第22話(1)
かのあるふぁ
〔ねぇ見て見てーー!!!〕
ーかのあるふぁがアルバムを作成しましたー
潮
〔お〕
〔蘇芳姉弟でついに行ってきたか、遊園地〕
かのあるふぁ
〔そう!!那由多も元気になったから、気分転換も兼ねて!〕
〔よくよく聞いてみたら3人全員絶叫系無理だったってことが今更分かったから、テーマパークメインな感じで遊んできたよ!〕
潮
〔懸命だわ…〕
蛍
〔いいねぇ、仲良し姉弟でテーマパーク〕
〔と思ってアルバム見たらこれ、お前これ…〕
〔今話題のジョナバルパークやないかい〕
セリー
〔お、行ってきたんだ すごい〕
〔兄さんが「子供たち連れていきたいけど、しばらく人多いだろうからなー」って悩んでた〕
〔写真見たけどすごいクオリティ めちゃくちゃ楽しそうな写真ばっかりでなぜか私も嬉しい〕
おその
〔うおー あれだよね?確か〕
〔数年前に話題になった『ジョナバル熱狂ファンが立案したテーマパーク(仮)があまりにも良すぎて、ついに公式を動かした』ってやつ〕
〔話には聞いてたけど、時を経てこんな感じで出来上がったんだー〕
〔規模でかくて草なんよ)
蛍
〔あったよなぁ 覚えてるわ〕
〔ジョナバルのプロデューサーの出身地で作られたんだっけか〕
〔さっき調べてパークのマップとか見たけど、土地面積余すことなくフル活用でかなり充実してるね〕
かのあるふぁ
〔あのね!ガチですごかったよ!!〕
〔大画面で、デバイスじゃなくて身体いっぱい動かして操作するジョナバルとか!実際のジョナバルのワールドマップを反映した空間とかも実際入ったら本当にゲームの光景そのまんまだったしー〕
〔全武器の模型が大量に飾られた部屋ではね!模型貸出可能な上に写真も撮ってもらえて、キャラが定期的に現れてくれる仕様だった!!〕
〔他にも楽しめる要素盛りだくさん!って感じで最高でしたー!〕
おその
〔すまん 色々アルバムの写真見たいんやが〕
〔那由多コーチがにっこにこでキャラにハグしてもらってる写真が微笑ましすぎて次に進めません〕
蛍
〔同じく〕
潮
〔わいはそのターン既に済ませました〕
〔その次のさ、3人で映ってる写真めちゃくちゃ良くない?〕
〔これはなやぎに飾ろう〕
かのあるふぁ
〔マジーーー!?那由多もあもなもめっちゃ喜ぶよ!ありがとー!!〕
あまねん
〔すごーい!姉弟のかわいい写真がたくさんだ~〕
〔かのあも嬉しそうだけど、2人もとっても嬉しそう…素敵な旅行になったんだね!〕
かのあるふぁ
〔めっっっちゃ楽しい旅行だった!いろんな話もしたし、ずっと笑ってた!〕
〔はなやぎの皆と過ごす毎日も、旅行に行くみたいな特別な1日も楽しいし、妹と弟と過ごす特別な1日も楽しいし、かのあって何てハッピーなの?ってずっと幸せ噛みしめてた…〕
潮
〔かのあ…あんたは本当に良い子だよ〕
〔バカだけど…〕
蛍
〔有り得ないくらいの底抜け鬼ポジティブさ加減、その気持ちでいつだって人を幸せにするよね…〕
〔バカだけど…〕
かのあるふぁ
〔ちょっと!!褒めるなら最後までちゃんと褒めてくれる?!!〕
〔てか褒めてるんだよねそれ?!〕
セリー
〔人類がかのあぐらいポジティブで幸せ感じられる脳になれたら、世界は笑顔で溢れるよね〕
潮
〔重要なのは、かのあが色んな経験をしてきた上で、それでもこのポジティブさで前に進んでるってところだよね〕
〔この子にとって悲しかった出来事は、積み重なっていく毎日の中で得られた寒色であって、その色も含めて完成させていく人生っていう1枚の絵画が有るんだろうなって〕
かのあるふぁ
〔何か分かるようで分かんないわ!〕
潮
〔こいつ殴っていいか〕
おその
〔まぁ かのあちゃんですから〕
〔かのあちゃんがへこたれる時なんて、冷蔵庫にあまねんの作ったお菓子が無くなった時くらいじゃない?〕
〔ドギツいアンチコメ届いてんの見せてもらった時にさ、私が言われたわけじゃないのにめちゃくちゃ凹んでたら「ちょっと喰らっちゃうよねー!」とか笑ってけろっとしてたのに〕
〔その後冷蔵庫の中確認して、「何で…何でお菓子ないの…!」って膝から崩れ落ちてたもん〕
蛍
〔草〕
〔事象に対するリアクションが我々と逆なのよかのあさん〕
おその
〔そうなんよなー 逆なんよなー〕
〔号泣して、あまねんが何か持って来てくれるまで中央ホールのソファから動けなくなってたもんね〕
〔その反応を最初に持って来ない辺りがさすがのかのあちゃんですわ〕
かのあるふぁ
〔だってかのあの栄養源なんだよーーー!!!〕
〔よっしゃ配信するからあまねんのお菓子たーべよ!って冷蔵庫開けたら一つも無かった時のかのあの気持ち!!〕
潮
