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冷たい砂漠

橋はある 誰も通りはしないけれども

明日が来て 同じ日々が続いていく

手を伸ばしても 掴めはしない

終わり続けていく いつまでも

伝えたいことなど 何一つない

待ち続けても 風は冷たい

この砂漠の上には この砂漠の上には

暗い空が在る いつまでも

暗い空が在る いつまでも

          「暗い空」



若者のいらだちが 乾いた空を駆け抜ける

老人の不安が アスファルトを濡らす雨になる

考えのぶつかりから 血を流した季節もあり

抗いようのない空気の中で 戦にでた者もいた

飽食の中で孤独が深まる 社会のカラクリは知らぬ方が

仕組まれた不幸を甘受して 一本の矢で、木の葉を撃ち抜く

愛は上辺だけの言葉になり 形を求める時代

平和は既に収束をして 持てるものは持ち

持てざるものは、なお持てざるままに

変化なんて望みなさんな そんな莫迦なこと

まだまだ 道は太いのだから

              「世代と道」



三十五番目の角を曲がるとき 哀しみが届いた

振り向くしぐさも 乾いた風の中

みんなと友達にはならいで 一人だけはぐれた

孤独は仲の良い友達 そこには静寂がある

失い続けてこそ 見えてくる景色があるから

わたしは、それを求めたり 探したり

近寄らないでください ここは脆すぎる土の上

崩れ去るには惜しいから 忘れ去るには愉しいから

三十五番目の角は曲がらないで 私のためにと残しておいて

すぐにと行きますから きっと追いつきますから

                「誰かに」



少しのことで変わってしまう それを責められてもね

君は昔と変わらない いや、昔よりも強くなって

明日や未来を語るけれど いまの君は嫌いだ

僕はいじけた気分で このままやり過ごすつもりです

幸せだとかいうものは 自分からは一番遠いものなので

それじゃあダメだよって言われるけど これがいいんです

このまま何も成さずに 時間だけが過ぎていく

いつか生命の終わりが来て この世界から消えていく

たぶん笑っているでしょうね これ以上に悲しまなくてすむから

たぶん笑っているでしょうね これ以上に失わなくていいから


人生を変える出逢いなんて そんなものは要りませぬ

君は瞳を輝かせて いや、違う世界の人みたく

夢や希望を並べるけれど そんな君は他人だ

僕は背中をまるめたままで 一生を過ごすつもりです

勝つのも負けるのも、それは レースに出た人のこと

不参加だってひとつの道だもの いつかは、この世から消える

いつも笑っているでしょうね それ以上に悲しまなくてすむから

いつも笑っているでしょうね それ以上に失わなくていいから

                 「不謹慎な詩」



わたしに架かる橋は 全て壊した

一人になることを 望んだから

遠くをボートに乗った 老いた人が行く

カモメが間抜けな声で 空を笑っている

ねぇ、憎しみをボトルに詰めて

さぁ、この先の景色を確かめる

甘い予測は粉々に 世の中は冷たい

優しい言葉の人ほど 偽善者だから

でも、冷たい言葉の人は 確かに賢いけれど

何かが欠けている気がする 確かめにくいけれど

リズムは高鳴りを運ぶけれど 過ぎるのも早い

愛を語る人には 言葉よりも口もとに、注意

いえ、良いことを言う人も 悪いことを言う人も

言葉よりも、口もとに

人間不信からは程遠くで 今日も生業を

分かりたくないことも とても多い

すべてを分かったならば 海は崩壊する

厳しい真実ならば 知らせるのは露悪趣味

分からないままでも 明日の酒は飲める

生きることは責任の放棄 保身の術

誰か責める人がいても それでいい

バリエーションが増える 言論は開放される

与えてばかりで 少し疲れてしまった

だから、誰か与えてくださる この孤独なわたしに

そう、使い切れないほどの 莫大な金貨を

                「資本論」

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