アスターテ皇国 4(マリン 1)
専属侍女 マリンの話。
私は、産まれた時から要らない子だったらしい。
おそらく、貴族として産まれたはずである。
本当に別邸とはよく言ったもので、私は何もかも足りない汚くて薄暗い小屋で育てられていた。
幼い頃には乳母らしき人がいただけだった。私の家族は本邸にいるらしいことを教えてもらった。でも、一度も会ったことはない。
私の元へは毎日朝晩 パンとスープだけが届いた。いつの間にか乳母はいなくなっていた。
それでも私に同情的な使用人はいた。その使用人は食事を届ける時に話をしてくれたり、読み書きが分かるような絵本を本邸からもらってきてくれた。
その使用人が言うには、私の容姿が貴族として良くないらしい。
そんなある日、着飾った香水臭い女が来て、
「お前のせいで…」
と、言いながら私の首を絞めてきた。
私は、意識を失った途端にぼんやりながらも自分の前世らしきモノを思い出していた。
あれは、予言で世界が滅亡するかもしれないと言われていた 2000年になる少し前だった。
その頃私は確か学生だったはずだ。
そう、その頃の私は第一希望ではないが、それなりに頑張って大学に入学していた。
田舎からちょっとだけ都会にでて、少しでもおしゃれしたいとアルバイトして…
そうして眠った朝方に、
大きくアパートが揺れて
上から天井が落ちてきたのをボンヤリと覚えている。
あぁ、あの時に私
死んでしまったのか……
いや、今も死にそうなのか……
❁❁❁❁❁❁❁❁❁❁❁❁❁❁❁❁❁❁❁❁❁
結局、この世界では死ななかったらしい。
その拍子に前世を思い出したんだ。
だったら、こんな小屋で絶対に一生を終えたくはない。
前世の記憶を思い出したことにより、私はここを出る方法を考えた。
結局、医師も呼んでもらえなかったために痛む首を自分で冷やした。
そして、しっかり食事をした。
この狭い小屋の中で体も動かた。
同情的な使用人を通して周りの状況を確認していった。
そうやって分かったことは、首を絞めたのが私の母親だってこと。
その原因は私の髪と目にあった。
父とも母とも違う私の髪と目。
それは、白い髪に紅い瞳。
その上、白すぎる肌をしている私。
そのせいで、浮気を疑われているらしい。
なるほどね~。
もちろん、今なら分かる。
それはね、私のせいじゃないじゃない。
もちろん親のせいでもないけどさぁ。
この症状はメラニン色素の生成に関わる遺伝子の欠陥によるものであったはず。遺伝性ではあるものの両親に症状がないことも多いんだったよね。
この世界では知られていないことかもしれないけど、幼い子どもに対してあんまりだよねぇ。
ここが薄暗い小屋で助かったけどさぁ。
首に手形ついてるよ。
ねぇ、前世知識なかったら私これからどうなるのよ。こんなところにはいられない。
しっかり体力つけて、この家から逃げ出してやる!
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