〔しかも、かのあが食べ切っちゃうからってうちらは個別でお菓子分けてもらってるから〕
〔つまり冷蔵庫にある在庫全部食べてんのかのあ自身だからね〕
〔前回自分で食べ切ったお菓子の在庫見て膝から崩れ落ちてるってことだからね〕
かのあるふぁ
〔ええええええええええ!!!!そうなの!?!?そう言われたら確かに…全部食べたかも…!!〕
〔絶対潮だ!って思ってたから、元気になった後に冷蔵庫に入ってた潮の好きなお菓子全部食べ切っちゃった…〕
潮
〔何してんだてめぇ!!!〕
おその
〔こ、こいつ…〕
蛍
〔良い子だなぁ…って時と、ゴミカスかな…?って時の振り幅がえぐすぎるんよなぁ〕
潮
〔おい、あれ知り合いに頼んで取り寄せてるやつだから届くのに1か月かかるんだよ!〕
〔大事に食べてたのに何勝手に全部食べ切ってんだボケ!〕
かのあるふぁ
〔えーーーーーーん!!!だって潮しかいないと思ったんだもーーん!!ごめぇぇぇぇぇん!!!〕
〔あまねんが冷蔵庫に入れてくれてる分のお菓子って、全部かのあのだったんだね…ぐすん…〕
〔ごめんね…潮…勘違いして潮のお菓子全部食べちゃった…反省してる…〕
〔めっちゃ美味しかった…〕
おその
〔マジでこいつやっぱ最高だわ〕
蛍
〔そりゃアンチコメ喰らっても平然と笑ってますわ〕
セリー
〔反省してる、美味しかった〕
〔その気持ちが同時に存在してるから同時に言っちゃうんだよね〕
おその
〔別にふざけてるわけでも、反省してないわけでもないのよね〕
〔反省は反省できちんとしてるのよ それがかのあちゃんの難しいところなのよね〕
潮
〔あの キレてる時に解説やめて?〕
〔美味しかったなら良かったねって言いたいところだけど、今後も食べて大丈夫☆っていうハードル下げになりかねないので 此処はしっかり対処していきたいと思います〕
蛍
〔妥当な判断ですな〕
潮
〔かのあちゃん 私の大事にしていたお菓子を食べてしまった君には〕
〔3日間、バンビの食料調達を手伝うバイトという名の筋肉強化イベントを与えます〕
かのあるふぁ
〔え゛え゛えぇーーーーーーーーーーーーーーーー!!!〕
〔ん?えぇ…?〕
〔ごめん、マジかよーー!って言いたかったんだけど、ん…?〕
あまねん
〔え!かのあ良かったじゃん!確かバンビさんのことすっごい気に入ってたよね?〕
〔近付けるチャンスだよ~!やった!〕
おその
〔あまねん。多分ね、彼女はそれ以上に『筋肉強化イベント』に引っかかってるよ〕
潮
〔説明しよう!〕
〔あのお菓子は私がバンビに直接お願いしている代物で〕
〔山奥に住んでるおネギさんに作ってもらわないと手に入らない、とっても貴重なお菓子なのだ〕
〔バンビはひと月に一回おネギさんから野菜とか山の幸を頂いてるんで、そのタイミングに合わせてお菓子をお願いしてるってわけ〕
蛍
〔待て待て〕
〔ガチの取り寄せで草なんよ〕
〔いやそもそもそれ取り寄せってジャンルで合ってるんか?〕
おその
〔山奥に行かないとアイテム手に入らないとか〕
〔何かのゲームのミニイベントじゃないよね?〕
潮
〔リアルなんですよねぇ〕
あまねん
〔ねぇねぇ、すっごく気になるんだけど…〕
〔おネギさんにしか作れないってどんなお菓子なの?めちゃくちゃ気になる!〕
〔私も教えてもらって作りたいな~〕
潮
〔まぁ、おネギさんにしか作れないってのは 正直ちょっと誇張したよね〕
〔何かおネギさんの山で植えて育てられたひまわりの、種を使って作ったクッキーらしい〕
〔さくっほろっ って感じで、これがあんまり食べたことない感じの食感なんですわ〕
〔ほんで美味いんすわ 前にお邪魔した時にお茶請けで出してもらって、食べたら美味かったから頼み込んで作ってもらってるってわけ〕
あまねん
〔ひまわりの種が入ったクッキーなんだ!美味しそう…〕
〔さくっほろっになる割合の水分量とか、使ってる材料とかもこだわってるんだろうな~〕
〔やばい!作りたい!直接教わったらご迷惑かな?!〕
潮
〔え 普通に喜ぶと思うよ〕
〔私がうざがられてるだけで、実際はおネギさん来客大好きマンだから〕
〔てかあまねんが作れるようになってくれたらめっちゃ助かるわ〕
〔早速バンビとおネギさんに話しつけとくね〕
あまねん
〔かのあがお山の方へお手伝いに行くタイミングで同行したい!〕
〔わ~!楽しみが増えた~!〕
かのあるふぁ
〔ね゛ぇ!!ちょっと待って!!!〕
〔何かもう勝手に決定して勝手に行くことになってるんだけど!?〕
〔やだよかのあーーー!!疲れるのいやだーーーー!!〕
潮
〔おい、勝手に私のお菓子を食ったのはどこのどいつだ〕
〔もうバンビにも爆速でメッセ送っちゃったもんねー〕
〔頑張ってねー〕
かのあるふぁ
