オモチャ事情
竜がヴェルトとノワルの圧力に負け、働く事になり数日ノワル玩具店は閑古鳥が鳴いていた。
「お客さん来ませんね」
「そうですね」
もう何順目かの掃除をしながら暇を潰していた竜はノワルにいろいろと質問してみた。
「ここら辺のこと教えてもらっていいですか? 全くこの国のこととか知らないんですけど」
「ヴェルちゃんから何も聞いてないんですか?」
「全く、何も聞いてないですね」
「それじゃあ--」
ノワルはレジ台の下から地図を取り出した。
「ここはトルカという国の東側にあるモクバっていう町です。都市部に近いので結構賑やかなんですよ!それに自然も豊かで、夏にはお祭りもやるんですよ」
「へぇー、楽しいところなんですね。こっちのオモチャってどういうのがあるんですか?」
「そうですね木の武器だったり、お人形さんですね、他にはカードゲームとかボードゲームがあるんですけどギャンブルで使われるものが多くて、子供が遊ぶものっていうイメージがないんですよね。月見里さんの世界はどんなオモチャがあるんですか?」
「こっちにもボードゲームとかカードゲームもあるし、パズルとか積み木、ブリキのオモチャですね。小さい子から大人まで遊べるのもあるし、こっちの世界にも一様武器のオモチャもあるんですよ」
ぱずる?ぶりき?それは一体なに、どうやって遊ぶものなの!?
聞いたことのないオモチャにノワルは目をキラキラさせながらメモをし始めた。
「どうやって遊ぶんですか!」
「パズルはバラバラになったいろんな絵を自分で組み立てて遊ぶものですね。ブリキは薄い鉄板で作った乗り物とかの人形ですね」
「どちらも想像しづらいですね……、他には何がありますか!」
「こっちでも出来そうなのだと、けん玉とかリバーシですね」
「それはどのように!」
二人のオモチャ談議はヴェルトが呼びにくるまで続くのだった。