好きです、付き合ってください。
告白します。
桜川「好きです、付き合ってください」
伊藤「ごめんなさい」
佐藤「ごめんなさい」
加藤「ごめんなさい」
桜川「がーん」
人生で合計30回振られた桜川は途方に暮れ、深く悩み始めた。
桜川「どうしたらモテるんだろう…」
木村「桜川先生、何悩んでるんですか?」
桜川「モテたいんだ俺は!」
木村「男性で1番モテるのはIQ75~95位ですからね、しょうがないですよ」
桜川「そういう問題じゃないだろ!てか後輩のお前がなんでそんなこと知ってるんだよ!」
木村「先輩、そんなことも知らないんですか?ネットで調べれば一発ですよ。恋愛も研究が一番大事ですよ」
かわいい彼女を見せつける後輩の木村が輝いて見える。
桜川「研究~?そうか…じゃあ調べてみるか…」
木村「それに、今コンパも相当しにくい世の中ですから。合同研究という名の下に出会いを求めたらどうですか?」
桜川「確かに!」
やる気になった桜川は【らぼらぶ】と書かれたハチマキを巻いて夜な夜な恋愛の論文を読み漁り調べ始めた。恋愛が最もうまくいく血糖値の推移は…。恋愛を成功させる魔法の薬は…人を好きにさせる薬は…桜川は顔をにやつきながら楽しそうに調べていた。どうやら薬を作ってみたくなってきたみたいだ。
桜川「ねるねるねるねる、これで皆俺を好きになる…へへへ」
告白します。
桜川「好きです、付き合ってください」
伊藤「私も好きです!よろしくお願いします」
佐藤「私も好きです!よろしくお願いします」
加藤「私も好きです!よろしくお願いします」
人を好きにさせる研究をしばらく続けて寝落ちしていい夢を桜川はどうやら見ていたみたいだ。
桜川「なんだ、夢か…いや今からでも遅くない!薬は開発できたんだ」
2年かけて完成させた薬はたった一人にしか使えてない。さあ、誰に使おうか…
俺は人生かけてこの人に飲んでもらう!グラビアアイドルの愛ちゃんに!
石山「結局会えない人じゃん。いつまで夢見てんだ現実を見ろ現実を!合同研究でお前好きな子いるっていってただろ?」
既婚者の同期である石山が我に返れと桜川に説教をする。
桜川は我に返り合同研究で出会ったA子ちゃんに薬を使うことを決意する。なんとかデートに誘い、ランチの間で隙をついて薬を飲み物に入れた。告白します。
桜川「好きです、付き合ってください」
A子「えっ…無理、ごめんなさい」
桜川「……え?」
Aさんは気まずくなったからかお金を置いて去ってしまった。桜川はは研究の成果が出なかったことを嘆いていた。
木村「先輩、飲ましてすぐ告白したんですか?そういうの効果出るのに1時間かかりますよ」
桜川「しまった!論文にも最低30分置いた方がいいと書いてあったこと忘れた!」
木村「先輩、人を好きにさせるんじゃなくて、自分がどういう人を最も幸せにできるか真剣に考えたほうがいいっすよ」
木村は美人を連れて去っていた。
研究は失敗の連続だが、いつか正しい答えにたどり着ける人生に必要なものだ。