表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
大阪アンダーグラウンド00年  作者: 北島倶楽部
1/3

演出

「殺すぞ!」

いつもそう。いつもこれ。決まってる。本間に決まってるねん。

俺は知ってる。この横でナイフの刃先を相手の眉間あたりに突き付け、まるで般若のような形相で睨みつけてる幼馴染が本当は、スーパーヘタレで喧嘩も弱くメンタルも弱く頭も弱く、虚勢の塊でこの瞬間を演じてることを。

しかしながら、

俺は思う。少年の頃、不良は腕力であると。

俺は思う。青年の時、不良は演出であると。

そーいう意味では幼馴染の幹夫の演出は群を抜いていた。

もともと眉毛が薄く、目も細く、ありとあらゆるパーツが鋭利な刃物の先端であるかのようである。

ちなみに幹夫はトンデッパ(在日韓国人)。

生野区から小学校の頃に引越してきた。

「お前こんなんして・・・」

「殺すぞ!」

ガタイのいいB系兄ちゃんが反論するのを遮るように幹夫がカブせた。

「殺すぞ・・・」

俺も更にカブせた。

始まりは些細なこと。

三角公園の前にくそエロいおねえちゃんがいたから俺が声をかけた。

いい感じで話してるとこのガタイのいいB兄ちゃんが現れ、俺の友達になに声かけてんねん的な事を抜かし始めた。

軽く言い合いになり、こっち来いと俺が言った。

おそらく腕力に自信のあるBは羽織ってたスタジャンを脱ぎ、マッスルアピールして、のこのこついてきた。

そして今、三角公園から高架をこえて一本入った薄暗い、車がやたらと路駐されてる場所で到着するや否や幹夫がナイフを抜きカマシてるという訳である。本当に薄暗い場所で月明かりとナイフの刃だけが静かに光る。

「おいお前状況考えろや?無理やろ?」

そう言ってから俺もナイフを抜いてマッスルアピールしてる腹に刃先を突き付けた。






評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