表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

第7回「下野紘・巽悠衣子の小説家になろうラジオ」大賞応募作

ホットケーキ・オンライン

 こんにちは。

 思いついてしまい……つい、またやってしまいました。


 第7回「下野紘・巽悠衣子の小説家になろうラジオ」大賞への応募作です。


 よかったら、ぜひ読んでやってください。

 私の名前は堀渡景樹。ケーキ、特にホットケーキが好きだ。

 粉砂糖だけでも、シロップだくだくでも、硬めでもふわふわでも――全部、好きだ。


 だが、おっさんが一人でホットケーキを頼むのはハードルが高い。

 喫茶店には入れても、口から出るのは「ホット……おコーヒー……」が関の山。

 姪っ子が小さい頃は付き合ってくれたが、最近はダイエットとかでご無沙汰だ。


 そんなある日、ゲームのポータルサイトで運命の文字を見た。

『VRホットケーキ・オンライン!近日サービス開始!』

「おふおほっほゅおぁ!」変な声が出た。


 ――VRで、誰にも見られずホットケーキ食べ放題!?

 夢のゲームじゃないか!


 そしてサービス初日。

 中世風の街の広場に降り立った私は、空に浮かぶ黒い球体を見上げていた。


 その球体が告げる。

『現在をもってホットケーキ・オンラインは特別運用状態に移行した。ログアウトは不能である』


 まさかの、脱出不能ゲーム。


「クリアしたら帰れるみたいですよー♪」

 振り向くと、ウサ耳小妖精がぷかぷか浮いていた。

「初めましてー!ナビAIのピコでーす♪」


「ホットケーキを100枚焼いたら、クリアです♪」


「それだけ? ……いける、かも?」


「おっさん、やめとけ、死ぬぞ?」

 隣で金ピカ鎧の男が忠告してきた。


 よく見ると自分も革鎧装備だ。

 ホットケーキ焼くのになぜRPG風?

 嫌な予感が的中した。


「粉はマンドラゴラから、バターと牛乳はミノタウロス、卵は赤竜からゲットですー!」


 マジか。詰んだ?


「いや、やってやる!ウ◯ティマ世代舐めんな!」


「おれも手伝うぜ。キンキングってんだ、よろしくな!」


 仲間も集まり、冒険が始まった。


 そして――。


「マンドラゴラはサイレンスをかけてから抜くんだ!」


「ミノ迷宮は糸玉で突破だ!」


「赤竜は……いない隙に卵運搬だな……」


 こうしてすべての材料が揃った。


「よし!焼くぞ!」

 広場にかまどを用意して魔法で火加減を調整する。

 最初は生焼けだったり、焦がしたりしたが、経験は正義だ。

 最後の方は老舗喫茶店も顔負けの黄金色の円盤が量産される。


「あと十枚!」


「生地が足りねぇぞ、水で薄めるか?」


 私は迷わず叫んだ。


「薄めたら、それはホットケーキじゃない!」


 俺たちの戦いは、再び始まった――。


(おわり)

 最後までお読みいただきありがとうございました!


 もし、少しでも気にいってくださったら、ブックマークや★をいただけると嬉しいです。


 なんか連作っぽくなってきたので、シリーズのURLも貼っておきますね。


『第7回「下野紘・巽悠衣子の小説家になろうラジオ」大賞応募作』

https://ncode.syosetu.com/s8251j/

『オルゴール・オンライン』

『ホットケーキ・オンライン』

『サバイバル・オンライン』

『ギフト・オンライン』


 今回もゆるいVR短編でしたが、

普段はもうちょっと騒がしい長編

『デスゲームに巻き込まれたのでマジチートしてイイですか?』

(マジチー)を連載しています。


バグ技、名古屋弁、ラーメンなど色々入り混じった

にぎやかVR冒険ものです。

よかったらこちらもどうぞ!

マジチー本編:

https://ncode.syosetu.com/n4658kt/

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
わちゃわちゃにぎやか楽しい冒険が想像できて(←でもログアウト出来ないから命がけ!?) とんでも材料でホットケーキ100枚というクエストに胸躍りました♪ 童話のように素敵な絵面! 短い文字数での表現力が…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