星降る夜に
この小説はバッドエンドを迎えた短編、絶対零度王子とたんぽぽ姫のアナザーストーリーです。救いはあるのか?!ないのか?!気になる本編へどぞ(っ´∀`)っ
それは運命のような出会いだった。星降る夜に出会った2人は定められた運命を変えることになる。
「ミルク売れないなぁ。」
ミルク売りの少女ヒナリ・ソレイユは困っていた。彼女の髪は金髪で短くたんぽぽ姫と呼ばれていた。そんな彼女は今日もミルクが売れなくて困っていたのだ。
「はあ……」
暫く歩いているととある光景を目にする。それは、1人の商人のような少年がガラの悪いもの達に絡まれていたのだ。
「ぶつかっておいてふざけんな!こっちは骨折してんだよ!」
「そうだ!金払いな!」
「痛い目にあいたくなかったらな!!」
「ちょっと!やめなさい!!」
ヒナリは迷わずに突っ込んでくる。
「あ?んだよ?!女!」
「痛い目にあいたくなかったらさっさと行きな!」
「ただのミルク売りがふざけんじゃねぇ!!」
ガラの悪いもの達はヒナリに殴り掛かろうとする。
ヒナリはミルクを置くと深呼吸して持っていた木刀を振るう。ヒナリはあっという間にガラの悪いもの達をやっつけてしまった。
「大丈夫?」
「ああ、問題ない。」
ヒナリが商人へと声を掛けると商人はそう言った。
「じゃあ、先を急ぐので!」
ヒナリはそう言うと慌てて去っていった。
ヒナリは実は片田舎の剣術道場の師範の孫だった。だから剣術は得意である。
しばらくたった頃のことである。国主催の剣術大会が開かれる事になった。ヒナリは祖父から出るように言われて仕方なく出ることになった。優勝賞金の10万金が欲しいらしい。道場の経営やミルク売りの経営状況は芳しくなかったからだ。ヒナリに優勝するように言った。
「はあ、私にできるかな?」
大会が始まった。対戦相手はガタイのいい男である。
「ねぇちゃんあぶーねーから早く帰りなっ!ははっ!」
「大丈夫よ!ありがとう!」
試合が始まる。それは一瞬の事だった。居合切りでガタイの大きな男は空を舞う。綺麗で鮮やか、そして瞬きする間に男はやられていた。
「なっ?!そん、な?!」
「し、試合終了!勝者ヒナリ・ソレイユ!!」
おおと、歓声が湧く。国王も驚いていた。王子はそれを見てなにか思うところがあった。
(あの少女は……)
次次とヒナリは勝ち上がっていった。そしてラストの相手は絶対零度の王子である。絶対零度の王子とは絶対に笑う事のない冷徹で有名な王子が後継者とされている。その王子との戦いだった。
「試合、見てたよ。君、強いね。」
「ありがとうございます!よ、よろしくお願いします!」
ヒナリは緊張していた。顔をあげるとそこにいたのは
「あ、あなたは……!?」
そう、その少年は星降る夜に出会った商人だった。
「あの時はありがとう。だが、今日は本気で戦わせてもらう。」
「は、はい!」
両者木刀を構える。
「試合開始!!」
まず、ヒナリの居合切り。だが、王子は難なく避ける。避けた王子はヒナリへと駆けてゆく。木刀を振るう。ヒナリはそれをヒラリとかわすと、王子へと切り込む。王子はそれを受け流す。両者1歩も引かない。ここでヒナリの剣戟が王子へと炸裂する。王子はそれを避けながら受け流す。
「なかなかやるな。」
「そっちらこそ!」
両者が切り合う。そして一瞬ヒナリが消える。
「!」
ヒナリは王子の背後へとまわっていた。ヒナリの一撃をギリギリ避ける王子はそのままヒナリへと切り合こむ。ヒナリは一撃したまま縦に回転して再び切り込む。
「!!」
王子はそれをかわせなかった。まさかまわってくるとは思えなかったからだ。王子が打撲する。
ヒナリは更に木刀を腕を叩き付ける。
「くっ!」
王子は受けながら、ヒナリの正面から切り込む。ヒナリはギリギリかわすともう一度木刀を王子の右手にあてる。
王子はついに木刀を離してしまう。
「勝者!ヒナリ・ソレイユ!!」
審判の声が響く。雌雄は決した。ヒナリは勝ったのだ。ヒナリは優勝賞金とトロフィーを受け取る。
「おめでとう。」
絶対零度王子はそう言うと去っていった。
「ヒナリー!よくやった!!」
ヒナリの祖父は誇らしげだった。こうして大会はヒナリの大勝利に終わったのだった。城門で帰ろうとしていた時、1人の少年が向かってくる。それは、
「ヒナリ・ソレイユ。」
「お、王子?!なんで?!」
「君に興味がある。僕の付き人になってほしい。」
ヒナリは絶句するのだった。
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