〔う゛お゛おおおおおおおおおおおおおおん゛〕
〔何か分かんないけどバンビ姉さんと会えて嬉しい気持ちと、正直手伝いとか行きたくない気持ちがせめぎ合っててむしろ究極楽しいかも!!〕
〔遠足楽しみだけど早起きしたくないし疲れるから歩きたくないけど楽しみで爆発しちゃいそうなあの時の絶妙な気持ちみたいな!!〕
蛍
〔究極楽しいかも!!の字面アホすぎてさすがにワロタ〕
潮
〔うんうん そういうのはね〕
〔大体行けば超楽しいから〕
〔つべこべ言わずに行ってらっしゃい〕
おその
〔遠足気分で行ったら痛い目見そうだけど大丈夫か〕
かのあるふぁ
〔うーーーん!!〕
〔とりあえず、行ってから考えてみるわ!!!〕
蛍
〔終わったなこいつ〕
セリー
〔えーと〕
〔蘇芳姉弟が遊園地に行った話から、何故か潮のお菓子を全部食べたことがバレて、筋肉強化イベントに行くことになって、あまねんがひまわりクッキーの作り方を教わることになったってことで良い?〕
蛍
〔な、何て奇天烈な起承転結…ごくり…〕
潮
〔展開としてついていけない感じが逆に新しくて良いかもしれん〕
おその
〔ま、とにもかくにも起まで戻るとさ〕
〔那由多コーチが楽しく過ごせたんなら本当に良かったよ〕
〔大会後の様子がずっと気になってたから、笑顔の写真見れて嬉しくなっちゃった〕
〔弟なんていないのにマジで弟いる気分で微笑み溢れたわー〕
セリー
〔本当にそうだよね…何か安心しちゃった〕
〔そういえば、那由多くんをはなやぎにご招待する話はあれからどんな感じ?〕
〔土曜日開催の予定だったけど、変更なしで大丈夫そ?〕
かのあるふぁ
〔うん!大丈夫!!!那由多めちゃくちゃ楽しみにしてたよーーー!!!〕
セリー
〔おっけーです〕
〔鯛めしとか蓮根のはさみあげとか、料理の準備ばっちりだよ〕
〔予定通り萌と金曜日に泊まりに行って下ごしらえとかするので よろしくね〕
あまねん
〔パフェパーティの準備もできてるよ!楽しみだな~〕
潮
〔2人ともいつも準備してもらってありがとうね〕
〔手伝えるところは全力でやらせてもらうんで いつでも言ってください〕
おその
〔同じくー 楽しみやな〕
蛍
〔ほな金曜日のお泊りも土曜日のパフェパーティも楽しみにしてまーす〕
かのあるふぁ
〔みんな那由多の為に本当にありがとねーーーー!!!〕
〔でも実はかのあが一番パフェとご飯楽しみにしてる件について!!!〕
〔よろしくーーー!!!〕
あまねん
〔よろしくね~!〕
潮
〔よろしく では皆さんまた当日に〕
「やっほーーーーー!!!那由多が来ったよーーーー!!」
ーーーかのあの元気な声が玄関ホールに響いた、土曜日のお昼前。
中央ホールにいた各々が集まって出迎えると、大きな荷物を携えた那由多がゆっくりと頭を下げた。
「こんにちは、お邪魔します」
「こんにちはー、ようこそはなやぎ館へ」
「こんにちは~!ようこそ!」
「那由多コーチようこそー」
「ありがとうございます。今日はよろしくお願いします」
緊張している那由多の肩をかのあがばしばしと叩き、ひとまず中央ホールへと足を踏み入れる。
それから那由多は大きな荷物から6個の可愛らしい紙袋を取り出すと、それぞれに手渡した。
「あの、これ…良かったら」
「えぇ?!」
「うおーーーーー!!えぇ?!Tシャツ…?!」
「はい。知り合いに作ってもらって…」
中を確認した面々がそれぞれ嬉々とした反応を示す。
可愛らしい紙袋の中に入っていたのは、優しいフォントと愛らしい花と山羊が描かれたふんわりデザインのTシャツ。
しっかりとした生地で作られたそれを身体に当てた6人を見て、那由多が満足げに笑った。
「かわいいっす。めっちゃ」
「うおーーーーすごい…え、待って。6人でお揃いTシャツ控え目に言って神じゃない?」
「プレゼントセンス花丸すぎんか?」
「いやー…難しかったんですよね。果物は蛍さんのおじいさまから贈られるってことでしたし、お菓子は周さんが、和菓子はおそのさんが、料理とかお野菜は芹さんが、ハンドクリーム系は周さんのお姉さまから、海の幸や山の幸は贈ってくださる方がいるって聞いてましたし…俺は一体何を手土産にすればいいんだって…」
「若き青年の心めっちゃ悩ませてて草」
「気遣わせてんの申し訳なくて逆に草。セリーとあまねん以外、お部屋と画面がお友達な人間しかいないこんな場所に来てくれただけで嬉しいのに」
「ほんまそれな。手ぶら推奨定期」
「そして悩んだ末にコーチが選んだものがはなやぎお揃いTシャツていうのがもう…すまんコーチ、かわいいが止まらんですわ」
「友達に相談したら、お揃いはどう?からのTシャツにしよう、デザイン考えてあげるわって言ってくれて…それめっちゃ良いじゃんってことで」
