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レンジャーの仕事

 私はレンジャー。密猟者(みつりょうしゃ)から、動物たちを守るのが仕事だ。


 動物の中でも、特に象たちの被害(ひがい)(いちじる)しい。象牙(ぞうげ)(ねら)いの密猟者たちによって殺される象の数といったら、年々増える一方だ。

 何であろうと、一方的に動物を殺していいわけがない。だから、私はレンジャーになったのだ。

 罪もなく殺される、動物たちを守るために。


「はい、私です。……え? また密猟者が? わかりました、すぐに向かいます」


 仲間のレンジャーから無線連絡が入り、伝えられた現場に車で急行する。

 現場に到着すると、今まさに、象たちに(じゅう)が向けられようとしていた。私はすぐさま銃を(かま)え、標的に向かって引き金を引いた。


 がーん──……!


 静かなサバンナに、銃声(じゅうせい)が響き渡る。その音に驚いたのか、象たちは逃げ出した。

 やがて(あた)りには静寂(せいじゃく)(もど)り、私と、密猟者だけが残された。


 私は銃を下ろし、密猟者に近づいた。

 もう、銃を構える必要はない。

 密猟者は既に、事切(ことき)れていたのだから。

 密猟者から視線を外し、逃げて行った象たちを見送る。その姿は、だいぶ小さくなっていた。


 ──やれやれ。今日もまた、動物を守れた。


 私は車に戻り、無線で仲間に連絡を入れた。密猟者は取り逃がした、と。

 無線を切って空を(あお)ぎ、安堵(あんど)溜息(ためいき)をつく。これでいい。密猟者の体はそのうち、肉食の獣が食事として処理してくれるだろう。


 私はレンジャー。罪もない動物を守るのが仕事だ。

 何であろうと、罪もない動物を殺していいわけがない。

 だがそうでないのなら、話は別だ。


 密猟者という、罪を犯した動物を始末するのもまた、私の仕事なのだ。 

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