ミーアキャット
ミーアキャットは背筋を伸ばして辺りを見まわたす。
理由は外敵を見つけ直ぐに逃げる為だ。
その姿といったら、怒られた子供が許しをこうようで可愛くて仕方がない。
目がクリクリで何か音を立てると一斉にその目を向けるのだ。
私は今、そのような目を向けられている。三つ子から。
小学低学年の子供が隣のベンチに座っていたのだが、私がビールの勢いよくプシュッと鳴らして開けると一斉にこちらを向いたのだ。当然驚いたからこちらを向いたのだろうが、私も急に強烈な視線を突然感じたので、驚いて三つ子と目があった。
「あはは、ごめんね。びっくりしちゃったね。」私は愛想笑いにもならない苦笑いを浮かべながらそう言った
「おじさん。うるさい。」真ん中の子供からそう言われた。
うるさいと注意されるのは素直に謝罪をしよう。だが、おじさんだと!
いくら男のような姿だとしても私は女だ。身も心も正真正銘女だ。
私は込み上げる怒りと恥じを抑えながら。
「ごめんね。おじさん。あっちいって飲むから。おじさん、ごめんね。」私は間違いである部分だけ力を込めてもう一度謝って離れたベンチでビール飲み始めた。