表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
サバゲー令嬢ディアナ ――勝たない悪役令嬢の生存戦争  作者: 南蛇井


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

36/99

シーン2:世界観・政治構造の説明(会議内資料)

円卓の中央に、新たな資料が投影される。

魔導監視ログではない。構造図だ。


「念のため、背景を共有しておきます」


主任教官の声は、確認事項を読み上げる調子だった。


投影されたのは、王国の統治構造。


最上段に王冠の紋章。

その下に、複数の家紋が横並びで配置されている。


「ご存じの通り、王権は象徴です」


誰も反応しない。前提として共有されている。


「実権は、貴族評議会が保持しています。

 法、軍、予算――いずれも合議制」


視線が、構造図の一角に移る。

評議会の直下に配置された箱。


《ヴァルツァーク学園》


「本学園は、評議会直轄機関です。

 教育機関であると同時に、管理機関でもある」


言い換えは、されない。


次に表示されたのは、別の図表。

魔力保有者の分類を示すものだ。


「魔力は、軍事資源です」


その一言で、議論は終わる。


「重要なのは、量や才能ではありません。

 管理可能かどうかです」


図表の中で、いくつかの区分が強調される。


安定。

不安定。


「安定した資質は、戦力として運用できます。

 不安定な資質は――扱いを誤ると、政治問題になる」


そこで、二つの矢印が示された。


一つは上向き。

《英雄化》


もう一つは下向き。

《事故処理》


誰も、その言葉を否定しない。


英雄は、物語として消費できる。

事故は、責任を分散できる。


どちらも、政治的に処理可能だ。


主任教官は、淡々と締めくくる。


「したがって、本学園の役割は明確です」


少しだけ間を置いて、言う。


「事故を防ぐことではない。

 事故を、政治問題にしないことです」


学園は緩衝地帯だ。

危険を排除する場所ではない。


危険が表に出ないよう、

内側で吸収する装置。


円卓に沈黙が落ちる。

誰も異論を挟まない。


それが、制度の現実だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