったからなんだ…。だから「じゃあね」。もう会えないから。ああああぁぁぁぁー!!!お前に会いたいよ!!!!!!お前と話したいよ、遊びたいよ!!!!!!また、笑いあいたいよ!!!!!!死にたくないよ!!!!!!!―――――傍に居てくてれ、ありがとう――――――
このメールを見終わった時、自分でも知らない内に俺は泣いていた。
俺もお前に言いたかったよ…。
――――ありがとう、って―――――