「お友達有能すぎる」
「ねぇ~私お揃いホント大好きだから正直めちゃくちゃ嬉しい…!デザインもすっごくかわいい!お出かけの時皆で着ようね!那由多くん、ありがと~!」
「あ、いやいや…喜んで頂けて嬉しいです」
大喜びの周の圧にどぎまぎする那由多。
一旦着てみようということで服の上から着てお互いの様子を確認した後、かのあが満面の笑みで言った。
「はなやぎサイコー!!」
「それなー。何この気恥ずかしいけど超幸せな気持ち」
「那由多くんがこの幸せを運んでくれたのね」
「ありがとう那由多くん」
「そんな…でも本当に、皆さんお揃いTかわいいです。これにして良かった」
それから、那由多は皆のお揃いTシャツをにこにこ微笑んで見ていた萌に向き合って、今度は別の紙袋を差し出す。
「あとこれは、萌さんに…。今日パフェパーティって聞いてたので、その…おもちゃでもパフェが作れたらいいかなって思って」
「えっ!えぇ…?!那由多くん、萌にまで…!ごめんね、気を遣わせて…えぇどうしよう、ありがとう本当に」
「わーい!パフェが作れるやつだ!那由多お兄ちゃん、ありがとう!」
予想外のプレゼントに眉を下げて御礼を言った芹の横で、プレゼントを受け取った萌がぴょんぴょんと跳ねて喜ぶ。
その様子を微笑ましく見つめながら、那由多は首を振って応えた。
「いえ、こちらこそ…かのあは芹さんだけじゃなく、萌さんにもいつもお世話になってるって聞いてたので。いつもありがとうございます」
「あのね!これはね!冗談抜きでガチでいっつもお世話になってる!!」
「謎なんだけど。何でこいつドヤ顔なの?」
「だって、一緒にご飯食べてたら、ケチャップついてるよーって優しくお口とか拭いてもらっちゃうもん。トイレ行った後とか、かのあちゃん電気ついたままだったよーって消してくれるもん。服とかもね、かのあちゃんボタンずれてるよーって掛け直してくれるんだよ?お世話になりまくりだよ!」
「それはお世話になりまくりだねぇ…マジかよこいつ…」
「も…萌さん、いつも本当にありがとうございます。てゆうか本当に姉がいつもすみません…」
「萌ね、かのあちゃんのこと大好きだから、色々してあげたくなっちゃうの。だから大丈夫!」
眩しいほどの笑顔で言い放った萌に驚愕した蛍が、かのあの両肩をがくがくと揺らして口を開く。
「おい!!萌ちゃんに今からこんな健気な献身させやがって!将来彼氏とかできたときこれが普通になったらどう責任取るつもりだコラァ!!」
「びえええぇぇーーん!!かのあも萌ちゃんがいる時くらい色々気にかけてたいんだけどぉ、もうどうしようもないんだおーーー!!でも萌ちゃんの彼氏がかのあみたいなのだったらガチで肩震えるくらい怒り散らすかもーーー!!うぇーーーん!!」
「いや自覚してるなら改善せんかい」
「大丈夫。多分萌のこの献身ぶりはパパ似だから。勝手な持論だけど、萌は何もできない人よりある程度しっかりした人の方が好きだと思うよ」
「そっか。ならいいか…」
「セリーが言うと説得力えぐいな…」
「今のセリフだけで萌ちゃんの彼氏像が突然めちゃくちゃしっかりした人に変わったわ。良かった」
「確かに萌ちゃんならかのあみたいな人間は選ばないかぁ」
「ね゛ぇちょっとやだ!!!振られてないのに振られたみたいな気分にさせるのやめて!!」
「まぁまぁとりあえず立ち話もなんですし、まずはソファに座ってくださいな」
話が盛り上がる中、潮は那由多の背中に手を当て、ホールのソファへと促す。
少し緊張が解けた様子で腰掛けた那由多に、セリーが暖かい笑みを向けて言った。
「ーーそれじゃぁ、早速お昼にしようか。那由多くん、準備するので少々お待ちを」
「あ、ありがとうございます。あの、何かお手伝いを…」
「えぇ…?待って、本当にかのあの弟…?こんな気遣いのできる那由多くんのお姉ちゃんが、ご飯準備するからねーって言ったらわーい!ってスプーンとフォーク両手にうきうき待ってる5歳児のかのあちゃんだなんて…信じられない…」
「それ聞いてちょっと苦しいです…姉が本当にいつもお世話になってます…」
「ううん、いいのよ…うちらもちょっと甘やかしちゃってるところあるから…」
「ま、うちらが呼びたくて来てもらってるわけですから、コーチはとりあえず座ってのんびりしててくださいな。お手伝いはかのあがやるんで。なぁ、かのあ」
「はぃぃぃぃ!!お手伝いさせていただきまーーーす!!」
爆速で立ち上がり芹の背中にぴったりくっついて、一緒にキッチンへと向かったかのあ。
程なくして、既に綺麗に並べられていたランチョンマットの上に、
蕪のポタージュや鯛めし、蒸し鶏の胡麻だれサラダ、那由多の好きな蓮根のはさみ揚げなどが置かれていく。
