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7話 ホームセンターで…


とある作家の暇人さんから頂いた怪談です。遅くなってすみません!





これは、僕が小学6年生の時の出来事です。



いつもの仲良し3人組、僕とS君とO君で集まり、遊んでいると



「小学校最後の夏ということで、せっかくだし怖いことでもしない?」



という流れになりました。


どこに肝試しに行こうかと話し合い、僕の家の近くのつぶれたホームセンターに行くことになったんです。

僕は、「鍵がかかって入れないはずだ」と2人に言いましたが、2人は笑いながら



「「だったら、他の入り口を探せばいいじゃん」」



と返されてしまいました。そして、その無いかもしれない(というか無い可能性の方が高い)入り口を探しに、ホームセンターに1番近い所に住んでいる僕が行かないといけなくなりました。

渋々と言った感じで、ホームセンターの周りを歩きます。

暑いので早足で歩きながら、壁に触れたりドアを引っ張ってみたりしていると、僕は無いと思っていた入り口を発見してしまいました。


打ち捨てられたような倉庫のドアが開いたのです。

その中には階段しかありませんでした。その階段は、地下へと続いています。暗闇の中に繋がっている階段が、どこにつながっているのか、下はどうなっているのか、僕には視えませんでした。電気がないか手さぐり探しましたが、ありません。




僕は、先程の2人を呼びました。地下へと続く階段を見た友達は、いつになく興奮しているみたいです。

僕も、いつの間にか興奮していました。こういう体験は滅多にできるモノではありませんし、なによりも下には何があるのかが気になりました。


僕たちは、ゆっくり降りていきました。発見者の僕が先に入り、次にS君、ビデオカメラを持ってきていたO君は最後に倉庫に入ります。


カン、カン、カン…



僕たちが階段を下りる音が、狭い倉庫に響いているみたいでした。

階段の最期の一段を降り、左に曲がったその時のことです。




ガラガラガラ……




何か、金属のようなものを引きずる音が、耳元とまではいきませんが、物凄く近くから聞こえてきたのです。



…ここには、僕達しかいないはずなのに…



僕たちは、回れ右をすると、一目散で階段を上りました。倉庫から逃げた後も走り続け、ようやく落ち着いたときには、友達の家の前でした。

そして、そのまま僕たちは友達の家でビデオをテレビに繋げます。


ビデオの持ち主であるO君が、何回か深呼吸をしてから『再生』ボタンを押すと、そこには恐る恐る、ゆっくりと慎重に階段を下りていく僕とS君が映っていました。



そして、すぐに先程『何か』の物音がしたシーンになりました。

僕たちが逃げる様に上がっていく姿が、テレビに映し出されます。



その後先ほどの『何か』の音がした後、僕たちが逃げていく姿が映っていました。しかし、ここで僕たちはおかしい点に気が付きました。


僕は、1番最初に階段を下りていたので、逃げた時は最後尾でした。

目の前を走っていたS君の早いはずの足が、その時に限って遅く、早く逃げたかった僕は『右手』でS君の背中を押したんです。




でも、テレビに映っていたS君を押している『手』は、変でした。

僕の『右手』は、もちろん映っていましたが、それと同時に誰かの『左手』がS君の肩に乗っていたのです。

僕が、そのことを言うと、S君の顔は真っ赤に染まりました。S君は怒りながら、こういいました。



「お前、何言ってんだ?両手で俺のことを、引っ張ってただろ!」



僕は、引っ張っていません。逆に押していました。

何かが、S君を引っ張っていたから足が遅かったのかもしれません。

それにしても、あの『何か』は、どうしてS君を引っ張っていたのでしょうか?最後尾の僕が真っ先に狙われる対象になりそうなのに……


もう、そのホームセンターは取り壊され、確かめたくても確かめることは出来ません。



あの日…僕達3人に共通していた不思議な出来事は、倉庫に入って不思議な物音を聞いただけではありませんでした。



あの日、僕たち3人が、それぞれ別の所で水色のワンピースを着た小学1年生くらいの女の子を見かけていたのです。普通の女の子とは、なんか違うオーラを出していたので、よく覚えています。





倉庫でS君を引っ張っていた『何か』と、あの女の子は…何か関係があるのでしょうか?

それとも、僕たちの気のせいだったのでしょうか?





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