青春
関係する事ならどんなことでも大歓迎なので、ご意見・感想をいただきたいです。
これは、【目をそらす人が登場する】【800文字以内】という条件の下で書いたものです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「授業中、ふと彼の方を見たら目が合うの。それで恥ずかしくなってお互いそらすんだけど、すぐにまた目があってまたそらして、それでちょっとニヤニヤして、先生に『授業に集中しろ!』って怒られて、でもその後目があって恥ずかしくて二人でニヤニヤしたい!」
「は?いきなり何言ってんの?」
私は笑いながら教室の後ろを何となくチラ見した。
毎回と言っていいほど必ず休み時間になると私の机の正面に来て、身を乗り出して話す彼女は、抱く理想が明確過ぎて、このままいけばきっと2、3年後には妄想癖になっているかもしれない。
でも私は、そんな面白い彼女が好きだ。
「あ、次 国語か。教科書取ってくる。」
ついでに、今日はもう出番を終えた教科書達を持って教室の後ろにあるロッカーへ席を立つ。
歩きつつ左斜め前に少し顔を向けると何だか、彼女のさっきの話もあってか少し口元が緩んでしまった。
そのまま必要なものを取って席に戻ろうと振り返ると、
「ねね。好きな人いないの?」
そう言いながら彼女が近いてくるのが見えて、私も彼女の方へ向かって行く。
「あー。好きなあ!」
私が答えようとするとチャイムが鳴り出した。
「うわ、やば!」
と、彼女と私だけでなく、皆んな一斉に席に着く。それと同時に先生が入ってきて、チャイムが鳴り終える。
「はい。じゃ、日直号令して。」
その先生の合図と日直の号令で授業が開始された。
プリントを後ろに回す時、私は右回りで体を右に向けて右手で後ろの人に渡した。
そしたら偶然、今度はお互い正面で目があって、すぐにそらす。
でもやっぱりニヤニヤしちゃって、二人して先生に怒られた。