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第九章 「条件を守っても死ぬ」 シーン1:大会序盤の平穏
大会二日目のフィールドは、前日と変わらぬ配置で整然としていた。観客席や魔導観測装置もそのままの位置にあり、規律正しい空気が漂う。ディアナは後衛に位置取り、視界の隅で全体を見守るだけに徹した。介入は最小限、必要最小限の射撃と移動で存在を消す。
王子ルッツとリリアは、昨日と同じように規則通りに行動している。戦場は一見平穏で、観測ログに映る魔力の流れも安定していた。サブキャラクターたちも完全条件遵守型で、装備は誤作動もなく、戦術的動きも計画通りに進んでいる。
ディアナの視点から見れば、すべては予定通りに動いていた。勝利も敗北も、事故も異常も、今のところ存在しない。平穏は、条件を守ることによって成立している。ここでの安定は、まさに安全の幻想を映し出していた。




