「今 (the future is now)」 「さよなら白昼夢」
「今 (the future is now)」
今
今が足元から沈んでいく
なにをしても
なにもしなくても
時間は前に進んでいく
さっきから
今まで
時間はいつまでも進んでいく
誰も待たずに私たちを置いていく
今
この瞬間の今
今を感じて
今を忘れて
私たちは進んでいく
時間と付かず離れず
進んでいく
たんたんたん
と包丁とまな板がリズムを刻んで
ばたばたばた
と足音が踊っている
笑い声が響いて
泣き声が木霊する
私たちはそれでも時間と共に進んでいく
別れと出会いの隙間を慈しんで
踊りながら歌いもして
そして今
「さよなら白昼夢」
白昼夢の中
夢遊病者のごとく
過ごしている午後三時
さみしくもなく悲しくもなく独りぼっち
かまってほしいと犬が啼いて
体にまとわりついた毛皮のフード
閉じられた扉を開けたり閉めたり
忙しい
日々に追い立てられて今日も夢遊病
白昼夢が今日を昨日にして
昨日がいつの間にか明日になってる