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~The girl and the boy Who kills Fate~
ずっと、運命を呪い続けた。ずっと、運命への反逆を望んだ。
あの時から、総ての身を懸けて。
片や強く自覚しながら、片や全くの無意識に。
強く願った、一組の男女は、奇跡ではなく、強い思いを。
理不尽に引き裂かれ、理不尽に傷つけられた。
運命を妬むこの一組に、神は遂に微笑んだ。
絶望の中で切望し、退路さえも塞がれながら、活路を開こうとする若者に。
絶対的な死に切り刻まれようとも、運命を倒さんと静かに燃ゆる。
神が二人に与えたもの。
それは奇跡でも、新たな運命でもない。
『神への、成り上がり』
花開く炎の下で、神はそっと契りを結んだ。
83秒。甘い、口づけの契りだった。
運命を殺した、長い長い、時間だった。
こうして世界は新たな神を迎え、今日も朝日を回していった。
迎え入れられた神の名前は、後にこう呼ばれることとなった。
『運命殺しの神』と。