表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/3

上 襲来

初投稿になりますm(_ _)m

是非とも感想いただけると励みになります

ジェラシー!!

絶対に許せない!

私のご主人様を取らないで!

なんで、私のご主人様はそんな新しいやつに構うのよーーーーーーーーーーーー!!!

もう!!

ご主人様を一番に理解しているのはこの私なのよぉぉ!!!!!




-時は遡り、1週間前。


私はケージの中でいつものように自前の羽を自分で毛繕いをしながら、ご主人様の仕事帰りを待っていた。


ガチャリ

玄関の扉が開く音がした。


「ピーピー」


私は大きく声を上げた。


「オカエリオカエリ」



言うといつもご主人様が笑う言葉を繰り返す。


「オカエリオカエリ!ピーピー」



バサバサとケージの中をはね回る。

いつもなら、扉を開けたらすぐにこっちに走ってきてくれるけど、


この日はご主人様はリビングに来るのが遅かった。


そして、聞こえる足音が「2つ」あった。


友達かなぁ。


その頃の私は事態は最悪だと知らずにそんな事を考えていた。



「大丈夫ですか?」



ご主人様はリビングへ1人の男を連れてきた。

そいつがリビングに入った瞬間、


___せっかく整えた羽が逆撫でされた。


本能...。


ペットとして消えかけている少ない本能が、必死にこの男は危険だと働きかけていた。



「お水飲みます?」



スーツをビシッと決め、マッシュルームの髪型のご主人様はその男に気を使っている。


私はピーとも叫べなかった。

あの男の存在の恐怖が私の声を縛った。


ご主人様はキッチンへ走っていってしまった。



「うぅ」


男は呻き声をあげていた。



どこか怪我をしているのだろうか


ジッと男を見ると男と目がバチリ合った。



「ピッ」


驚いて声が出た。

それは自分の意思でたものではなかった。


男の目は赤く、鋭い目をしていた。

それでもまつ毛はぱっちりしていて、綺麗な瞳だった。


狼のような印象が持てた。

魅力的な容姿を持ちながら、内に秘める凶暴さを隠したような...


トタトタとキッチンからご主人様は帰ってくる音がした。


ご主人様が危ない!!


私は羽を大きくバタつかせた。



ご主人様を守らないと!


その一心で、今までにないくらいバタバタと羽を動かした。



「お待たせぇ〜」



ご主人様は水を持ってリビングへやってきた。


こっちきちゃダメぇ!!!


さらに羽をバタつかせる。



「って、あぁ!ピーちゃん!静かにして!」



ご主人様は私を見て人差し指をたて叱った。

衝撃を受け、へなへなと羽は落ちていく。


叱られた...。



「ごめんね、いつもならこんな調子じゃないんだけど...」



ご主人様は笑って私から視線を逸らして男を見ていた。


「いや、大丈夫だ」


男が喋った。

ご主人様よりも低い声だった。

まるで地獄の底から這い上がってきたような低い声だ。


「はい、お水飲んで」



ご主人様は笑って男に水を渡す。



「ごめんね、ソファとかなくて..」

「ソファ?」



男はまるで初めて聞いたかように首を傾げる。

その時、私の羽毛がぞわりと震えた。



男の口元にとんでもなくデカイ牙が2本とんがっているのを見つけてしまったからだ。

その存在は口を大きく開けるまで気が付かなかった。



この男、やっぱり人間じゃない!危ない!


再度、この男の危険性が分かり叫ぼうとすると男にご主人様は近づいた。


あーーーーーー!



「てか、どうしてあんな公園に1人でポツンと立ってたの?」



ご主人様はそう男に聞いた。

ゴクリと私は息を飲んだ。



「......」



男はしばらく黙っていた。

すると次第に男の顔は苦しそうなシワを増やす。


記憶がないの?



「だ、大丈夫!ごめんね、急に。今じゃなくて全然いいよ。今日は泊まってきな」



ご主人様は気を利かせて、慌てた様子で男をなだめる。



「すまない」



男はバツが悪そうにそう言った。


なんだ、事情がありそうだな。


息のしづらさも次第になれてきたので私は試しに言葉を発した。



「オトコ ナニモノ オトコ ニンゲン?」



そう言うと、ご主人様は私に駆け寄ってきた。



「ピーちゃん!差別は良くないよ!誰であろうと、困っている人は助けないといけないんだ。そんな子に育てた覚えは無いよ」



ご主人様はまた私を叱った。



「ごめんねぇ」



ご主人様はまた私から視線を逸らして男を見た。


は?

