安心するのは
「シーカー、シンだ。門を開けてほしい。」
明朝の帰りだ、門が閉まっている。番兵に声をかけた。
「門を開けろ。」
命令の声が聞こえ、重い音をならしながら門が開いた。
「遅くまでご苦労だったな。」
「怪我をおっちまってな。助けられて、少し休んでたんだよ。」
番兵の一人に話しかけられた。日が射し込み始めているお互いに遅くまで働いている身だ。
「ナナのやろうが心配しとったぜ。早くいってやれや。」
「無論そのつもりだ。」
「くくくっ。ほんと仲いいな。ご夫婦かよ。」
「なっ、そんなんじゃねえよ。」
「まあまあ、怒るなって。さっさと行きな。」
「そうだな。早くいってくる。」
早くいって安心させてやらないとな。足をかえし、走り出した。
「ほんとお前らお似合いだぜ。」
後ろからそう叫ばれた。そちらをみると、グッと親指をたててこちらにてを向けている。
「だから、違うから。」
否定はしているが、今考えているのはカノンのことだった。
受注所に着いた。一応いつでもは入れるようになっている。カノンがいるのはここだろうと思い、ここまで走ってきた。
「あっ。おはようございます。シーカーのシンですよね。」
「そうですが、カノンいますか。」
朝の掃除をしている受付嬢達が話しかけてきた。
「カノンは。」
そこまで言い、少し笑いあっている。
「案内します。ついてきてください。」
言われた通りついていった。ついていきながら話を聞いた。
「カノンは頑張っていましたよ。連絡つかなくて、すごく心配してましたよ。最初は森にはいっただけといっていましたけど。だんだん落ち着かなくなって、捜索願いまで出していました。時間が短いため却下されていましたけど。今回に限りませんがね。毎回あんなにこまめに連絡とっているのもシンだけですよ。あっ、つきましたよ。」
休憩所までつれてこられた。こんな所がここにあるのは知らなかった。聞くと疲れたシーカーも休んだりしているらしい。ベッドが用意されているため、寝ることもできる。
「こちらにいらっしゃいますよ。」
「ありがとうございます。」
「では、ごゆっくり。カノン以外のかたはいらっしゃいませんので。」
少し微笑みながらいったのはなぜだろうか。
カノンはいつも心配してくれているようだ。早く顔を見せないとな。ドアを開けてなかに入っていった。
「カノ、、、」
眠っていた。こういうのははじめてだからな、相当頑張ってくれたのだろう。椅子に座り、カノンを見ながら思っていた。ふと思い出すのは
「お前らほんとにお似合いだぜ。」
「毎回あんなにこまめに連絡とってるのもシンだけですよ。」
少し顔が赤くなるのを感じた。カノンの寝顔を見ると不思議と安心感が感じられた。同時に眠気も襲ってきた。
それ以降の記憶はなかった。