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サバゲー令嬢ディアナ ――勝たない悪役令嬢の生存戦争  作者: 南蛇井


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7/99

Ⅶ.理解

ディアナ。

その名前を、洋子はよく知っている。


何度も操作した。

何度も戦わせた。

何度も、死なせた。


悪役令嬢。

学園最強。

単独無双。

誰とも群れず、誰にも頼らない。


そして――

最後に、必ず死ぬ存在。


フランソワの声が遠のく。

部屋の豪奢さも、

柔らかすぎるベッドの感触も、

一気に意味を失った。


代わりに、

記憶の奥から、

ゲーム画面が鮮明によみがえる。


砂埃の舞うフィールド。

貴族学園主催のサバゲー大会。

歓声と銃声。

魔法障壁。


そして――

鳴り響く、異音。


実弾。


誰かの悲鳴。

止まる画面。

唐突に表示される、死亡ログ。


事故。

そう処理されるイベント。


ディアナは、

どのルートでも、

そこに立っている。


勝っていても。

負けていても。

完璧な戦績でも。


彼女だけは、

逃げられない。


「……嘘でしょ」


声が、震えた。


否定したかった。

偶然だと思いたかった。

何かの勘違いであってほしかった。


だが、

知ってしまっている。


この世界は、

物語であることをやめていない。


そして、

物語はいつも、

ディアナを殺す。


喉の奥が、ひくりと鳴る。


死ぬ。

このまま進めば、

自分は、あの大会で死ぬ。


それが、

ゲームとしてではなく、

現実として訪れる。


理解した瞬間、

恐怖は、

静かに、しかし確実に、

洋子の全身を支配した。

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