まぁ、いやいや客人だからね

そうだよね


私は自分を落ち着けた。



「お風呂入る?」



ご主人様は男に飲み終えたコップを回収しながら言った。



「ウム」



男はうなづいた。



「じゃあ!お風呂溜めてくるね!」



ご主人様はぴょんぴょんと喜んでお風呂場へ行った。

リビングに私と男だけになった。


ここで決着をつけて出ていってもらうしかない!


私は大きく息を吸った。



「オトコ アブナイ アリエナイ

オトコ アブナイ アリエナイ」



私は緊張でゴタゴタしながらも必死に男に訴えかけた。

男はこちらを目を丸くしながら見た。



「止めてくれぬか」



男がこちらに訴えかけてきた。

低い声と赤い目には迫力があったが、様子はまるで子犬のようで可愛さを感じた。

何も言えなくなり男に見とれてしまった。

すると、ご主人様がリビングに元気に帰ってきてしまった。



「よいしょー!!」



私は今、男を追い出さなくきゃ行けなかったんだ。

でも、できないよ。

あんな風に言われたら....。


羽をバタつかせることなく私はケージの中で大人しくした。

困っている人....


ここでご主人様の言葉が痛いくらいに思い出された。



「お風呂 10分もしたら入れるよ!」



ご主人様は男に近づく。

男は相変わらず答えない。

だが、様子がどこか違った。


着いた時からのうめき声、狼から子犬のような雰囲気への変化。

ご主人様は男に肩を掴んだ。



「大丈夫?!」



男は荒い息をしていた。

___鋭い赤い目でご主人様を見ていた。

ご主人様の膝元に水滴が落ちた。

ご主人様はその水滴を見る。


男の唾液だ。


目の前にいるご主人様を見て、男は口から溢れる程の唾液を浮かべていた。

ご主人様は悟ったかのように目を閉じた。

男は呻いてからご主人様の首元に勢いよく食らいついた。


2本の牙がご主人様の首元にくい込んでいる。

異様な場面に私は羽毛が逆立った。


でも、ご主人様は少しもいたがる素振りも見せなかった。


ジュージュー ジュージュー


ご主人様の血が吸われる音が部屋の中に響いた。


バサリとカーテンが大きく揺れた。

満月の月光が部屋に差し込んだ。

男がご主人様から離れた。

男の姿がみるみるうちに変わっていった。


赤い目に血が回り充血し、紅色と

変貌した。

そして、牙がさらに大きくなり、口を閉じても見える凶暴な牙になった。


耳もピンととんがり、三角形のような形になった。


そして、背中から自分のとは比べ物にならないくらいの大きな黒い羽が生えた。

ご主人様の血と月光により元の姿に戻った怪物。


ドラキュラだ.....。


目に見えている光景をすぐに受け入れられずくちばしが閉じられなかった。



「アタタタ、気が済んだ?」



ご主人様は笑って男に尋ねた。



「礼を言う」



ドラキュラはへたりこんでいるご主人様に手を伸ばした。



「そう、その羽綺麗だね」



ご主人様はドラキュラの手を取り起き上がった。



「でも、次からは首元はやめてくれないかい。彼女いないから説明難しいよ」



ご主人様の言葉にドラキュラは目を丸くした。

そして、牙を見せながらニカッと大きく笑った。



「アハハハハハ 愉快な人間だな!!」

「そうかなぁ」



少し照れくさそうにするご主人様の背中をドラキュラはバンバンと叩いた。


そうでしょ

そうでしょ!



私は、男がドラキュラという事をなど関係なしにやつはご主人様の凄さを分かってくれる同士として認識した。


ピロリン♩

お風呂が湧きました


いつもの音が聞こえてきた。



「入る?」

「あぁ」



ドラキュラはご主人様を連れていった。



「え、僕も!?」

「彼女の作り方教えてやろう!」

「行きます!」



2人はお風呂へ向かった。

それからだ。

ドラキュラとご主人様が離れずに仲良くし始めたのは。

――最悪の日常が始まったんだ。

ここまで読んでくださり誠にありがとうございます!(´▽`)

中、下も作成するのでぜひまたピーちゃんの元へ帰ってきてください!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