表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
サバゲー令嬢ディアナ ――勝たない悪役令嬢の生存戦争  作者: 南蛇井


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

82/99

第十一章 「最悪の世界線」 シーン1:最終局面の空気 ― 世界が“正しい方向”に動き出す ―

大会は、静かに終盤へ向かっていた。


フィールド全体に緊張はない。

むしろ、秩序が完成しつつある空気があった。


教官は前に出ない。

運営の指示も、必要最小限に抑えられている。

それぞれの持ち場に立ち、必要な時だけ目を動かす。

介入は、もう役目を終えたという態度だった。


観測ログは安定している。

魔力推移は滑らかで、突出はない。

装備の反応も、想定値の範囲内に収まっている。


危険指標は、存在しなかった。


ディアナは、後方からフィールド全体を見渡した。


一目だった。

確認する必要すらなかった。


(揃っている)


配置。

距離。

射線。

人の立ち位置。


それらが、無駄なく噛み合っている。


(原作通りの配置だ)


頭の中で、過去に何度も読んだ図が重なる。

線と点で描かれた、あの場面。

偶然を装って成立する、完成形。


(この並びは、知っている)


ここでは、何も起きない。

少なくとも、今は。


誰も騒がない。

誰も疑わない。

誰も止めない。


正しく配置され、正しく管理され、正しく進行している。


だからこそ、ディアナは理解してしまった。


これは平穏ではない。

安全でもない。


「何も起きていない」という状態が、

すでに一つの結論に到達していることを。


世界は、正しい方向に動き出していた。


そしてその正しさが、

これから起きることを、

誰の責任にもならない形で許可している。


ディアナは、目を逸らさなかった。


逸らしたところで、

配置は変わらないことを知っていたからだ。


静かなフィールドの中で、

最悪の兆候だけが、

完璧に整っていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