良い匂いが漂う中。
芹の指示のもと配膳を頑張るかのあを見守りながら、那由多はおずおずと口を開く。
「あの。すみません、大会…。応援してくださったのに、不甲斐ない結果に…」
「あ゛!!その謝罪は許しませんよ那由多コーチ。勝負事の世界と一緒にするなと言われるかもしれませんがねぇ、コーチは私が何かで受賞するのを応援してくれてて、もし受賞できなかったら私の作品読むのやめちゃうんですか」
「そうだそうだ!私がマンガ大賞取れなかったら、落胆して読むのやめちゃうんですか」
「えぇ…?いえ、好きな作品が何かで1位を取ったらそりゃ嬉しいですけど…順位関係なくお二人の作品が好きなので。普通に読み続けます」
「そうでしょう!我々も同じですぞ」
「……そう、ですか…。そっか…ありがとうございます」
潮と蛍の圧に戸惑いながらも、少し嬉しそうに言った那由多。
その横から、「そうだよ那由多くん」と芹が少々熱のこもった口調で語り掛ける。
「那由多くんの一生懸命は、色んな人の心を動かしたんだよ。あの日の涙本当に綺麗だった。血も繋がってないのに、勝手に誇らしかった」
「えっ…ありがとうございます…」
「兄さんもしばらく那由多くんの話をしてたよ。あの時のファイト本当に良かったとか、素晴らしかったとか、自分の弟みたいに褒めちぎってた。皆でずっと応援してるよ」
「………、嬉しいなぁ。そう聞くと、結果関係なく応援してくださってるって分かってても……勝ちたかったなぁ…」
那由多の綺麗な瞳が、少しだけ潤んで。
それを見たはなやぎの面々の瞳が那由多以上に潤む。
「やめてよ那由多くん…!泣いちゃうよおばちゃんたち…!」
「おい誰かティッシュ持って来て、タオルでも可」
「何かすみません…でも本当、皆さんの応援が心から嬉しくて。だから、次は必ず勝てた姿お見せしたいです。頑張ります」
「おう…!眩しいぜコーチ…!」
暫し部屋の中に鼻を啜る音が響いた後。
はなやぎのメンバーと仲良く話す弟の姿を温かい目で眺めていたかのあが、配膳を終えて手をぱちぱち2回叩いた。
「よっし!!お手伝いかんりょーー!!やばい美味しそうすぎて待ちきれない!皆早く座ってー!!」
「はーい、かのあちゃんありがとねー」
「うおーーーーやっば、美味そう」
「マジで毎回思うけど、芸術作品みたいよな」
丁寧に並べられた料理を眺めて、那由多は感慨深げに口を開く。
「すごい……ずっと食べたかったんです、芹さんの料理。このクオリティの食事をかのあがいつも無料で食べさせてもらってるってマジですか?やばいでしょお前…何で頭下げずに生きてられるんだよ…」
「そうなのよ!!マジで正直セリーの料理がかのあの健康を支えてると言っても過言ではない!!むしろ純然たる事実!!いつもありがとうセリー!!」
「しかも俺、蓮根のはさみ揚げ大好きなんです。嬉しすぎてスキップしたい気分です今」
「そうそう、かのあから聞いてね。せっかく食べに来てくれるんだったら好きなものを食べてもらいたいと思って。お口に合うといいんだけど」
「えぇ?もう、俺…えぇ…?もしかして今日のこの一日の為に生きてきたんじゃないかこれ…?」
「やめてやめて。今日だけじゃなくて、美味しいと思ってもらえたらこの先いつでも作るからね」
「何なんだ今日…幸せだ俺…」
しかも二種類…えびのすり身でも作ってくれてる…
と始終感動している那由多に、「どうぞ食べてね」と声をかける芹。
深々と頭を下げた後、那由多はしっかりと手を合わせた。
「頂きます。本当にありがとうございます」
「はい、召し上がれ。大会お疲れ様でした」
「わーい!!いっただっきまーす!!」
「いただきまーす。那由多コーチ大会お疲れ様っす、そしてありがとうセリー」
「いただきまっす。那由多くんお疲れ様でした、セリー感謝ー」
頂きますをして喜び勇んで食べ始めた全員が、その美味しさに思わず舌鼓を打った。
「美味すぎ…え?何だこれ…俺の身体が喜んでるのを感じる…」
「和食サイコー!」
「美味しいなら良かった。お口に合って何より」
「マジで何回食べても感動するわ。何でこんなに美味いんだろね?」
「愛よ。これが愛の味よ」
「絶対そうだわ。セリーの愛うめー」
「そうね、愛情込めて作ってますから。たんとお食べなさいな」
「女神セリー。セリー女神」
「整うわー」
芹の淹れてくれた釜炒り茶を合間に挟みながら、ほっと一息。
美しい配膳と盛り付けに見惚れ、食を楽しむ為に選ばれた綺麗な器と箸に触れ、良い匂いにお腹を鳴らし、さくさくのはさみ揚げやしゃきしゃきのサラダを食べる音を聴き、その美味しさに驚き、皆と食卓を共にしている幸せを嚙みしめる。
