おっと遭遇です
カノンから未確認モンスターの情報が入った。あんなことを言いつつも、できれば戦いたくはない。急いで森へ向かった。
森に近づくにつれオークの遠吠えが大きくなっていく。初心者は聞いただけでも帰りたくなるといわれるほど大きく奇妙な鳴き声だ。
依頼は森のオークを10体と言われている。オークはモンスターの中で一番人間に近い生活をしている。人間のように魔法を使うことはないが、手に持ったこん棒で食料採集、他モンスターを討伐。また、オーク同士で戦うこともある。しかし、繁殖力は他のモンスターより衰えている。
国の方針として、オークは自分たちのテリトリーから出てすごすことはなく、モンスターの討伐を行うため、減らしすぎると他のモンスターが増殖しすぎる。という、見解を持ったためオークの勝手な討伐は禁止されている。しかし、数の調整のためたまに国から任務が来る。それが、今から向かうクエストだ。
森は、魔法が使いずらい。研究によると、木々が魔法を妨害している。開けた場所で戦うのが魔法を思いどうりに発動するいい条件なのだが。誘い込むのに時間はかかるし、その間に何体か連れてきてしまうかもしれない。俺は、木々が覆い茂っている場所で発見次第討伐することにした。
今回使うのは、片手剣である。特徴としては、もう片方でいろいろできることだ。周りの物に捕まることや、盾を持つこと、さらにはもう一つ片手剣を持つこともできる。空いた手で魔法を打ち出す魔剣士もいる。まったく詠唱しながら戦闘とは、器用なものだ。
大剣をしまい。片手剣を取り出し。森に入っていった。
そのまま、森の中で順調に倒していった。背後からの奇襲、そのままひるんだところを連撃。これでなんなく倒していく。このまま順調にいけばよかったのだが。
最後の一匹を発見した。今まで通り背後からの奇襲が成功しひるんでいる間に倒しきる。はずだった。
後ろに回り込み思いっきり走った。そのとき、一瞬背中に悪寒が走ったが、俺はそのまま足を止めることなく攻撃をした。今まで同様のことをするのみと、オークの方を向いた。
しかし、そこにいたのはいままで見ていたひるんでいるオークではなかった。こん棒を上に構え今こそ振り下ろさんとしているオークだった。
「うわっ」
いきなりのことで驚いた俺は剣で自分の中心におろされてくるこん棒をはじくことで軌道を少しずらしたが左肩に当たってしまった。骨が砕け、動くことはない。左腕は使い物にならない。あとで修復できるからいいとして、次の攻撃に備え距離をとった。
オークはよく見れば今まで見てきたオークと全く違う色をしていた。森のオークは緑色をしている。もし、他のオークでも土のような色や、赤い色をしている。しかし、このオークは黒ずんだ紫をしている。
「見るからにやばそうじゃねえか・・・」