とある手記から(回想)
特に何もありません。
ただ一つ、今までとは違うものを作りたいです。
感想もお待ちしてます。
「戦争」という行為を望む者は少なくない。自分の血が血を求めて行動を起こし、その結果は「栄誉」として称えられるためである。
しかし、「戦争」を好まぬ者が半数以上を占めるこの国では、数を稼いで加戦できない。そこで戦力となるものは――技術。
他国よりも秀でる技術を駆使した戦いは、敵味方関係なく「あっ」と言わせたものである。
だが、それは前述した「戦争を望む者」にとってはさほどの悦びでは無かった。理由は簡単であった。
要は技術よりも実力を見せしめたかった彼らにはあまり関係のない事であったのだ。そう――私にとっても。
相手国の領土に乗り上げ、自らへの服従を誓わせる。これが私の望みであったが、相手国の軍隊は私の持っていた小型の――一見すると普通な――銃を見るなり飛び上がって逃げてしまったのである。これでは力を誇示する場面も無い。誠に身勝手ながら、私は完全に戦意を失ってしまった。
私のような思いを抱いた輩はほとんどであり、そのほとんどが日本の戦い方に不満を覚えていたのだ。
――俺達は実力で占領するために乗り上げたんだぞ。死ぬ気でもいた。それを、こんな小さな武器一つに立場を取られたんだ。こんな不甲斐ない事ってあるかよ――
その一声を皮切りに、我々は政府への不満や鬱憤を吐き出し吐き出し、遂には軍を去るまでに至った。
――その選択が正しかったのか誤りなのか、今となっては分からない。
――第三次世界大戦 元陸軍部隊長 瀬戸 三宗――