六感全てで食事を味わうことの喜びに浸る内、食器の中はあっという間に空になっていった。
「やばい…ご飯ってこんなに美味しかったっけ…?食事ってこんな楽しかったんだなぁ…」
「いやコーチ分かる。私も初めてセリーの料理食べた時そんな感覚になったんよなー」
「何か今までのご飯って、お腹空いたからとりあえず適当に腹に詰めてるって感じだったんですけど…。セリーさんの料理は、食べていく内にお腹以外も満たされるというか」
「うんうん、魂よ。魂が満たされるのよね。これこれぇ!!みたいな」
「褒めてくれて有難いけど、過大評価すぎない?」
「君の愛情はね。芹が思ってる以上にたくさんの人の心を満たすんですよ」
照れて言った芹に、潮が至極当然といった様子で述べ、各々が賛同して頷く。
ご飯粒ひとつ残さず綺麗に食べ切った後、全員で手を合わせて言った「ご馳走様でした」が食堂に良く響いた。
「はさみ揚げ久しぶりに食べられて、すごい嬉しかったです。セリーさん、美味しい料理を本当に…ありがとうございました」
「こちらこそ、綺麗に食べてくれてありがとう。良かったらまた食べに来てね」
「是非お願いします」
「いやーーーーーー美味かったーーーーーーーーーー」
「栄養も愛情も満タンで、これでしばらくスルメの燻製だけでも生きていけるわ」
「お前のオンリーワンの選び方癖強すぎない?」
「頼むから、作ってない時でも自分でちゃんと栄養の有るもの食べてね…」
感謝の気持ちを込めて全員で食器を下げ、食卓をリセットする。
その後、周がきらきらと輝く笑顔で口を開いた。
「さぁ!次はパフェパーティだね!15時から始めよっか」
「パフェパーティキタコレ」
「こんな美味しい食事イベントの後にデザートイベント待ってるの贅沢すぎんか」
「もうすでにさっきちらっと見ちゃったんだけどさぁ……気になりすぎるので先にパフェメニュー聞いてもいい?」
「勿論!」
食堂に置かれた、アイスの冷蔵ショーケース。
中には色々な味のアイスがお店のように並べられ、傍には綺麗に顕れたアイスクリームスクープが置かれてあった。
「今回パフェパーティするんだけど、アイスどんな感じで並べたら取りやすいかな?ってお姉ちゃんに相談したら、何と冷蔵のアイスショーケースを買ってくれたので!次回から好きな時にアイスが食べられるよ~!」
「おい神かよ」
「アイスショーケースを…買ってくれた…?」
「買ってくれたの規模感と種類が我々の知らない感覚な件について」
「やったーーーー!!アイス!!アイス!!Fooooooooo!!!」
「ふふふ。種類はね、蛍のおじいちゃんが贈ってくれた果物系…マスカット、ぶどう、梨、栗、キウイ、りんご。後はチョコとバニラ、チョコチップ、クッキー、ナッツ、コーヒーの12種類で作ってみました~!どうかな?」
「いや…………」
「すごすぎだろ………」
「作ってみました!ってレベルじゃねぇぞ……」
「小梅さんのところの食材を使って作ってて、余計なものは特に入れてないから食べやすいと思います!好きなようにアレンジして食べてみてね」
それからかわいいメニュー表を取り出してきて、綺麗に片づけた食卓の上に広げる周。
「栄さんに作ってもらったんだ~」と嬉しそうに言った周に暖かい視線を送りながら、全員がそれを確認して驚愕する。
「えっと…トッピングは生クリーム、マスカルポーネ、苺のスライス、ロールクッキー、ココアパウダー、フルーツゼリー、フルーツソース、グラノーラ…」
「これロールクッキーとかマスカルポーネクリームとかも全部作ってんでしょ…?えぐいわこの女…」
「女呼びやめてよ~!ロールクッキーも簡単だし、マスカルポーネクリームはそんな難しくないし、むしろ作るの楽しかったけどな?那由多くん、アイス持って帰る分も作ってあるから良かったら是非!」
「感謝です…あの、周さんと芹さんって、絶対地球規模の凄さで留まってませんよね?」
「ど、どういう褒め方?!」
パフェコーナーを見ながら真顔で言った那由多に、はてなを浮かべる芹と周、分かるーと頷く蛍たち。
それから、15時が来るのを楽しみに待つことを理解した萌が、早速といったようにパフェのおもちゃを掲げて言った。
「那由多お兄ちゃん、パフェのおもちゃで遊んでもいい?」
「どうぞどうぞ。すみません、年長さんのおもちゃってこう、想像できなくて…買った後に幼すぎたかな?と思ってたんですが、萌さんにはもしかして少し子供っぽかったですかね…?」
「そんなことないよ。改めて見たけどこれすごいね、パーツがすごく細かくてリアル。萌こういうの好きだからすごく助かる。本当にありがとう」
「良かった…安心しました」
