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このチート召喚士めッ!  作者: 黒川 雄輔
4/4

ひとりめ


樹林


樹木


wood


成木


そんな単語ばかりが頭を過る。


…周りを見れば茶、緑、黒…様々な色が僕を取り囲んでいる。でもモノを見ても、木ばかり。こんな景色を見ること約2時間…未だに人も建物も見える気配はない。

リュックから方位磁針を取り出し、使ってみるもののどうやらこの林の中は妙な磁気が漂っていて使い物にならない。


ただひたすらに歩き続ける。ただひたすらに……


♪~~♪~……


「…歌い声……?」


とうとう耳もイカれたのかと思った。が、間違いない。歌声だ。正面から聞こえる。

今度は、ただひたすらに走る。人影が見えるまで、ただひたすらに─────



木々に遮られていた日光はようやくまともに僕に降り注ぐ。やっと林を抜けたようだ。


目の前に飛び込んできたのは、大きな湖、大きな山々。そして近くには村も見える。


その湖の畔で足を水面につけてばしゃばしゃとしている人影も確認できる。


「人だ…!」

僕は林を飛び出した!


僕の声に気づいたのか、金色の髪を靡かせ彼女は振り向いた。


「誰です?…まあ!人がこんなところに来るなんて珍しい。貴方、お名前は?」


「あ、えと…ユウヤです…君は?」


「私は…レイラです。以後お見知り置きを…」


と、丁寧に自己紹介をしてくれたと同時にユウヤのリュックからグリモワールが飛び出し、ページを開いた状態で現れた。そのページはレイラのステータスを示しているページだった。



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


レイラ・ヴァンプ (12) ♀


種族:ヴァンパイア(昼型)


Lv.120


HP:15600


MP:0


攻撃力:65000


防御力:26300


スタミナ:650


スキル

吸血(ヴァンプ):自動発動型スキル。吸血量が大幅に増加する


対亜人:相手が人間の場合、吸血量が増加


チョロい:仲間にされやすい



使用武器

吸血細剣(ヴァンプ・レイピア)…傷口から血を体内に取り込むことができる。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


「な!?ヴァンパイア…!?」


思わず僕は後ずさりする。


「あら、バレてしまいました?何故でしょう??

昼なので、翼も尻尾も出てきていないはずですけど??…まあいいです。しかし…ここに人間が来るなんて何年ぶりでしょうか…思わず喉が乾いてしまいました……あら、もうそろそろ日が暮れますね」


気づけばもう太陽が橙色に染まり、その姿を山へ沈めようとしている。これは勝手な推測だが、夜になれば格好の餌食。勝ち目はない……かのように思えた。

よくよく考えれば、レベルもステータスも圧倒的に僕の方が上じゃないか!勝ち目の有無の問題を捨てて、僕は彼女の説得に挑戦してみた。


「ねぇ、レイラ?ひとつ提案があるんだけど…」


「なんでしょう?…ま、負け犬の遠吠えとして聞いておいてあげましょう。どうせ、貴方は一滴の血も」


ついに日が沈んだ。

彼女の赤い目はより一層輝きを増し、背中からは真っ黒い羽が生え、悪魔みたいな尻尾も生えた。


「僕の…仲間にならないか?」


湖に一時の静寂が訪れる。

その静寂を切り裂いたのは、レイラの高らかな笑い声だった。


「…フフッフハハハッ。貴方、自分の立場を理解していらっしゃるの?見たところ、グリモワールを持っているということは、召喚士ではなくて?そこら辺の召喚士が…ヴァンパイアに勝てるはずが━━━━━」


「出でよ…獄竜ヘルゲートドラゴン

楽園の護り手 ホムンクルス

吸血神 アティス」


獄竜ヘルゲートドラゴン:地獄から召喚されし竜。地獄の門番竜でもある。最大の武器である黒い炎は標的が息絶えるまで燃え続ける。


楽園の護り手 ホムンクルス:『楽園』とよばている場所の騎士。武器は絶対防御の盾と吟われた『アクティアの(シールド)


吸血神 アティス:全ての吸血鬼の頂点にして絶対不滅と吟われた最強の吸血鬼。武器は『吸血(ヴァンプ)(ゴッド)籠手(ガントレッド)


「━━━━━━━━」


「どうだ?レイラ…驚いて声も出ないか?地獄の竜に楽園の護り手。その上、吸血鬼の頂点が出てきちゃったら、勝ち目は無いでしょ?」


「━━━レベル…幾つなの…?」


「MAX」


ユウヤは召喚()したモンスターたちを戻しながらなんの躊躇いもなく、有りの侭の事実を伝えた。


「まっ…くす?」


「うん」


レイラは言葉も出なかった。ついさっきまでは格好の餌食だと思っていた少年が、自分よりも遥かに『強い』と思ったことで、体の震えが止まらなかった。

しかし、そんな彼が何故自分を仲間にしようとするのかが疑問でならなかった。


「━━━なんで?どうして?私を仲間にしようとするの?」


「ん~…単純に、君がそこに居たからだよ」


「……へ?」


「いや、その…なんて説明すればいいのかな~……召喚されたって言ったら通じる?だから、僕はこの世界については全く知らない。未知なんだ。それに、僕はこの世界をもっと知りたい…楽しみたいんだよ!

……だから、僕と一緒に…来てくれる?レイラ」


この言葉を受け、レイラは胸の高鳴りが止まらなかった。初めて、『自分を必要としてくれる人がいる』と言うことが嬉しくてたまらなかった。


「…答えは?」


「━━━ついて、行きます…━━━」


「よし、決まり!これから宜しく。レイラ!」


と言い、ずいっと手を前に出した。


「……? なんです?この手??」


「え!?握手!知らないの?こうやって、手と手を握る━━って、どうしたの?顔真っ赤だよ?」


「いえ……何でも…ございません……」


「? まあ良いや!これから宜しく」


「よ、宜しく、お願いしますぅ…」


「あと、敬語はなし!」


「うえぇ…」



こうして、一人目の仲間ヴァンパイアのレイラを仲間にすることができた。

レイラの見た目は金髪、赤い目、黒が基調のゴスロリ服が特徴のキャラです。

…グラブルのヴァンピィちゃんを想像してくれれば手早いかと…


モンスター、精霊のアンケートはまだ募集中ですので、奮ってご応募下さい。

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