【1】 微睡の中で
短いです。
プロローグのようなものだと思ってください。
場面転換が多いです。
さて、今日の夕食は何にしようか?
あれ、確か帰りは遅くなるって言ってなかった?
それなら温め直すのが楽なやつがいいよね。何がいいだろ……というか買い置き、何があったっけ?
「痛いっ!」
突然身体を襲う痛みに私は思わず膝をついた。
「~~~~っ!」
全身を壁に叩きつけられたみたいだ。
痛みは酷くなる一方で私は床に倒れ込みかたく目を瞑る。
絶え間なく遅く激痛に私はとうとう意識を手放した。
◆◇◆
ここはどこだろう? ふわふわと安定感がなくてまるで空に浮かんでいるみたい。
辺りは真っ暗で何も見え……ん? ちょっと待って。頑張って目に力を入れるとうっすら何か見えてきたかも。
どうやら私は目を閉じていたらしい。
けど、うーん……目を開けてもハッキリとは見えなくてぼんやりしているよ。
誰か二人の人物がこちらを覗きこんでる。
片方は黄色っぽい。たぶん金髪かな? もう片方は茶色。茶髪かな?
性別までは分からないや。
あー、なんだか疲れて眠くなってきたぞ。私は一度も睡魔には勝てたことがないんだ。
だから、おやすみなさーい。
◆◇◆
寒い! 暑い! 気持ちが悪い。
なに!? 暑いのに寒い。頭も痛いよ。
尋常じゃない痛さだけどもしかして熱? 私風邪ひいたの?
全身がだるくてピクリとも動かせない。
誰か頭を冷やす物くださーい。あ、寒いから毛布も追加してくださーい。
そう言おうと思ったけど、喉も痛くて声が出ない。誰か助けてー。
声なき声で叫ぶけど当然何も喋れないわけで、私の切実な願いは届かない。
半ば諦めかけたその時、額にヒヤリと冷たい物が!
き、気持ちーー。でもすぐに温かくなっちゃう。そう思っていたら額に会った重みがなくなった。
あれ? と思っていたらまたヒヤリと冷たいものが乗っかった。しかも今度はすぐに温かくならない!? 冷たさが継続してます。
火照った顔にはとても気持ちいい。
また眠くなってきたからおやすみなさーい。欲望のおもむくままに寝てやるぜ。むにゃむにゃ……。