「萌、那由多お兄ちゃんにおいしくってかわいいパフェ作るね!」
「うお…」
「コーチから うお… 頂きましたー」
「圧倒的おねえさん好きの那由多からそんな声を聞く日が来るなんて!!萌ちゃん恐るべし!!」
「平然と弟の癖暴露してて草なんよこいつやば」
「かのあごめん、マジで俺お前のこと嫌いかも」
「かのあ…今のはさすがにギルティすぎるよ…」
「マジで脊髄反射で喋っててごめん本当に!!!ごめん!!!」
「ちなみに暴露ついでの参考までに、どのキャラが好きなんすか?」
「…蛍さんの作品の中だったら…圧倒的に寧々さんですね」
「あー」
「あー」
「理解」
「私もおにいさんキャラが好きだけど、三鼓キッズたちを見てたら うお… ってなっちゃうから。分かるっすよコーチ」
各々うんうんと頷きながら、早速パフェのおもちゃを広げていく。
生クリームやチョコ棒、たくさんの種類のアイス、ブラウニーやクッキー、種類豊富な果物の数々など細かく分けられたケース。
それから可愛らしいパフェカップ、スプーンに、大人たちの方が感激する。
「おいおい出来すぎだろこれ」
「上手く固めたらキーホルダーにもなりそうなサイズ感でいいね~!」
「キーホルダーにもできるの?上手にできたら、那由多おにいちゃん貰ってくれる…?」
「ガチで貰ったらずっと鞄につけて歩きます俺」
「よっしゃ萌、芹譲りの素晴らしいセンスを爆発させて完成させよう」
「うん!待っててね!」
小さな手が一生懸命パフェカップに盛り付けしていくのを、大人たちが微笑ましく見守る。
潮が補助で接着剤を使用して、しっかりつくっついて少しずつ埋まっていくパフェカップ。
やがて彩り綺麗なパフェが完成すると、それは笑顔と共に那由多へと贈られた。
「那由多おにいちゃん、大会お疲れさまでした!萌とママ、ずっと応援してるからね!」
「………………………、ありがとう……」
「萌りん……涙製造するのやめてね……」
「はー。頑張ろう。これ、むき身で鞄につけたら壊れちゃいますよね…何か良い案ないでしょうか」
「あ、もしかしたらできるかも。アトリエに何とかできそうなものあるから、ちょっとやってきてもいい?」
「すみません、ありがとうございます」
しばらくして戻って来た芹の手の中には、厚手のクリアカバーで保護されたパフェキーホルダーがあった。
芹によって付け足された「win」と書かれた可愛らしいレジンパーツも、誇らし気にゆらゆらと揺れている。
受け取った那由多が、気恥ずかしそうに頬をかきながら笑った。
「一生大事にします」
「ありがとう」
微笑ましすぎる光景に、全員が不思議な感覚に浸る中。
テンションの上がりまくったかのあが、高速で写真を撮り続けていた。
「2人ともこっち向いてぇぇぇ!!!キーホルダー見せてにこってしてぇぇぇぇ!!!」
「あと、いつもかのあが本当にすみません…何回でも謝らせてください…」
「いえいえ、かわいい妹みたいなものだから」
* * * * * epilogue
(さぁ!15時になったからパフェパーティはじまるよ~)
((((うおーーーーー!!!))))
(やったー!萌、すっごく楽しみにしてたの!)
(うれしい!萌ちゃんはどんなパフェにする?)
(えっとね、萌は…色々あって悩んじゃうけど…マスカットとチョコレートアイスのパフェにする!)
(おっけー!美味しそう!私もお手伝いするから、一緒に作ろ~!)
(あまねちゃん、ありがとう!)
(やばい、全部食べたい。全部乗せ有りですかね)
(有りでしょうコーチ)
(あ!小さいカップと小さいアイススクープも用意してるんだった!これも使ってね~)
(おいおい女神降臨すぎるでしょ)
(これなら全種類食べられそう)
(あまねんさん、ありがとうございます。よーし、作るぞ)
(マジではなやぎにアイスショーケース実装されたのでかすんぎ)
(実装とかいうワードチョイスやめてね)
(見て見てーーー!!生クリームもりもり梨マスカルポーネチョコチップアイスパフェーーー!!)
(まぁ正直美味そう)
(見て、萌もマスカットチョコパフェできたよ!)
(完璧ですわ萌りん)
(俺もできました。栗と珈琲のダブルアイスに、マスカルポーネとフルーツゼリートッピングして、ぶどうとロールクッキーのせた最高のパフェです。もう一つはナッツとキウイのダブルアイス、生クリームと苺のスライスとグラノーラたっぷりトッピングして、りんごと梨乗せました)
(めっちゃパフェパーティ楽しんでて最高っすコーチ)
(もう俺、幸せです今日。ありがとうございます本当に)
(全員作れた?エア乾杯していただきますしよーぜい)
(じゃぁ、あまねん。素敵なパフェパーティ提供感謝。いただきます、かんぱーい!)
