表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私に用件ですか  作者: 海田 洸
25/27

再登場と危機

ナナが負けて、今回ナナと戦うことはできないだろう。敗者復活などない。

「今回は意味がなくなったのか・・・なら棄権しても。」

いや、違う。ナナは俺と戦った。師匠から教えも受けていた。それが簡単に負けてしまった相手仮面T。ならば仮面のやつらと戦ってみたい。強さについて知るために戦うべきだ。わざわざ休みをとって応援に来てくれたカノンのためにも。

「ブラフ、頼む。」

「やるんやな。」

「当たり前だ。この大会で何かが分かるかもしれない。」

「じゃ、こっちもそろそろ本気だしたるわ。」

「今までて抜いてたのか。」

「こちとら精霊やぞ。前のお前やったら一瞬で魂ごともってとるわ。けど、今やったら大丈夫かもな。」

「くそっ。本気のお前を倒したるわ。」

「はっ。一発でも当てたら師匠越えや。」

組み手を始めた。


「準備をしてください。」

「くっ。」

「ははは。まだまだや。」

結局、一発も当たらなかった。

「さぁ初戦で鉄壁といわれるゴドフリーとの戦いを一瞬で決めたシン。今回はどんな戦いをしてくれるのか。そして対するは豪腕で有名、大剣二本を振り回すベクレスだ。」

「よろしくお願いします。」

「げへへへ。ゴドフリーのやろうは油断してやられたみたいだが容赦しねえぜ。」

不気味な笑いかただ。

「では開始。」

距離を一瞬で詰め寄った。

「正面にくるとは、バカなやつだな。」

右手の剣を降り下ろしてきたので、それをはじいた。

「さすがにさっきみたいにいかないか。」

豪腕といわれるだけあって、握力も半端じゃないようだ。

「まだまだいくぜぇぇぇ。」

「ここまでだ。」

今度は弾くための手元、剣先を狙わなかった。

歓声が沸き起こった。

「今回も見せてくれたぜ。武器場外ではなく、武器破壊をやってくれた。シン、お前はどこまでいくんだぁぁぁぁ。」

「ぐぁぁぁぁ。」

ベクレスが素手で襲ってきた。

「諦めろ。」

ベクレスを吹っ飛ばした。

「勝者シンんんん。次が楽しみだぁぁぁ。」

歓声の中、部屋へ戻っていった。俺はそのまま順調に勝ち進んでいった。仮面の二人も。

「さぁ準決勝第2回戦だぁ。1回戦は仮面Tが圧倒した。だが、次は互いに圧倒的な強さを見せている二人。武器破壊、武器場外と一瞬で決めていくシン。対するは、剣の捌きは超一流、まだ何かを隠しているはず仮面S。」

「よろしくお願いします。」

「ふふふふ。そろそろ正体を明かしてもよいですかね。」

そういうと仮面をはずした。

「な、あんた。」

「つ、ついに仮面の正体が明らかになった。なんと、あのサンライトだぁぁぁ。魔剣士として名を知られ、その名に恥じない功績を残している。武道祭無敗の伝説を残しているあのサンライトだぁぁぁ。。」

