表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

8/8

穴を埋める

 俺はペットを()おうと思った。

 大した理由はない。ただの思いつきだ。

 強いて言えば、退屈だから、といったところか。

 とにかく、何を飼うか決めようか。


 ペットショップで熱帯魚と、必要な物一式を買ってきた。

 犬猫は世話が大変そうだし、金も熱帯魚の数倍は掛かる。なので、熱帯魚を数匹となったわけだ。

 飼ってみると、意外と可愛い。愛着も()いてくる。


 ところがある日、熱帯魚は全滅した。

 一生懸命(いっしょうけんめい)世話をしていただけに、ショックだった。

 心にぽっかり、穴が空いたようだ。


 そんな俺を見て同情したのか、会社の同僚(どうりょう)がハムスターをくれると言った。

 ペットで空いた穴は、ペットでしか()められないと言うのだ。

 俺は有難(ありがた)くハムスターを(もら)い、また、一生懸命世話をした。


 なのにある日、ハムスターも死んでしまった。

 俺の心の穴は、前よりもっと大きくなってしまった。

 次は何を飼おう。猫? それとも犬? 

 しかし……それらが死んでしまったら、どうするのだ。

 犬猫より大きい穴なんて、そうそう埋められるものでは……。


 ──そうだ!


 俺はあることを思いつき、実行に移した。


「よう。ハムスター、死んじゃったんだって? 弱い個体だったのかな。すまなかった」


 昼休み、ハムスターをくれた同僚が話しかけてきた。

 いやこちらこそ、と言って謝る。

 俺があっさりしてるように見えたのか、思ったより元気そうだな、と言ってきた。 


 まあ、そう見えるか。

 だがペットの穴はペットで埋められると、そう教えてくれたのは彼なのだ。

 俺が元気そうに見えるとしたら、その教えに従い、探してるからだ。

 新たなペットを。

 しかももうすぐ、見つかりそうなのだ。


「ところでその、開いてるパソコン、何のページだ? 婚活……相談……?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