表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/6

第一話 転生

僕の名前は山田やまだ れん。 テストは全て60点。体育は4の高校2年生だ。

自慢出来る事は人より少しだけ身体が柔らかい事と――彼女がいる事だ。


「練。かえろー」


花宮はなみや かえでと僕は下駄箱の所で待ち合わせをしていた。

付き合って3か月。誰かに聞いたが付き合ってから3か月間が一番楽しい時期らしい――

僕らは小学校の頃から知っていて、僕はまるで兄弟の様に思って接していたのだが。

楓の方はそうではなかったらしく、高校1年の時に告白された。

僕もそれから楓を意識し始めて、高校2年になって付き合う事になったのだ。


僕らはいつもの公園に着いていつものベンチに腰掛けた。



「ねえ、練。テスト何点だった?」

「60点だよ」

「あはっ、また60点。素敵」

楓は本当にうれしそうに笑った。

「ねえ、練。あれやってあれやって」

楓が言うと僕はいつもの様に自分の両足を首にひっかけて見せた。

「あははっ、可愛い~」


木々のざわめきや鳥の鳴き声が聞こえてくる。

夕暮れの中で世界は黄金色に輝いていた。

楓と付き合って僕の周りの世界はすごく美しいものに変わった――そんな気がした。


となりを見るとこの世で一番かわいい女の子が座っていた。黙って僕を見ている――

僕は目を反らして、楓と逆の方を向いた。

(これキスする流れじゃない?)

僕は再び、楓の方を向いた。一瞬別人が座っていると思った。

うるんだ瞳、眉間にしわを少し寄せて、唇をうるませた楓がそこにいた。

これが女の顔か、と思った瞬間、僕は彼女の肩を抱き寄せて、唇を近づけた。


その時―-


ずきんっ!


まるで脳の中をえぐられた様な痛みが走った――僕の目の前が真っ暗になっていく――





再び意識を取り戻した時、僕は真っ白な霧の中にいた。

空も地面もなく、ただ浮いている様な感覚がする――


「どこだよ…ここ。夢…?」

「ようこそ、魂の中継地へ」


声と共に一人の女性が霧の中から現れた――

銀髪の巻き髪に気品のあるロングドレス。額にエンマと書かれた札を付けていた。

「私はエリザベス、魂の案内人death。残念ながらあなたは脳梗塞で死にました。」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