(((((((いただきます、かんぱーい!)))))))
(ふぉぉぉぉぉぉぉぉぉう゛ま゛ぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!)
(何だこれ…うま…全部の味が美味すぎて舌ばぐりそう)
(パフェパーティサイコー!!)
(果物も美味いしアイスも美味いしトッピングも美味いし。やばいわこのパフェ…)
(ご飯もデザートもこのレベルをいつも味わってるってマジか…。かのあお前、本当に環境に恵まれすぎだろ…)
(最近数えてみたの!ただ配信するだけで掃除の必要もない立派なお家。美味すぎるご飯。美味すぎるデザート。理解のある最高の友達。めっちゃ活躍して頑張ってる弟。可愛いし頭良い妹。やばいかのあ!!!かのあが一番最強だわ!!!)
(お前が最強だよホントに)
(かのあちゃんがいるだけではなやぎの明るさが変わるから面白いよねー)
(はなやぎ館だいすきーーー!!ありがとーーーーー!!!)
(やばい、美味すぎて2つもう食べ切ってしまった…まだまだ作ろう)
(那由多くんが喜んでくれて良かった~!またいつでも作るから、食べてね!)
(ありがとうございます。感謝です)
(あー美味しかった…満足…ご馳走でした…)
(パフェってだけで贅沢感すごいのに、こんな美味かったらもう…動けないよ…ご馳走様でした…)
(あまねん感謝…ごちそうさま…)
(本当に美味しかった。ありがとう周、ご馳走様)
(萌も美味しかった!あまねちゃん、ごちそうさまでした!)
(皆が美味しいって食べてくれて、私も幸せ!またやろうね~)
(お、那由多くんも最後のパフェが完成しましたか)
(はい。ココアパウダーとフルーツソースたっぷりかけたチョコとバニラとクッキーのトリプルアイスにキウイとマスカット乗せてみました)
(パフェパーティにして良かったなぁ、こんな満喫してくれて見てて最高だわ)
(俺も最高です本当に)
(かのあももう一個作った!!マロンとチョコのダブルアイス!ココアパウダーどばどば!生クリームたっぷり苺のスライスたっぷり!フルーツゼリーましましパフェーーー!)
(蘇芳姉弟が楽しいのが一番良いのよ)
(また何か企画したら呼びますんで、良かったら参加してください)
(もう是非参加させてください)
(ああああーーーー!!食べたーーーー!!ごちそうさまでしたーーーー!!!うんまかったーーー!!!)
(これだけの数ご準備大変だったでしょうに…素敵なパフェをご馳走様でした、あまねんさん)
(いいえ!私も楽しかったからウィンウィンだよ~!美味しく食べてくれてありがとう!)
(同じくセリーさんも、大人数の料理を本当にありがとうございました。また御礼をさせてください)
(ううん、私も美味しいって言われるのすごく嬉しいから。それにまた来てくれるだけで皆嬉しいんだから、御礼なんて思わずに気軽に遊びに来てね)
(あ、アイス持って帰ってね!アイス用の容器6個あるから、好きな味6個教えて~)
(あぁ、私もはさみ揚げ余分に作っておいたから、冷凍して保管できるようにするね。良かったら持って帰って)
(ちょっと待って、俺今日どうなってるんだ…?帰り道大丈夫なのか…?)
(コーチ大丈夫っす、フラグじゃないから大丈夫っす)
(はなやぎにいるとこんなことが多々起きるんで。次回からも楽しみにしてほしいっす)
(それじゃぁ、今日は本当にありがとうございました。たくさん食べさせてもらった上に、保存用まで貰ってしまって…)
(こちらこそですよ。かわいいTシャツも感謝です。またいつでも来てください)
(大会もお疲れさまでした!)
(活動大変なことも多いだろうけど、無理せず。しんどくなったらいつでも頼ってね)
(また楽しいイベント色々しようね~!気を付けて帰ってね!)
(那由多おにいちゃん、かわいいおもちゃもありがとう。また遊んでね!)
(ありがとうございます…俺もう………なんか満足しそうです…)
(いやいやコーチ、まだまだこれからっすよ!)
(そうですよね…この先も頑張ります。お邪魔しました)
(またね~!)
(楽しかったね、那由多!!てか那由多が楽しそうでかのあもめっちゃ嬉しかった!)
(はぁ…10年分くらいの幸せ一気に得た感じがするよ)
(かのあの友達、皆サイコーでしょ!)
(うん。かのあが素敵なお友達に囲まれて、幸せに生きてるって分かってすごい…俺も嬉しくなったよ)
(へへへ!自慢の友達と自慢の場所なんだー!またいつでも来てよね!)
(ありがとう。俺も皆さんの応援に応えられるよう、もっと頑張んなきゃな)
(何言ってんだか!そのままの那由多が皆好きなんだよ?)
第二十二話(一) 了