「せ、先生。何してるんですか。あとなんで偽名を。」

「あなた方が出ると聞きましてね。私も加わりたくなったんですよ。偽名はサンライトなんてあったら皆様棄権する人がいますので。」

「じゃあ、もう一人の仮面はチナですか。」

「知ってるんですか。久しぶりにあって、私が武道祭に出ると知ったら、自分も出ると言いましてね。」

「あいつは偽名の意味がないんじゃ。」

「それは気分ですよ。」

「はぁ。」

「では、そろそろ。」

お互いに構えた。

「では、はじめぇ。」

互いに動かなかった。それは数秒にもわたっていた。

「ケイ、なんで動かないんでしょうか。」

カノンが素朴な疑問を問いかけた。

「うーん、なんでだ。」

「互いに警戒しているのですよ。」

いきなり後ろから声がかかった。

「ナナ。もう大丈夫なのか。」

「ええ。」

ナナの目頭が赤くなっている。

「それにこれはシンが私を納得させるための戦いです。見ているだけでも問題はありません。」

「ふふふ。」「ははは。」

「くっ、何かおかしいですか。」

少し笑ったことを怒られた。

「いや、ツンデレだな。」

「ですね。けど、渡しませんよ。」

カノンは笑顔で言っているが、気迫がすごい。

「はぁ。」

ナナもそれにつっかかった。

「シンとあなたはそういう関係ですか。」

「そうですよ。」

「なっ。シンにそんな度胸があるとは思いませ。」

「ナナ、事実だ。しかも、シンから迫ってる。」

カノンは思い出したのか顔を赤くして無言になった。ナナは舞台の方をゴミを見るかのように見ている。

歓声が沸き起こっている。

「速い、速すぎるぞ。音しか聞こえません。」

先手をきったのはサンライトだった。魔法を使うことのできるサンライトは優位に立っている。

「あなた方にリベンジですよ。」

「いやいやあの時は二人がかりですよ。」

「それもそうですね。」

サンライトは笑顔で攻めてくる。こっちは手一杯で反撃の隙をつけない。

「おい、やられとるやないか。」

「くっ。」

ブラフがしゃべってきた。

「こんなやつわしとくらべらたら遅いし、軽いやろ。」

一旦距離をとった。

「そろそろ本気を出しなさい。そんななめられた人じゃないと自分でも思うんですがね。」

たしかに本気を出していない。しかし、出せないのだ。俺の攻撃には溜めがいる。魔力は無限といっても作り出すのが無限というだけ。使う際にためなければならない。溜めの時間そこは動かない。やろうとすればすぐさまやられる。

「まだまだいきますよ。」

怒濤の攻撃が始まった。受けるしかない。

「そうか。ブラフできそうか。」

「できるな。」

確認をとった。

「シンなんと舞台の真ん中にとまった。なにをするのか。」

観客からも期待の視線を感じる。

サンライトから攻撃を一方的に受けることになっている。防御はしているが意識が飛びそうだ。

「いくぞ。反撃だ。」

動かなかった足をおもいっきり下へ踏み込んだ。

「なっ。」

今までの速度と段違いだ。

「真ん中でやったのは誘い込むためだ。どこから来るか分かりにくくするためにな。」

踏み込む度に足場が悪くなっていく。

「おい、シン。足元大丈夫なのか。」

「早めに決着をつけるさ。」

攻撃しているのだがあまりきいていない。

「おい、まさか。」

「ふふ。気づきましたか。」

サンライトは自分の体を覆うようにシールドを張っていたのだ。

止まってはいけない。次は全力で倒しに来る。だからといって策はない。

「シンー。頑張って。」

カノンの声が聞こえる。隣に座っているのはナナか。

そうだ、あいつを守るために俺は負けるわけには。その時俺になにかが流れ込んで来ている気がした。

「右手を握って突っ込め。」

ブラフが言ってきた。信じるしかない。今の力をブラフを。

「おおお。」

サンライトの正面に突っ込んだ。今までにない感覚。強すぎる感覚。気づけば勝負は決まっていた。

「サンライト場外。・・・勝者シンだぁぁぁぁ。」

歓声が聞こえる。

「ほんとに強くなりましたね。シン。」

起き上がってきたサンライトから称賛を受けた。

「いえ。これもあいつのおかげです。」

ケイたちがいる席の方を見た。ナナはすでにいない。後から聞けばカノンが声を上げたあとすぐに去っていったらしい。

カノンの姿も見えない。ケイは何かしゃがみこんでいる。周りの視線もそこに集まっている。

「カ、カノン。」

そこでカノンが倒れている。

「シン。次は決勝だ。どこへいく気だ。」

その声を無視して観客席の方へいった。

「おい、カノン。どうしたんだ。」

「さっきいきなり倒れたんだ。」

ケイから聞いた。

「おい、どこへいく気だ。」

「治療がいるだろ。修道院だ。」

「そうか。行け。」

カノンを抱えて走った。

「シンは棄権したため仮面Tの優勝となった。俺も見たかったがしょうがないでしょう。皆さんお疲れ。また、次会おうぜ。」

武道祭は終わった。

「すいません。お願いします。」

修道院に着いた。カノンはまだ起きていない。


「過労ですね。しばらく安静にしていましょう。」

俺は胸を撫で下ろした。命に関わりはない。

「うう・・シン。どうしてここに。」

「カノン。お前は倒れたんだ。無理しちゃダメだろ。」

「すいません。」

「無事でよかった。」

「ありがとうございます。」

カノンの変わらない笑顔を見ると安心できた。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