アスターテ皇国 4(マリン 1)
専属侍女 マリン
産まれた時から要らない子だったらしい
別邸とはよく言ったもので、
汚い薄暗い小屋で育てられていた
家族は本邸にいるらしい
毎日朝晩 パンとスープだけが届いた
食事を届ける使用人が話す事を聞いていると
私の容姿が良くないらしい
ある日、着飾った香水臭い女が来て
「お前のせいで…」
と言いながら首を絞めてきた
意識を失った途端
ぼんやりと自分の前世らしきモノを思い出した
あれは、予言で世界が滅亡するかもしれないと言われていた 2000年になるもっと前
確か学生だったはず
そう
希望ではないが、それなりに頑張って入った大学
少しでもおしゃれしたいとアルバイトして…
眠った朝方
大きくアパートが揺れて
上から天井が落ちてきた
あぁ
死んでしまったのか……
いや、今も死にそうなのか……
結局、この世界では死ななかったらしい
でも、こんな小屋で
一生を終えたくない
前世を思い出したことにより、私はここを出る方法を考えた
痛む首を自分で冷やし
しっかり食事をし
小屋の中で体も動かし
周りの状況を確認した
分かったことは
やはり首を絞めたのは、私の母親
原因は私の髪と目
父とも母とも違う
白い髪に紅い瞳
そして白すぎる肌
そのせいで浮気を疑われているらしい
なるほどね~
今なら分かる
それはね、私のせいじゃないじゃない
もちろん親のせいでもないけどさ
これは
あんまりだよね
薄暗い小屋で助かったけどさぁ
前世知識なかったら私これからどうなるのよ
しっかり体力つけて
逃げ出してやる!




