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私に用件ですか  作者: 海田 洸
24/27

行き詰まり

「シンですね。あちらの部屋でお待ち下さい。」

出場者全員に個別に部屋がある。部屋は入ったら出場まで開かない。

誰もいない部屋に入っていった。椅子が1つとだだっ広い部屋。それだけしかなかった。魔法は壁に吸収されるためなにをしてもいい。周りから音は聞こえないので、瞑想することもできる。

ブラフがいるから瞑想はできないので、とりあえず軽く組み手をかわした。

休憩中に配布された対戦表を見た。戦う順番はランダム。いつ来るかはわからない。

「俺とナナは・・・。」

反対側だった。決勝でしか戦うことはない。もう1つ気になるものがあった。仮面Sと仮面Tというものがあった。武道祭は匿名にもできたが、匿名にする人は今までいなかった。

ナナは初戦で仮面Tと戦う、俺は仮面Sと勝ち進めば準決勝で戦うことになるだろう。半年に一回の武道祭、毎回見ているが見たことはない。しかし、仮面Sと必ず戦うことになる予感はした。

扉が開く音がした。

「出番です。準備をしてください。」

扉の方へ歩いていった。

「今日1日扉から舞台までお供するリンカです。」

「あぁ。よろしく。」

不正をなくすため部屋へのウェポン、アーマー以外の持ち込みは禁止、扉から出ると一人一人に監視がつく。

あれ以降無言のまま舞台へ着いた。

「魔力の回復を行います。」

そういって手を俺の方へ向けた。

「すいません。抵抗しないでください。」

少し怒りぎみに言われた。なにもしてないんだけど。

「早くしてください。これも任務なんですが。」

「ごめん。ありがとう。」

謝って、お礼をするという訳のわからないことをいい、舞台へ上がった。ところでナレーションが入った。

「さぁ始まりました。秋の大会。今回は初出場揃い。初出場は誰も個性派揃い、出てくる度に紹介してくぜ。今回の注目はマギニファート・ワッフから出場のナナ選手だ。そして、ダークホースのシン選手。」

「ぶっ・・・」

俺かダークホース。仮面の方じゃないのか。

「謎の選手仮面S、T。今回の武道祭は見ものだぜ。では、第1回戦初戦、大きな盾で守りぬく隙あらば相手を切り裂いてしまう。守って戦うゴドフリー。」

歓声がおこった。毎回4本指にはいる実力の持ち主だ。

「対するは初出場。エントリーシートにウェポン、アーマーと始めに書き、訂正を頼めば悩んだあげく、なしと書く。俺も意図が全くわからんシン。」

嘲笑がおこった。あの時と同じ。てか、あのナレーターどこまで知ってんだよ。

「よろしく。」

ゴドフリーからあいさつされた。

「よろしくお願いします。」

歓声と、嘲笑が混じったなか始まった。

勝負は一瞬だった。

まず、蹴りで盾を吹っ飛ばした、そして間髪いれずに剣をはたき落とす。ここで相手が降参した。

勝ちかたは、舞台より落とすか、気絶する、または降参だ。負けはその反対だ。大会使用上大きな怪我を負うことはない。

誰もが息を止めた。ナレーターも声が出なかった。

「シンー。」

カノンが叫んでいる。右手拳を上に上げた。

「勝者シンーー。」

一斉にどよめきがおこった。

「試合は一瞬。何が起きたかわからない。どういったことか、気づいたときにはゴドフリーの盾と剣は場外へ。これはこれがシンの実力だぁぁぁ。」

ゴドフリーと握手をしていた。

「完敗だ。君ともっと早く出会えばもっと強くなれたかもしれないな。」

「いえ。恐縮です。」

「波乱の幕開けとなった今大会、どんなことが待っているのか。では、次の試合だ。」

部屋へ戻るとき仮面をつけたやつとすれ違った。懐かしさを少し感じる。

部屋へ戻り改めて対戦表を見た。ゴドフリーの名前が消えている。負けたら名前が消えるようだ。

眺めていくと。

「なっ。」

ナナの名前はなかった。戻っていく間に負けてしまったのだろう。

俺が戻ってからそう時間はたっていない。

「一瞬で決まってしまったのか・・・。」



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