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決めました。

夜中に書き上げたので訂正入るかもです

 立ち膝で食い入るように窓の外を眺めていた姿勢から、ベッドの端にちょこんと座り、顎に手を添える姿勢に変え、考え事を始める。


 さて、ここが異世界だと仮定しよう。というか、きっと異世界なんだけれども。なぜ変哲もないこの私がここに来た?もしかして、右手の紋章がきっかけだったのか?だとしても、私と同じ紋章を持った正美がこの場所にいないのは不自然だと思う。うーん…わからない……。それにどうやって帰るんだろうか。こっちへの行き方もわからなかったしな。


 でもまあ、こうなったらとことん異世界で旅をするか!


 え?なんだか急だって?いやいや、そんなことはない。

 昔から正美と異世界にトリップしたら何をするかって話をしてたし、その話をするたびに私も正美も、どうせなら異世界で魔法やらなんやらを極めて、そんでもって異世界を知り尽くしたい!と熱く語ったものだ。だからというのもあれだけど、せっかく異世界にきたのだ。やりたかったことをやらないのはもったいない。突然置いてきてしまった正美には申し訳ないし、この先会えないという不安はある。でも、やっぱり元の世界への帰り方わからんし。幸いにも家族・恋人と呼べる人もいなければ、重職にもついてなかったしね。

とりあえず今は、仕事より異世界かな!



「お粥持ってきたよ。」



 私が熱い想いを胸に秘めたのと同時に、先程の青年が入ってきた。時間がかかったように思われるのはたぶん間違いではない。青年が着けていなかったはずのエプロンをしているし、お粥から湯気が立っていた。この部屋を出てすぐに作ってくれたのが容易に想像できる。にしても、顔立ちが整っているからってエプロンがこうも似合うものなのだろうか?男の人なのに妙に馴染んでいるように思えるし、その上格好良さを損なわしていないときた。日本でこういう人ってあんまりいなそうだなあ…



「お粥を食べたい気分ではないかもしれないけど、僕には君がどのぐらい眠っていたのかわからないし、ましてやどんなものを食べていたのかわからないから、とりあえず無難に消化に良いお粥にしたんだ。嫌いだったらごめんね。」



 さっきの会話で私の記憶が曖昧だとわかったから、いろいろと考慮して料理してくれたのかな?



「ありがとうございます。正直、あまりお腹を空かしていなかったので助かります。」



 お腹が空いていないのは、興奮しすぎて感覚が追い付いていないからだと思う。でも本当にお粥でよかった。正直、この世界で初めての食事がよくわからない食材でできた、よくわからない料理だったら、いきなりは食べれなかったとだろう。きっと渋い顔をして、しばらくの間にらめっこをしていたと思う。



「よかった。無理をしなくていいから好きな分だけ食べて。熱いから火傷をしないように気を付けてね。」



 そう丁寧に言いつつ、ベッドの横にある小さなテーブルの上に、コトリと音を立てながらお粥とお水を置いてくれた。見れば、お粥は8分粥となっていて、中には生姜やねぎのようなものがあり、その上には溶き卵で軽く蓋をされていた。明らかに食欲をそそわれる見た目だと思う。



「い、いただきます。」


「どうぞ召し上がれ。」



 スプーンにお粥をよそい、ふーっ、ふーっとよく冷ましてからパクリッと1口入れてみる。もぐもぐと噛んでいくと、ほのかな塩味が引き立ち、かつ素材の味わいが増していく。美味しい。お腹を空かしていなかったはずなのに、中くらいの器に入れられていたお粥が、吸い込まれるかのようにみるみるうちに減っていった。その様子をそばで見ていた青年は顔をほころばせ、幸せをまとった雰囲気でこちらを見つめていた。



「ごちそうさまでした!」


「いえいえ。全部食べてくれて嬉しかった。美味しかったかい?」


「すごく美味しかったです!」


「ならよかった」



 青年は、私の言葉を聞いてより顔をほころばせた。それは、見ているだけの私が意思に反して顔をほころばせてしまうほどの破壊力だ。


 ……ものすごく幸せそうだ。なんだか私もも幸せな気持ちになってくる。



「気分はどう?さっきよりかは落ち着いた?」



 前に話した時は、いろいろと考え事をしながら話したからか、気分が悪く思えたのだろう。なんだか、会って間もないのにものすごく心配をかけさせてしまっていると思う。ごめん……



「はい。なんだかすごく落ち着きました」


「よかった。今の状況を把握したいから幾つか聞きたいのだけれどいいかな?」



 状況を把握していないのは私だけじゃなかったのか。

 それもそうだよなあ…私ついさっきまで寝てたもんなあ…



「大丈夫です。」


「名前は?」



 下の名前だけででいいかな?この世界のありきたりな名前なんてわからないし、日本人の苗字って合わなそうだし、それに違う名前で呼ばれたときに咄嗟に反応できないしね。



「ミカです」


「なんであそこにいたのか覚えてる?」


「それが…わからなくて…」



 寝落ちしたらここに居ましたとか異常でしょ。



「出身とかもかい?」


「ちょっとよくわからないです…」


「何か覚えていることはあるかい?」


「いいえ…ないです」


「そうか……」



 これから私ってどうなるんだろう……

 異世界を旅するって決めたけど、そもそもこの世界の言葉や種族、情景とか何も知らないな。ていうか、これからの生活どうしよう。これって旅をするしない云々の問題だよな???



「何も覚えていないなら、この家にいるかい?」



 え、今なんて?



「といっても、僕の一存で勝手に決めることはできないからもう少しだけ待っててもらえるかな?」


「全然大丈夫です!」


「ありがとう。そういえば言ってなかったけど、僕の名前はディール。これからよろしくね」


「はい!よろしくお願いします!」


やっと青年の名前がわかりましたね~

こんなペースですみませんっ!

ブックマーク登録ありがとうございます!!!


携帯で誤ってPC版のレイアウトをしてしまったことによって、大変読みずらいものになっていたかと思います。1部の方々に迷惑が及んでしまったことをお詫びいたします。

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