挑戦状
「それで、ギルドはどうするんですか。」
カノンと話していた。
「まず、人が必要だ。それとやらなきゃいけないことがある。」
「そうですね。最初は少なくていいと思います。シンの思う人たちを集めてください。」
「あと、まだ自分が許せてない。だから、人が集まっても。」
「大丈夫です。近いうちに許せるときがきます。」
「わかったようにいうんだな。」
「そりゃ、じ、人生のパ、パ、パートナーですから。」
とても恥ずかしがって言っている。
「ははっ。そうだな。じゃあ、カノンは絶対守らないとな。」
「私だけじゃないです。皆を守ってください。」
「自信はないが頑張るよ。なんたって人生のパートナーが言うんだからな。」
カノンは顔を赤くしてなにも言わなかった。
「まずは最初のメンバーとパーティーを組もうと思う。」
「はい。いいと思いますよ。ケイと…ナナ、です、ね。他の方という手はないんですか。」
「ああ、これは俺のけじめだ。あいつらじゃないとダメな気がする。」
「頑張って下さい。応援してますから。」
「ああ。いってくるよ。」
「いってらっしゃい。」
その場を去り、俺はケイのところへ向かった。あいつは今衛兵の仕事に就いている。もう一度シーカーに戻る気はないだろう。
「いいぜ。戻っても。」
「お、おう。ありがとう。」
「正直飽きてきてたんだ。けどシーカーに戻るのは、厳しい道があるきがしてな。なかなか戻れなかったんだ。お前となら大丈夫な気がするからな。」
「また、あのメンバーでいこうな。」
「またってことはナナもか。」
「あぁ。」
「あいつはあれから変わったからな。トップギルドの仲間入りしてるし、お前とあいつは。いや、お前ならできるさ。な。」
「俺がしたことは許されないかもしれない。けど、戻ってみせる。絶対に、あのときのように。」
「そうか、頑張れよ。ナナを連れてきたとき俺も行くわ。また、あのときのように並べることを期待してるぜ。」
「長いかもしれないが待ってろよ。」
足の向きを変えた。
「ここか。」
大規模ギルドの1つマギニファート・ワッフの前に来た。もちろん、ナナを引き抜くために。
「ご用件はなんですか。」
「こちらにナナというシーカーはいますか。会いたいんですが。」
「ナナでしたら、武道祭の準備に入られています。もう少ししたら戻られると思うんですが。あっ、帰ってこられました。あちらの方です。」
「ありがとうございました。」
このギルドの受付嬢に礼をいい、ナナの方へかけていった。
「おい。ナナ。」
呼び掛けた。ナナは構えて、今にでも矢を放つことができる状態になった。辺りは静まり返っている。
「すぐに出ていってください。なにもできないやつがここにくる権利があると思いますか。」
「すまない。だが、俺はもう一度お前らと。」
「出ていけと言っているのが聞こえないのですか。」
「俺はギルドを立ち上げようと思っている。そのために越えなきゃダメなことがいくつもある。ナナ。お前がいないとダメな気がするんだ。だから、頼む。」
「誰があなたと組むんですか。私は嫌です。どうせ何度も押し掛けてくるでしょうし、次会うのは武道祭の時にしてください。もしあなたが私に負けたら、二度と近寄ることを禁じます。」
「わかった。どうせ、断って毎日来てもダメなことはわかっている。だから武道祭でけりをつけてやる。」
それだけ言い残し、俺は去っていった。もしあのとき立場が逆だったら同じ事をしているのだろうと考えて、帰っていった。